商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2011/06/25 |
| JAN | 9784106036828 |
- 書籍
- 書籍
ふたつの故宮博物院
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
ふたつの故宮博物院
¥1,320
在庫あり
商品レビュー
3.7
10件のお客様レビュー
圧倒的に読ませる文章力。 北京と台北の二つの故宮から、近代中国の悲哀と昨今の両岸関係事情をも包含したドラマを紡ぐその展開に思わず一気読みした。 故宮の文物が中国大陸を彷徨い、最後に台湾まで渡ったその経緯は数奇に思えるが、文化は即ち政治であり、正統性を与えるものとして権力の象徴であ...
圧倒的に読ませる文章力。 北京と台北の二つの故宮から、近代中国の悲哀と昨今の両岸関係事情をも包含したドラマを紡ぐその展開に思わず一気読みした。 故宮の文物が中国大陸を彷徨い、最後に台湾まで渡ったその経緯は数奇に思えるが、文化は即ち政治であり、正統性を与えるものとして権力の象徴であった、中国の長い歴史から見れば、その流浪の旅もまた歴史上に繰り返されてきた一コマに過ぎないのかもしれない。混沌としているから、それを生き抜いてきた文物がより眩く見えるのか。 辛亥革命から100周年の年に、二つの故宮展を東京国立博物館で統一させようとした平山郁夫の演出も味があり、日本が、その歴史的経緯からも主要な参画プレーヤーだということを改めて思い知る。 台北の故宮が台湾の人から受け入れられるのか、台湾化と中華主義の攻防も、台湾の複雑な内部事情を物語る。執筆時から相当時間が経っているが、いまだに内容として褪せない。 二つの故宮から、ここまで両岸、そして時に日本をも巻き込んだ歴史、政治、文化にわたるドラマを描けるものなのか。ただただ脱帽する。
Posted by 
一つの美術品が数奇な運命をたどる話は良く聞くけど、ハコである博物館そのものがひとつの生き物のように時代(政治)に翻弄される壮大なストーリーでめちゃくちゃ面白かった! 王朝によって民族が入れ替わる中国にとって政治と文物は不可分なのね。 惜しむらくはこの本が2011年に書かれて...
一つの美術品が数奇な運命をたどる話は良く聞くけど、ハコである博物館そのものがひとつの生き物のように時代(政治)に翻弄される壮大なストーリーでめちゃくちゃ面白かった! 王朝によって民族が入れ替わる中国にとって政治と文物は不可分なのね。 惜しむらくはこの本が2011年に書かれていて2014年の東博が開催した國立故宮博物院の企画展について書かれていないこと。 国立である東博が、日本が「国」として認めていない台湾の故宮の企画展を「國立」の表記のまま開催できた経緯を知りたいぞ〜!
Posted by 
北京故宮と台北故宮のふたつの故宮博物館。 辛亥革命により清国が消え、 日中戦争勃発により文物の避難が始まるが、 やがて国民党と共産党の国内紛争の中で、 さらに迷走し、台湾省へと海を渡る。 中国から来た人々を「外省人」と呼び、 もともとからの台湾人を「本省人」と呼ぶ。 台湾国内の政...
北京故宮と台北故宮のふたつの故宮博物館。 辛亥革命により清国が消え、 日中戦争勃発により文物の避難が始まるが、 やがて国民党と共産党の国内紛争の中で、 さらに迷走し、台湾省へと海を渡る。 中国から来た人々を「外省人」と呼び、 もともとからの台湾人を「本省人」と呼ぶ。 台湾国内の政治は博物館建設にも影響を与え、 民進党と国民党の政争に巻き込まれる。 質の台北故宮、量の北京故宮の意味がよくわかった。
Posted by 
