商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2011/05/09 |
JAN | 9784309410791 |
- 書籍
- 文庫
きみの鳥はうたえる
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きみの鳥はうたえる
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商品レビュー
3.7
48件のお客様レビュー
映画から入ってしまったので、どうしてもイメージが現代に引っ張られちゃったけど、夏の美しさと鬱屈さが妙にリアルで今日このタイミングで読めたことを嬉しく思いました。思ったことはここに他の方が綺麗に感想として残してくれててそれもうれしい。またきっと、何年後かの夏に読むと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自らのための備忘録 2024年令和6年の今より、1980年前後の時代の方が好き!と思わず感じた小説でした。 ここからネタバレします。 表題の「きみの鳥はうたえる」の最後のところを読んで、なぜ、この結末を想像できなかったのかと自分がイヤになりました。もう最初から、伏線はこれでもかっていうほど張られていて、それに気づかない読者なんて、この本を読む資格はないんじゃないかと思ったほど。 文庫本の解説のタイトルにもなっている「三人傘のゆくえ」は何より印象に残りました。 《そのうち、佐知子のむこうに、彼女を通して新しく静雄を感じるだろう》のあと、《そのうち僕は佐知子をとおして新しく静雄を感じるだろう、と思ったことは本当だった(略)今度は僕は、あいつをとおしてもっと新しく佐知子を感じることができるかもしれない》 この解説は、遅れてやってきた佐藤泰志ファンには有難いものでした。「草の響き」の印刷所での主人公の描写のリアリティは本人のものだったのかとわかりました。 《そうやって日を送っているうちに、彼は活字の埋め込み作業をしょっちゅう間違うようになった。単純すぎるほど単純な労働だった。それなのにしまいには、今までたった三本の指で、何十本もの活字をいっぺんに摑むことができたのに、それも不可能になった。活字は指からこぼれて、足元の床板に音をたてて落ちた。彼は仕事ができなくなっている自分を発見した。屈んでこぼした活字を拾いながら、急に眼が涙でふくらんで子供のように泣きだす自分をこらえることができなかった。床に屈んだままの姿勢で、彼はあたり構わず嗚咽する始末だった。そこからやっとのことで立ち上がると字詰めの主任のところまで行って、皆んなは僕を役立たずといっている、党員でもないし、党員になろうともしない僕をくずだといっている、とほとんど喚き声でいった。皆んな? と主任は穏やかな声でいった。確かに中にはそんなことを考えている奴もいるだろう。だがそんなことを現実に誰がお前に話したんだ? 彼は混乱した。みんなが陰でこそこそ話しているように僕が感じている、と彼は訂正して訴えた。馬鹿なことをいうな、と主任はメタルフレームのどの強いメガネを指で押し上げながら、かん高い鳥のような声でいった》 そう。この小説は2024年には書かれることのない時代が書かれていて、それが堪らなく心地よかった。それはケータイのない時代とかそういうことではなくて、友だちが身近にいて、「友情」とこそういう面倒なものではなく、共にいることが生活っていうのがとても心地よかった。 そして、友だちがいるからと言って「孤独」でないわけではなく、友だちがいようといまいとそんなことに関わりなく、人というものは孤独であり、生と死は常に紙一重のところにあるのだという当たり前のことがしっかり書き込まれていて、心からこの作家が好きだと思いました。
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1970年代の青春のひとつだったと思われる この作家の夏と暑さと汗の描写にいつも感心してしまう すこしみじめでみっともない感じがなんか懐かしい タイトルの意味するところがまたもや判らないけどかっこいいな
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