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チポリーノの冒険 岩波少年文庫200
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2010/10/15 |
JAN | 9784001142006 |
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チポリーノの冒険
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チポリーノの冒険
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商品レビュー
3.9
19件のお客様レビュー
共産党員だった作者の政治的立場を反映し、物語は民衆による支配者層の打倒という、今では少々図式的に感じられる結末を迎える。 また、善玉と悪玉があまりにくっきりと分かれているのも、現代の複雑な社会を理解する上では単純すぎるかも。 しかし、そうした時代的制約を超え、本作の魅力は今な...
共産党員だった作者の政治的立場を反映し、物語は民衆による支配者層の打倒という、今では少々図式的に感じられる結末を迎える。 また、善玉と悪玉があまりにくっきりと分かれているのも、現代の複雑な社会を理解する上では単純すぎるかも。 しかし、そうした時代的制約を超え、本作の魅力は今なお輝いている。 特に、果物と野菜たちによる社会の描写は、見事な風刺とユーモアに満ちている。 支配者層は酸っぱい柑橘類。レモン公爵を筆頭とする貴族たちは、文字通り「酸っぱい態度」で庶民を支配する。 取り締まり側は真っ赤な制服の桜んぼの警官たち。 一般市民は土に根ざした野菜たちとして描かれ、主人公の玉ねぎの少年チポリーノは、涙もろいけれど心温かな庶民を体現。 特に秀逸なのは、それぞれの果物や野菜の特性を活かした性格描写。 熟れるにつれて甘ったるく怠惰になっていく洋ナシのお嬢様、臭いを武器に権力に抵抗するにんにく一家、引き抜かれまいと必死に根を張るカブの親子―これらの描写は、今日の権力や特権に対する皮肉としても読むことができる。 現代の読者にとって本作の価値は、社会の不正義を告発する直接的なメッセージよりも、むしろこうした重層的な比喩と遊び心にある。 例えば、道路を歩くだけでも税金を取られる「歩行税」は、今日のさまざまな理不尽な制度や規制を連想させる。 また、弱い立場の者たちが知恵を出し合い、連帯して困難に立ち向かう様子は、現代のコミュニティ運動にも通じるものがある。 ロダーリは政治的な主張を、果物と野菜たちの愉快な物語に織り込むことで、押しつけがましくない寓話を生み出すことに成功した。 革命的結末という時代的な制約を持ちながらも、権力の濫用や社会の不平等に対する風刺は、今なお鋭い切れ味を失っていない。 それは、物語がイデオロギー的な主張に終始せず、ユーモアと詩情、そして人間的な触れ合いを大切にしているからかもしれない。 以前は遠い過去の寓話のように思えたこの物語が、近年、都市部の家賃高や、様々な名目での課税強化、格差の拡大といった現象とともに、妙にリアルに響いてくる場面も増えてきた。 とはいえ本作の真の魅力は、そうした現実の問題を超えて、果物と野菜たちの個性的な世界が織りなす、ユーモアと詩情にあるのだろう。
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児童書なのに救いようのないキャラクターは多いし、圧政の描写は容赦ない。だからこそチポリーノの活躍は今でも子供達の生きる世界と地続きでありリアリティを伴っているんだと思う。 挿絵も上手すぎて舌を巻く。
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玉ねぎ坊やのチポリーノ、知恵と勇気でレモン大公をやっつけろ! 個性豊かな野菜たちが活躍する物語。憎めない悪役が多く、くすっと笑って読める。なんとなく風刺モノのような気もするけど、あまり考えないで楽しんだ。NHKで人形劇とかできそうな物語だった。
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