商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 化学同人 |
発売年月日 | 2011/01/20 |
JAN | 9784759813371 |
- 書籍
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なぜヒトは旅をするのか
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なぜヒトは旅をするのか
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物見遊山が可能な現代の話ではなく,人類史の視点から考察する。人間が移動する,どのような理由で移動するのか。移動に伴うメリットとデメリットは何か。移動が可能なのはなぜか?この部分が核だろう。何も持たずに移動するためには,行く先々での保護やもてなしが必要である。人間には外集団成員への...
物見遊山が可能な現代の話ではなく,人類史の視点から考察する。人間が移動する,どのような理由で移動するのか。移動に伴うメリットとデメリットは何か。移動が可能なのはなぜか?この部分が核だろう。何も持たずに移動するためには,行く先々での保護やもてなしが必要である。人間には外集団成員への「許容」が備わっていらから可能だった。困っている人への喜捨を当然とする宗教もある。内集団成員が困っている場合は思いやり,外集団成員が困っていれば許容。先住民族の許容を利用した入植者の横暴は人類の適応度を下げた。
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なぜヒトは旅をするのか、という問いに対しての筆者の仮説を綴った本。「人」ではなく、「ヒト」としているのは、動物の「種」としてのヒトを対象に仮説を組み立てているからである。 結論を一言でいえば、「旅をすることは、種としてのヒトの遺伝子が生き残っていくために有利であるから」ということ...
なぜヒトは旅をするのか、という問いに対しての筆者の仮説を綴った本。「人」ではなく、「ヒト」としているのは、動物の「種」としてのヒトを対象に仮説を組み立てているからである。 結論を一言でいえば、「旅をすることは、種としてのヒトの遺伝子が生き残っていくために有利であるから」ということだと、私なりには理解した。 ヒトの移動(すなわち旅)は、約6万年前にはじまった。私たちの祖先である、アフリカのホモ・サピエンスが、アフリカを出て世界中に移動を始めたのだ。いわゆる、グレート・ジャーニーである。狭い地域で暮らしていくよりも、広い地域にちらばった方が、種としての生存確率はあがるだろう。移動により、種族間のコミュニケーションも生まれる。彼らが自分たちの生存のノウハウや、あるいは、具体的な「道具」等についての情報を伝え合うことで、両方の種族の生存確率も、あがるはずである。 要するに、ヒトが旅が好きなのは、あるいは、移動することが好きなのは、そうすることによって、人類としての生存確率が高まるからであり、それは、我々の遺伝子レベルに既に刷り込まれていることなのだ、というのが、筆者の結論と理解した。 それが正しいかどうかを判断する能力は私にはないが、非常にロマンチックな面白い考えだと思う。
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「なぜヒトは旅をするのか?」と問われたら、「なに言ってんの、ヒトは旅をするからヒトなんだ」とちょっと斜に構えて答えたくなる。そういう好奇心、探求心、冒険心を備えた遺伝子を持っている動物が人間に進化したのだ、みたいな。 で、「霊長類学」の先生が書いたこの本だけど、遺伝子も踏まえつ...
「なぜヒトは旅をするのか?」と問われたら、「なに言ってんの、ヒトは旅をするからヒトなんだ」とちょっと斜に構えて答えたくなる。そういう好奇心、探求心、冒険心を備えた遺伝子を持っている動物が人間に進化したのだ、みたいな。 で、「霊長類学」の先生が書いたこの本だけど、遺伝子も踏まえつつ、むしろその先というか、なぜヒト(だけ)に旅が可能だったのだろうかを問う内容になっている。そういう意味では、「なぜヒトは旅ができたのか」というお話である。 すなわち、見知らぬ人がどこかからやって来た時に、即座に敵対したり撃退したりするのではなく、中庸な態度をとりつつ、食べ物や一夜の宿を与えたりできる性質…それを著者は「許容」と呼ぶ…を人間が持っていることである。 まあ、基本的動機は好奇心であろう、とも言っているわけだが。 もっとも、何者かがやって来た時に即座に敵対したり撃退したりする文化もあるだろうし、侵略や戦争が起こる現実を十分に説明しているとも思えない。 戦争等については「社会が複雑になり過ぎて、偏った個人(独裁者とか)の思想が突出するからだ」といった説明もあるけど、いまいち説得力不足の観がある。総じて、生煮えの議論のように思った。
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