商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/12/02 |
JAN | 9784167138233 |
- 書籍
- 文庫
双六で東海道
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双六で東海道
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丸谷才一といへば『裏声で歌へ君が代』? あるいは『輝く日の宮』? いいや、やはりあの歴史的仮名遣ひ(ただし漢字は新字体)? さう、この歴史的仮名遣ひを押し通したところに、何か独特な政治的スタンスがありさうで、ちよつとこはい気がしてゐたのだ。 そんなことがあつてか、読むべき作品はあ...
丸谷才一といへば『裏声で歌へ君が代』? あるいは『輝く日の宮』? いいや、やはりあの歴史的仮名遣ひ(ただし漢字は新字体)? さう、この歴史的仮名遣ひを押し通したところに、何か独特な政治的スタンスがありさうで、ちよつとこはい気がしてゐたのだ。 そんなことがあつてか、読むべき作品はありさうなのに、今まで全く読んだことがなかつた。 本格的な作品ではなく、これはエッセイ集。 筆致もユーモアに富み、適度に砕けてゐる。 これくらゐがビギナーにはよかつたやうな。 とりあへず、今回、自分も歴史的仮名遣ひで書いて、丸谷イズムにちよつとなじんだことを表現しておく。 博学で、大変な読書家であつたことが印象に残る。 ご本人の専門であつた英米語文学だけではなく、歴史学、民俗学、美術など話題が幅広い。 古き良き時代の文人つて、こんなふうだつたんだなあ、と改めて思ふ。 大体、いつも使つてゐたターコイズ・ブルーのインクを探しにわざわざ伊東屋へといふ生活なんて…。 いろいろと面白い話もあつた。 例へば乃木大将の自決の第一報が入つた新聞社の様子。 生方敏郎の本からの話として載つてゐた。 記者のみならず、写植工などからも、乃木の自決を迷惑がつてゐたにも関わらず、実際発行された新聞の文面は「噫軍神乃木大将」と持ち上げたとか。 新聞記事だけを材料に歴史を見てゐると危ない、といふ話だつた。 和同開珎がどのやうに広められたか。 ハンモックと擬娩の習俗。 歴史学者森浩一さんの自身の食事の記録。 高島俊夫さんが『使える四字熟語』(ちくま文庫)を激烈に批判した逸話。 ほぼすべてのページに間違いがある…それは見てみたい気もする。 バーバ・ヤガーがかくもロシアの民話のあちこちに出てゐたといふこと。 つゐいろいろと書き連ねてしまつたが、ほんたうに面白かつたので…。 かういふ書き手は今はゐないのかなあ。 最後に、表題の「双六で東海道」、これはどこから来たのだらう? ボーっと読み過ごしてしまつたのだらうかねえ。
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「本を読むことはなぜこんなに楽しいのか。それは自分の知らないことが途方もなく多いからである」という一文があったが、丸谷才一の本を読むとまさしくそう思う。古今東西の文献や書籍をもとに、蘊蓄の限りを尽くしてくれ、その上に著者の想像力逞しい推論を付け加えてくれる。まあ、半分以上の話題で...
「本を読むことはなぜこんなに楽しいのか。それは自分の知らないことが途方もなく多いからである」という一文があったが、丸谷才一の本を読むとまさしくそう思う。古今東西の文献や書籍をもとに、蘊蓄の限りを尽くしてくれ、その上に著者の想像力逞しい推論を付け加えてくれる。まあ、半分以上の話題で、艶話、下世話なエロ話、男色の話が出てくるので、この爺さん好きだよねえと半分呆れる。どうでもいいような話もあるけど、それも楽しみの内。ときどき、知らない人物の詳細な説明があったりして、ふっと眠くなったりするけど。それにしても、コノワタってそんなに旨いのかしらん?海鼠の内臓なんて気色わるいけどなあ。そうそう、春嶽や小楠といった立派な人物について知ることができるのはいい。
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私の知識ではついていけない話も多いのに読み進めずにはいられない、何かが。 丸谷せんせの文章は大好物です。
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