商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/05/12 |
JAN | 9784062153942 |
- 書籍
- 書籍
最強国の条件
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
最強国の条件
¥3,080
在庫なし
商品レビュー
3.7
16件のお客様レビュー
結論としての、最強国の条件として寛容さが必要ということを最初から書いてあり、それを貫いた形で論は進む。アケメネス朝ペルシャ、アレキサンダー帝国、ローマ帝国、中華帝国・ここでは唐、大モンゴル帝国、中世スペイン、オランダ、オスマントルコ、明、ムガール帝国、イギリス、アメリカの例が挙げ...
結論としての、最強国の条件として寛容さが必要ということを最初から書いてあり、それを貫いた形で論は進む。アケメネス朝ペルシャ、アレキサンダー帝国、ローマ帝国、中華帝国・ここでは唐、大モンゴル帝国、中世スペイン、オランダ、オスマントルコ、明、ムガール帝国、イギリス、アメリカの例が挙げられている。 小国オランダの例が特に面白かった。汝の神は黄金なり、オランダの船乗りは聖書についてコーランと同程度の関心しかない、東インド会社の出資者の主要人物は不寛容なスペインから逃れてきた新教徒、など。 ヨーロッパ、アメリカにおけるユダヤ教徒の果たした役割も興味深い。彼らとの距離感、包摂度合いが寛容さのひとつのリトマス試験紙になるのだろうか。EU、中国はアメリカを凌駕する最強国にはなれないというのも納得感あり。 本の最後にアメリカに帝国になって欲しいという論があると触れているが、この本が出て12年経っているがますますそれはないだろうなあと感じた。来年の大統領選でバイデン、トランプのどちらが勝とうが国内であれだけ分断が広がる、つまり国内で不寛容になっていたら構造的に帝国にはなりえないのだろうと思う。
Posted by
世界の最強国(覇権国)の「寛容さ」に着目して論じられた本。最強国にとって「寛容さ」が重要であって、特に訳者が述べているとおり、「衰えはじめた最強国では、純粋なアイデンティティが摸索されるようになり、異端者は排斥され、異民族の人材は流出し、その結果として衰退してしまう。この「没落の...
世界の最強国(覇権国)の「寛容さ」に着目して論じられた本。最強国にとって「寛容さ」が重要であって、特に訳者が述べているとおり、「衰えはじめた最強国では、純粋なアイデンティティが摸索されるようになり、異端者は排斥され、異民族の人材は流出し、その結果として衰退してしまう。この「没落の力学」が古代ローマにも、唐にも、大モンゴル帝国にも、近代イギリスにも観察された」との記述は、そのとおりだと納得した。 ただし、第二次大戦における日独の国策に関する記述は不正確で、いかにも近視眼的で狭隘な戦勝国のこじ付けとしか思えない発言となっている。米国においても、一次資料を基に正確に分析された大日本帝国時代の歴史書が発刊されることを望む。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
紀元前550年頃、アケメネス朝ペルシャのキュロス王から現代アメリカまでの最強国(ハイパーパワー)について書かれている。最強国とは「あらゆる指標に照らして圧倒的な優位に立っているか、すくなくとも優越的な地位にいる国家」である。最強国の条件として寛容をあげている。寛容は十分条件ではなく必要条件としている。最強国として有り続けるために絆を重要視している。国民が最強国の一員としての意識をどれだけもっているか、おたがいに共通した絆を感じているかが国家の衰退に関わるとしている。 寛容と絆という観点だが、一面から光を当てて構成していると感じる。必要条件であるから他の条件も当然あり、寛容が占める割合が果たして大きいといえるか疑問だが、世界史の一部として、その時代の覇権を握った国の歴史を知るには良かった。
Posted by