商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1995/01/11 |
JAN | 9784061591592 |
- 書籍
- 文庫
俳句の世界 発生から現代まで
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俳句の世界 発生から現代まで
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小西甚一 俳句の世界 俳句の趣を知るには、受容者(聞く側)に 補充する感覚が必要という命題のもと、不言の言という言葉を使って、その感覚を伝えようとした本 この本で たくさんの句に触れたが、句に隠された 寂寥(せきりょう)が好き〜晩年の松尾芭蕉 や 山口誓子 が特にいい ...
小西甚一 俳句の世界 俳句の趣を知るには、受容者(聞く側)に 補充する感覚が必要という命題のもと、不言の言という言葉を使って、その感覚を伝えようとした本 この本で たくさんの句に触れたが、句に隠された 寂寥(せきりょう)が好き〜晩年の松尾芭蕉 や 山口誓子 が特にいい 〈貞享元年 芭蕉41歳〉 海暮れて鴨の声ほのかにしろし *波音からほのかに聞こえる鴨の声〜景色だけを詩句にまとめ 宇宙の大真理と感合する *芭蕉は禅をベースにして 宇宙の大真理を潜ませる自然を詠じた *白し=視覚領域〜聴覚現象を視覚で把握する 〈貞享3年 芭蕉43歳〉 古池や蛙とびこむ水の音 *蛙そのものを深く見つめ、水音だけに焦点が集中し、あたりの静けさが際立つ *描写は消えても景色は消えない〜はじめ見えなかった波紋、静寂さを愛する心境の深さまで表現される *不言の言〜描写しないことにより描写する以上に表現する 〈貞享5年 芭蕉45歳〉 身にしみて大根からし秋の風 *大根のからさがしみる感じと秋風がしみじみ心に迫る感じの融合 *宇宙の無限なる「いのち」に深まってゆく〜真の美 *俳諧が芸術であることの表明 〈元禄2年〜〉 夏の夜や崩れて明けし冷やし物 *昨夜の心づくしの冷やし物が形崩れて別物のよう *楽しみを尽くした後の虚しさ〜かるみの代表作 *かるみ=流行=そのときどきに移り変わっていく表現 この秋は何で年よる雲に鳥 *今年の秋は どうしてこんなに老年の寂しさが身にしみるのか〜秋の空に消えていく鳥 *漂泊者の寂寥 *雲に鳥=実景でなく 一番それらしいあり方→意識の深層において把握される現象の本質 秋深き隣は何をする人ぞ 旅に病んで夢は枯野をかけめぐる 正岡子規 幾たびも雪の深さを尋ねけり〜雪の日の深い寂しさと病人特有の神経を表現 山口誓子 学問のさびしさに堪へ炭をつぐ〜本の中の寂寥に抵抗する感じ
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『古文の読解』、『日本文学史』に次いで読み進めた小西先生の本。教育も非常に重視されていたという評伝のとおり、読む人の事を考えた作りになっていた。 俳句/俳諧は、学校の教科書で習ったぐらい、つまりずぶの素人だったが、それでも「全てを語り切らずに語る」という俳諧の核を理解できたのは...
『古文の読解』、『日本文学史』に次いで読み進めた小西先生の本。教育も非常に重視されていたという評伝のとおり、読む人の事を考えた作りになっていた。 俳句/俳諧は、学校の教科書で習ったぐらい、つまりずぶの素人だったが、それでも「全てを語り切らずに語る」という俳諧の核を理解できたのは、小西マジックの為せる業。ご存命中に、その講義も受けたかった。
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俳句を「叙述しない表現」、「無言の表現」と位置づけ、連歌と俳諧の違いから昭和の俳句までを概観。芭蕉、蕪村をはじめ、有名無名の人物の作品を取り上げ、時にユーモラスに、時になたをふるうように評釈する。底本の初版は1952年と大分古いが、今後もかれの俳諧・俳句論は色褪せることはないだろ...
俳句を「叙述しない表現」、「無言の表現」と位置づけ、連歌と俳諧の違いから昭和の俳句までを概観。芭蕉、蕪村をはじめ、有名無名の人物の作品を取り上げ、時にユーモラスに、時になたをふるうように評釈する。底本の初版は1952年と大分古いが、今後もかれの俳諧・俳句論は色褪せることはないだろう。「菫ほどな小さき人に生まれたし 漱石」文中、私が最も心打たれた作品。
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