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雪の断章 講談社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 1983/12/01 |
| JAN | 9784061831360 |
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雪の断章
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雪の断章
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商品レビュー
4.3
12件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
迷子になった五歳の孤児・飛鳥は親切な青年に救われる。二年後、引き取られた家での虐めに耐えかね逃げ出した飛鳥に手を伸べ、手元に引き取ったのも、かの青年・滝杷祐也だった。飛鳥の頑なな心は、祐也や周囲の人々との交流を経て徐々に変化してゆくが…。ある毒殺事件を巡り交錯する人々の思いと、孤独な少女と青年の心の葛藤を、雪の結晶の如き繊細な筆致で描く著者の代表作。 飛鳥は、あすなろ学園という札幌の孤児院で育ち、6歳の時に本間家という裕福な家にもらわれていきますが、お手伝い同然にこき使われた上に、奈津子という同い年の娘や家族から事ある毎に徹底的に苛め抜かれます。その仕打ちに耐えかねて、7歳になった厳冬のある日、とうとう本間家を飛び出すのですが、この時、札幌の大通り公園で、滝杷祐也という青年と運命的な出会いをします。 「不幸はナイフのようなものだという。刃をもてば手が切れるけれど逆手に持てば利用出来る、と。6歳の私にまだその智恵はなかった。指を切り、心を切り、その幼い鮮血は点々と雪を染めていった」。 「たくさんの人、たくさんの出来事に戸惑いながら私は大きくなった。本間家を忘れることは出来なかったけれど、築きあげられてゆく現在の幸福で、あれほど強烈だった記憶がしだいにうすれた。そしてまた、時々、あすなろ学園を思い出した。何の痛痒もない平凡な生活、しかし、あそこが私の故郷であり出生と生い立ちを物語る家であることにちがいはない。決して卑下すまい」。 「中学生になると顔も身体も少しずつ変った。色が白いだけではなく唇の赤味が濃くなったようだし、目の黒さがひきたってきた。ショートカットの髪のせいか、きつい顔立ちになった。それと反対に胸はふくらみ、足も手もしなやかにのびて、身体の線は優しくなった」。 「人はやはり勇気だけでは道を歩めない。勇気を育てる愛と、愛をつつむ灯がなくてはならない」。 「奈津子さんの姉が、つまり本間聖子さんが同じアパートに越して来た時に私は初めて知ったのだ、私と本間家との宿命を」。 「聖子さんは死んでいた。一一○番に通報され、ただちに捜査が開始された」。 「尊敬と畏怖にいつの間にか恋がしのび込み知らずに暮してきた日を辿りながらそばに腰をおろしていたい。気がついてくれなくてもいい、祐也さんが在るだけで充分幸せだったのだから。誰に奪われようと焦がした思慕は私だけのものだし、楽しかった昔も私だけのものだ。一方的な記憶が深く燃えている、そんな幽かなつなぎ合わせを、もう一度確認して心にしまい込む時間がほしい。そうする前に私の夢をこわすのは許して下さい」。 懸命に生きる飛鳥の幸せを祈らずにいられません。
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平積みになっていたためふと本屋で手に取った。 最近の話だと思って読みだしたら内容が若干レトロ。 でも、心打たれる良い話だった。 現代において読んでも遜色のない内容と瑞々しい表現力が織りなす世界感が好きでした。
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これはミステリーですか?いいえ、文学作品です! 忘れた頃に図書館から予約本が届きましたよと連絡がき、まあ読んでみっかと手に取ったらなかなかに面白い。空き時間に少しずつ読んでいたら、楽しみにしていた新刊よりも続きが気になり、新刊をほっぽといて最後まで読んでしまった。 本文が終わり...
これはミステリーですか?いいえ、文学作品です! 忘れた頃に図書館から予約本が届きましたよと連絡がき、まあ読んでみっかと手に取ったらなかなかに面白い。空き時間に少しずつ読んでいたら、楽しみにしていた新刊よりも続きが気になり、新刊をほっぽといて最後まで読んでしまった。 本文が終わり、解説のページに辿り着いたら身震いがした。これ、ミステリーとして括っちゃ勿体ない。ミステリーという色物ジャンルの一作として見てはいけない。文学作品でしょう。繊細な筆先や不確かな愛の奇跡等は、この作品のことを指すのではないかしら。裕也さんが史郎さんが、奈津子さんが順子が厚子さんが、確かに確かに、物語の中に生きている。 そして主人公の飛鳥ちゃん。世界中のみなしごよ幸せになれ、なんて言わない。だってこれは、「あしながおじさん」じゃなく、一人の意固地な女の子が、女性になるまでの軌跡だもの。
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