商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 偕成社 |
発売年月日 | 1976/11/20 |
JAN | 9784039630704 |
- 書籍
- 児童書
多毛留(たける)
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多毛留(たける)
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商品レビュー
4.7
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茫・・・と広がる海。 漂う潮の香り。 海の向こうには、別の言葉を話す別の国の人々が住んでいる。 あるとき、漁師の阿羅志(あらし)は、消え入りそうな白く美しい乙女を連れて浜に戻る。 ずっと口をきかなかった乙女はしかし、時を経て阿羅志の妻となり、多毛留(たける)という男の子のかかさ...
茫・・・と広がる海。 漂う潮の香り。 海の向こうには、別の言葉を話す別の国の人々が住んでいる。 あるとき、漁師の阿羅志(あらし)は、消え入りそうな白く美しい乙女を連れて浜に戻る。 ずっと口をきかなかった乙女はしかし、時を経て阿羅志の妻となり、多毛留(たける)という男の子のかかさんとなる。 かかさんは口をきかぬまま、それでも親子3人の暮らしは穏やかに続いた。 浜に2人の男が打ち上げられるまでは。 美しくはかなげな乙女が、なぜふるさとの地を離れたのかわからない。 その後、父と息子と思われる2人の男がなぜ流れ着いたのかもわからない。 ただ、玄界灘を挟み、2つの国は近い。 歴史の中で、こうした出来事がいつかどこかであっただろう。いや、それは形を変えて今でもどこかであることなのかもしれない。 繊細で優美で妖しい絵は、夢ともうつつともつかぬ、運命的な出会いとそれに続く悲劇を描き出す。博多弁の響きは、神話のような民話のようなこのお話に深みを与える。 先般(2014年8月26日)亡くなった米倉斉加年さんの作品である。 俳優としての米倉さんは知っていたが、画家として、あるいは絵本作家としての米倉さんは知らなかった。奇書といわれる夢野久作の『ドグラ・マグラ』(自分は未読なのだけれど)の印象的な表紙絵が米倉さんの絵と知ったのは訃報記事の中でだった。 本作はイタリアのボローニャ国際児童図書賞、青少年の本のグラフィック大賞を受賞している。 異国との関わり、生きる痛み、それでも連綿と続くひとの営み。 細い線の向こう側に奥行きを感じさせる絵であり、読者それぞれの内面への旅を促すような物語である。 *作品中の奴津(なのつ)とは現在の博多を指すようだ。
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絵が衝撃的で何度も絵を見た。 とても個性的で哀しい。 内容も胸が苦しくなる内容だった。 不思議な魅力をもつ作品。
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