商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 藤原書店 |
発売年月日 | 2007/02/24 |
JAN | 9784894345607 |
- 書籍
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空と海
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空と海
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歴史学者が空、海、海辺や川、泉、井戸などが人々の間でどんな風に受け止められてきたか、それぞれの対象の歴史ではなく、人々の感性の動きを軸に考察しているのが特徴。 例えば雷雨や暴風雨、山、森、海などが嫌悪の対象から驚異の概念に変わっていく。 快楽としての海とか、海水浴の系譜、海辺をめ...
歴史学者が空、海、海辺や川、泉、井戸などが人々の間でどんな風に受け止められてきたか、それぞれの対象の歴史ではなく、人々の感性の動きを軸に考察しているのが特徴。 例えば雷雨や暴風雨、山、森、海などが嫌悪の対象から驚異の概念に変わっていく。 快楽としての海とか、海水浴の系譜、海辺をめぐる評価体系がどう変わってきたかなど。水の表象と美的規範の関係も、たとえば水の聖性やエロティシズムなどという視点での解釈を読んだのは初めてで、個人的には新鮮だったけれど、難しく感じるところも多かった。 天候に対する感性は、雨が面白い。あたりが薄暗くなって周りのものがいくらか大きく見える。人間の魂を敏感にする。雨音が絶えず耳を打ち、人間の注意力を覚醒させ研ぎ澄ませる。孤独と旅人の周囲にもたらす静けさがより鮮明になる。小川の流れは激しくなり、草はより深く目につく。あらゆるものが狭い地平に閉じ込められる。この感覚は今も同じような気がする。 近代の音の風景というのも面白い。田園地帯における教会の鐘の音の役割が次第に低下していく。今は画一的な音になっていて、人間活動のリズムを聞き取る能力が失われている。 そして鉄道の風景。滑らかな線路の上を走る汽車には、馬車がもっていたでこぼこや摩擦の印象が欠落している、と。なるほど。 「においの歴史」や「感性の歴史」を書いた著者。もう少しほかの著作も読まないと消化できないかもしれない。(なので三ツ星は著作の評価というより、私が個人的に知識不足でうまくのみこめないところがあった、というこちら側の問題)
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