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マイ・アントニーア lettres
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2010/11/07 |
JAN | 9784622075677 |
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マイ・アントニーア
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商品レビュー
4.5
11件のお客様レビュー
自然の描写が美しく、印象に残るシーンがいくつもある。アントニーアの生き様、愛が胸を打つ。なんども読み返したい本。
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①カボチャと同じように太陽の下にころがることの完全な幸せ。素朴な生き方の素晴らしさ。 ②対等で互いの自由と利益を尊重しあう関係としては結婚は不適であり、不均衡なものとしかなりえないし、男女の関係はどうやってみた所で割り切れるものではない。伝統的な家庭の形と、それを基盤とした社会...
①カボチャと同じように太陽の下にころがることの完全な幸せ。素朴な生き方の素晴らしさ。 ②対等で互いの自由と利益を尊重しあう関係としては結婚は不適であり、不均衡なものとしかなりえないし、男女の関係はどうやってみた所で割り切れるものではない。伝統的な家庭の形と、それを基盤とした社会にはもはや個を尊重して生きる上では無理が生じている。 この2つの主題、自然と作為をどのように調合して生きるかを、数名を対比させながら描いている。 トニー(アントニーア)を理想的な存在として結論付けている様にも見えるが、愚かな部分や、夫の去勢された描写も忘れてはいない。 飽くまで矛盾のある一人の人物の美しさなのだろう。 家庭を持つ生き方、或いはおひとりさま、女性同士で助け合う生き方。私はアニエス・ヴァルダの大好きな映画「歌う女・歌わない女」を思った。 語り手の男性ジムを作者を投影させたものに近いと仮定してみよう。 そして敢えてレズビアン小説に還元して読めば(勿論その必要は無いけれど)、二人が予め結婚出来ないかのように見える理由も納得出来る。 同時に本作の素晴らしさは、伝統的な家庭やジェンダーの枠組みを壊しながらも、大地の豊穣さと家庭の安らぎ、女性性を賛美している事。 自然と作為は対立するものでは無いのかもしれない。 夫がトニーの連れ子を全く分け隔てなく育てた逸話が示すヴィジョン。これは必ずしも血の繋がりが親子や家庭ではない、という意味で周到に配置された暗示なのだと思う。たとえば同性婚でも家族は作れるという意味で。 また語り手と夫との間に嫉妬は無く、またトニーの子供達ともまるで親戚の様に馴染んでしまうあたり、家族の枠を広げて、家庭の持つエゴから解き放っている様に見える。それはトニーの実家、兄や母の醜さと対称的。 ややユートピア的に過ぎるのは否めないが、ある種のエネルギーへの憧れとして、有機的な力への帰依として、唯物的なだけでは見えない物を見詰めているのだと私は感じる。 また、女性達が女性としての独立を守り、つるむ姿と対置させるように、男が男としての独立性を守り、男同士つるみ、新天地へと去るジェイクとオットーの二人の姿もまた良い。男性性もまた賛美している。 飽くまで色んな生き方を描いているのだ。 単に子供を沢山産んだらエライ、という話なのではない(誤解しない様に!)。非常に現代的だし、未来を見ているのだと思う。 簡素な表現の中に豊かさのつまった傑作。しかしあまり感動作としてばかり読むのは理解を狭めてしまうと思うし、肝心の割り切れなさを切り捨ててしまう様に思う。 (追記・二人のロシア人のエピソード、ちょっと浮いているんですが、あれって既存の婚姻や血縁関係を破壊し、またそのために社会から追われてしまう、というメタファーとして機能しているのだとふと気づきました。びっくり。しかも二人は同性愛者っぽい。何か、全体的にヒッピー感、ありますね。元祖ヒッピー小説として読みたい気がします。)
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概要は19世紀後半のネブラスカ州を舞台にアントーニアの生き方や主人公ジムとの関係性を描きながら「女性らしさとは」「幸福とは」といったテーマも盛り込まれ当時の生活や文化、自然描写を表現した作品。 久しく文学作品を読んでいなかったので多少抵抗はあったが、読んでみると以外に読みやすく...
概要は19世紀後半のネブラスカ州を舞台にアントーニアの生き方や主人公ジムとの関係性を描きながら「女性らしさとは」「幸福とは」といったテーマも盛り込まれ当時の生活や文化、自然描写を表現した作品。 久しく文学作品を読んでいなかったので多少抵抗はあったが、読んでみると以外に読みやすく、最後は清々しい気持ちで読み終えた。機会があったら原書も読んでみたい?
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