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頭脳の散歩 デジタル教科書はいらない
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2010/10/09 |
JAN | 9784591120897 |
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頭脳の散歩
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商品レビュー
3.6
8件のお客様レビュー
文字・活字文化推進機構という財団のお膳立てによるらしい田中眞紀子と外山滋比古の対談が3本収録されている。副題「デジタル教科書はいらない」というのはきっとこの財団が当時のこうした動きに反対してつけたのだろうな。だって、話している二人は言葉や学びの大切さを述べてこそいるが、決してデジ...
文字・活字文化推進機構という財団のお膳立てによるらしい田中眞紀子と外山滋比古の対談が3本収録されている。副題「デジタル教科書はいらない」というのはきっとこの財団が当時のこうした動きに反対してつけたのだろうな。だって、話している二人は言葉や学びの大切さを述べてこそいるが、決してデジタル教科書を否定してはいないもの。デジタル一辺倒になることへの危惧を語りはするが、デジタルなものを用いることの効用も述べている。むしろこの本は「デジタル教科書なんかいらない」という人たちへの警鐘になっているのでは。 外山氏の発言は何かと「なるほどぉ」と思わされる。たとえば、日本語は「論理的に、筋道を立てて物事を考えるのがうまくありません。たとえば文章を書くときにも、日本人はセンテンスを中心にして書いています。これでは外国には通じないわけです。パラグラフを中心にして文章を書くということは、明治以来、なおうまくありません。段落、パラグラフというものを考えたのは文部省が最初で、明治の20年代に段落というものを教えたのです。けれども、百年経った今なお私たちには段落というものの感覚がよくわからない」と(p.38)。確かに英文読解など、パラグラフ云々ってよく言われたもんなあ。俳句や短歌のように抒情を示すことはできるが、論理的なものを表すのにはあまり向かないというか、これまた外山氏が言っているのだけど、文章が文科的に寄り過ぎているというのも一因だろう。理科系の人にはいまいち扱いづらいものになっているし、それを破るような人も(外山氏によれば寺田寅彦など)あまりいない。それはやはり起承転結で表す日本の文章の特徴とも関係しているのだろう。英語などの主語の次に述語が来て、目的語が来るという並びを考えるとその違いが理解できるような気がする。とにかく今までの自分の本の読み方を一考することができる本。これって外山氏の名著『思考の整理学』など読むともっと理解できるものだろうか。 対する田中眞紀子の話もなかなか。この対談の組み合わせができたのは、田中氏の子どもがお茶の水女子大の付属校に通っていたときの校長が外山氏だったという縁かららしいが、互する話をしていると思う。中勘助や芥川、三島の『お嬢さん』『花ざかりの森』を愛するといった発言もだけど、端々から豊かな教養や経験の持ち主だという感じが漂う。とんでも発言の人という感じだけど、それらも真意が届かずいいように喧伝されてしまったからではないかと、この本を読むかぎりではそう感じた。
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まず、タイトルがよくない。少なくとも、副題の「デジタル教科書はいらない」は取った方がいい。 田中眞紀子の何気ない自己PRが鼻に付くところもあるが、あんがい、まっとうで世間のイメージとは違うところもあるのに驚かされた。改めて、週刊誌の記事だけに踊らされてはいけないと強くかんじた。...
まず、タイトルがよくない。少なくとも、副題の「デジタル教科書はいらない」は取った方がいい。 田中眞紀子の何気ない自己PRが鼻に付くところもあるが、あんがい、まっとうで世間のイメージとは違うところもあるのに驚かされた。改めて、週刊誌の記事だけに踊らされてはいけないと強くかんじた。 なかなかいい話もしているので、一読して損はない。
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図書館の書棚にあったのを、ぱらぱらと。田中真紀子の熱い語りが、伝わってきた。しかし、それは伝えるべきところがあり、なんとなく伝わり、気になって借りてきた。読んだ。そこには、自分が知っている田中真紀子ではない、田中がいた。まさに、今まで自分がメディアに踊らされていた、メディア報道に...
図書館の書棚にあったのを、ぱらぱらと。田中真紀子の熱い語りが、伝わってきた。しかし、それは伝えるべきところがあり、なんとなく伝わり、気になって借りてきた。読んだ。そこには、自分が知っている田中真紀子ではない、田中がいた。まさに、今まで自分がメディアに踊らされていた、メディア報道に操作されていたことを改めて知った。田中真紀子との距離が縮まった気がした。外山滋比古 、この対談からも、もの静かだが、鋭い主張、考えは十分に伝わってくる。多くの著作、思考することは何であるか?基本はぶれずに、平易な言葉で例を示して、伝える言葉は、常人ではなかなかできないだろう。と感心した。生来の学者であるイメージがあったが、本書を読むと、どうやらそうではなく勉学に渇望していたようである。さて、本書のテーマ、教育論とも、読書論とも、また、文化論とも取れた。二人の視点が重なり合うところが、教科書ということだったと解釈している。人間の脳はデジタル、しかし、思考はアナログだ。
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