商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 白水社 |
| 発売年月日 | 2010/12/17 |
| JAN | 9784560090138 |
- 書籍
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馬を盗みに
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ノルウェーの、都市部から離れた湖畔の小屋を買い取り、一人(と愛犬一匹)で静かな余生を過ごすことに決めた。 誰かに煩わされることなく、手間暇かかることを手間暇かけて、時間に追われずに過ごす。そのつもりだった。 しかし、隣人(数十メートル離れた)と出会った日から、なぜか15歳の夏の日...
ノルウェーの、都市部から離れた湖畔の小屋を買い取り、一人(と愛犬一匹)で静かな余生を過ごすことに決めた。 誰かに煩わされることなく、手間暇かかることを手間暇かけて、時間に追われずに過ごす。そのつもりだった。 しかし、隣人(数十メートル離れた)と出会った日から、なぜか15歳の夏の日のことを思い出さずにはいられなくなる。。。 67歳の現在の生活と、15歳の頃の夏の日の回想が交互に語られていく。 言うまでもなく、主人公トロンドにとって最も大きな存在であったのは父親だった。 自分で何でも決める父。 毎年、夏になると主人公をつれて首都からはるか離れた森の奥の河畔にある小屋で過ごしたが、小屋での生活においてもありとあらゆることを自分で決めて何でもこなせるようであった父。 67歳になって再び森の中の小屋で暮らすことを選んだのは、間違いなくその頃の経験がそうさせたと言える。 話自体は、輝かしい夏の思い出と一人静かに暮らす老境の生活とを対比するようにして始まるが、あの夏の日は輝かしいばかりでは終わらなかった。 子どものとき、大人や親のこと、友人やその親の子とを分かっていそうで分かっていなかった。それゆえに予期しえなかった喪失に遭遇したあの夏の日。 過去の日が、次第に暗雲の覆われていくのと対照的に、67歳の主人公の生活は、健康を害しながらもまた人との繋がりを紡いでいく再生が始まっていくようでもある。 登場人物たちの人生の全ては、全然語られない。 主人公のことも、隣人のことも、断片的にしか語られない。 話の筋も明確に何かを表現しようとしている意図はないように読める。 明るい話とも暗い話ともとれない。 でも確かに、人生ってそんな簡単に白か黒かで塗り分けられないものね。 それでも何か、人の心の中にある原風景のような思い出が、いつまでもその人をその人たらしめる熾火のようにきらめき続けている。そんなイメージを読後に思わせる本だった。
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主人公の人生に老年まで影を落とし続ける、15歳の夏の喪失が大きなテーマではあるが、何があったかそのものについては明確に描かれない。ただ、失って決して戻らないもの、選択をし決してやり直せない、数多の人生の分かれ道について、思いを馳せさせる。 「人間」についての語りが饒舌でない分、ノ...
主人公の人生に老年まで影を落とし続ける、15歳の夏の喪失が大きなテーマではあるが、何があったかそのものについては明確に描かれない。ただ、失って決して戻らないもの、選択をし決してやり直せない、数多の人生の分かれ道について、思いを馳せさせる。 「人間」についての語りが饒舌でない分、ノルウェーの自然や、全身でそれを享受し、そのなかで遊び働く15歳の感性が際立つ。良かった。
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老人がただただ子供のころを思い返すだけで、はっきりとした物語の起伏や起承転結があるわ家ではないのだが、とにかく文章に読む価値がある。 ノルウェー語から英語翻訳を通して日本語に翻訳されたそうだが、英語翻訳自体も作者納得の出来だそうなので、ロスは少なさそう。 翻訳の不自然さや読みづら...
老人がただただ子供のころを思い返すだけで、はっきりとした物語の起伏や起承転結があるわ家ではないのだが、とにかく文章に読む価値がある。 ノルウェー語から英語翻訳を通して日本語に翻訳されたそうだが、英語翻訳自体も作者納得の出来だそうなので、ロスは少なさそう。 翻訳の不自然さや読みづらさもない。 ノルウェーの知人ができたので手に取ったのだが、前から北欧の自然は好きだった。 冷たく澄んだ空気に眩しい日差し、溢れる水、もの寂しく静かな自然。 情景描写が丁寧で、主人公を通して五感でそれらを体感できる。
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