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大きなハードルと小さなハードル 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2011/06/06 |
JAN | 9784309410845 |
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大きなハードルと小さなハードル
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大きなハードルと小さなハードル
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商品レビュー
4.1
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この時期に読めてよかった。暑すぎる夏にぴったりの作品集だ。 IIに収録されている「鬼ガ島」と「夜、鳥たちが啼く」がとても好き。どちらも最後が良かった。最後の良い小説は、読んでいてうんと元気が出る。
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”世間の眼などどうでもよかった。鳥は夜に眠り、啼かないものだ、と教えてくれる世間など。” 作品の空気感みたいなもので言えば、一番クセになっている著者。 今作も男女や家族の3つの短い物語から、カラッと晴れてはいないけど雨でもない、それでいてジトっとともしていないような、独特の空気...
”世間の眼などどうでもよかった。鳥は夜に眠り、啼かないものだ、と教えてくれる世間など。” 作品の空気感みたいなもので言えば、一番クセになっている著者。 今作も男女や家族の3つの短い物語から、カラッと晴れてはいないけど雨でもない、それでいてジトっとともしていないような、独特の空気を感じとれた。 どの作品も明るく朗らかって感じてはないし、早々特別なことがあるわけでもないけど、日常生活の些細な機微がきっかけとなり、微かなこれからへの希望を見出していた。 長い時間をかけて、この人の物語をできるだけ多く読んでいきたい。
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佐藤泰志作品の映像化は欠かさず観てるので未読だった『夜、鳥たちが啼く』の制作が決まってこの文庫購入。 まずこちらから先に読んでしまったけど、収蔵順に読んだほうがよかったかな? Ⅰ部の5編は連作で登場人物が繋がってます。 Ⅱ部の2編は書かれた時期、掲載順などは全く関係ないのですが、...
佐藤泰志作品の映像化は欠かさず観てるので未読だった『夜、鳥たちが啼く』の制作が決まってこの文庫購入。 まずこちらから先に読んでしまったけど、収蔵順に読んだほうがよかったかな? Ⅰ部の5編は連作で登場人物が繋がってます。 Ⅱ部の2編は書かれた時期、掲載順などは全く関係ないのですが、通しで読むとこの順番の妙がわかりました。編集者ってやはり凄い! (ちなみに映画は「夜、鳥たちが啼く」の一編からだけでなく、この一冊の中からいくつかのエピソードを入れ込んでいます。ですから一冊丸ごと読んだ方が映画は更に面白くなるのではないかと。) 小説は独特の〝視点〟の取り方に初めは混乱しましたが、そういう事ならそれを思いきり味わおうと、少し意識して読み始めました。が、そのうちそんなことも忘れてノってしまいました。 Ⅰ部における主人公秀雄は、ひどい人なんです。 でも変な色気というか、活き活きとしていないところで逆に生命力を感じるような、そんなダウナー的魅力を感じてしまった。 光恵も同じだったのかな………。 だからといって光恵には共感は出来ないけど。 II部の「鬼ヶ島」は、サラリと書かれているように見えつつ実はかなり重い。そして僕〝高橋君〟は、この先苦しくなるに違いないと思うのだけど、彼がそれを自分の事として捉えられるのか、が気になります。自己中なようで実は視野広め。でも我は強い。文子とは共依存的なのかもしれないな。 「夜、鳥たちが啼く」はこの一冊の最後の締めとして実に良いんです。佐藤泰志にしては珍しく、ある意味前向きな話で。 〝そうだね。でもそう考えただけで素晴らしいんじゃないか〟キーになるこの一文に救われる。 全編通して、何かを背負い込む男は優しいだけじゃないと教えてくれました。 既に何かを抱えてるからそうするんだな。 男に限った話じゃない。 他人に限った話じゃない。 もう一回観たいな、映画。
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