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職業としての科学 岩波新書
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職業としての科学 岩波新書

佐藤文隆【著】

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職業としての科学 岩波新書

836

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2011/01/20
JAN 9784004312901

職業としての科学

¥836

商品レビュー

3.8

10件のお客様レビュー

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2019/01/02

大学人として共感もし、考えさせられもするグッと来た本。 マックスウェーバーが、自己の魂の救済と重ねて群がる若者に対して、官制として制度化された大学の学問はそういうものではない、と冷や水を浴びせたこと。 「食えない」不安を突破するために、生活次元を超えた公共的で壮大な使命感で自己を...

大学人として共感もし、考えさせられもするグッと来た本。 マックスウェーバーが、自己の魂の救済と重ねて群がる若者に対して、官制として制度化された大学の学問はそういうものではない、と冷や水を浴びせたこと。 「食えない」不安を突破するために、生活次元を超えた公共的で壮大な使命感で自己を充電する必要があった。 狭い領域で論文を書き続ける"論文作家"だけを研究者・科学者というのではなく、科学に絡む人間が互いに同じ公共的役割を意識した「科学技術エンタープライズ(事業体)」をつくる。

Posted by ブクログ

2018/09/28

職業科学者としての立場から、科学という知的な営みの歴史や、科学と社会との関係について論じている本です。 科学哲学におけるマッハとプランク、ポパーとクーンの対立をわかりやすく整理しています。とくに目を引いたのは、実在論と反実在論との対立にかんして、科学者としての立場から「動機的実...

職業科学者としての立場から、科学という知的な営みの歴史や、科学と社会との関係について論じている本です。 科学哲学におけるマッハとプランク、ポパーとクーンの対立をわかりやすく整理しています。とくに目を引いたのは、実在論と反実在論との対立にかんして、科学者としての立場から「動機的実在論」というべき立場を提示し、科学者のいわば素朴な実在論的態度として語られてきたものが、「実証のない形而上学的要素を排するしごき方であって、しごかれるものが生まれる源泉を温存しておくことも重要なのである」と述べている箇所です。 また、科学社会学者のマートンが提唱した「CUDOS」の基準についても、それがあまりに理想主義的であることは認めつつも、「目標として掲げるべき徳性であることに変わりはない」と述べて、ここでも科学者としての立場から一定の評価を与えています。こうした著者のスタンスには、まさに本書のタイトルとなっている「職業としての科学」の立場が示されているように感じました。 そのほか、明治以降の日本における科学・技術にまつわる制度の変遷を追いかけるとともに、現代の「ポスドク問題」にも触れつつ、「科学技術エンタープライズ」という構想を打ち出しています。 科学哲学・科学史の観点から書かれた入門書とは異なり、やや話題が散漫な印象はありますが、職業科学者の立場からさまざまな問題にアプローチがなされていて、興味深く読みました。

Posted by ブクログ

2017/06/23

制度としての科学と科学する精神との間の対立、緊張、協調が基底になっている。 科学の西洋史を俯瞰した前半部分は、論点の整理も含めて、興味深く読んだ。 最終部分の現代の科学者の生き残りに関しては、中途半端だ。提言の体をなしていない。 ・physicist,scientistとい...

制度としての科学と科学する精神との間の対立、緊張、協調が基底になっている。 科学の西洋史を俯瞰した前半部分は、論点の整理も含めて、興味深く読んだ。 最終部分の現代の科学者の生き残りに関しては、中途半端だ。提言の体をなしていない。 ・physicist,scientistという言葉は、ウィリアム・ヒューエルが1833年頃作った。それまでman of scienceと言われていた。科学の担い手が巨匠から中産階級の職業に変化する19世紀末に普及した。 ・切羽詰まると人間は一般に道理を見失い、思想の古層に里帰りする。それが「理」よりも「誠」に回帰する精神構造だ。

Posted by ブクログ

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