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子どもが性被害をうけたとき お母さんと、支援者のための本
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子どもが性被害をうけたとき お母さんと、支援者のための本

キャロライン・M.バイヤリー【著】, 宮地尚子【監訳】, 菊池美名子, 湯川やよい【訳】

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子どもが性被害をうけたとき お母さんと、支援者のための本

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 明石書店
発売年月日 2010/09/30
JAN 9784750332680

子どもが性被害をうけたとき

¥2,200

商品レビュー

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2012/09/01
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この本に登場する母親たちは本音を語っている。ときにはそれをまともに被害者に言うと二次加害になってしまうような、人間だから、母だから、女だから、親だから、と葛藤しているのである。だからこそ母親たちだけで安心して語れる場が必要なのだろう。日本ではまだまだ性虐待、性暴力の分野では30年以上アメリカと比べて遅れていると言われる。アメリカで読み継がれてきたきた本の翻訳であるため、日本の事情とは全く違う。そういったことを知らずに、こんなに社会はちゃんとしているのだと何の知識もない人が読むと、日本の現状とは大きく乖離しているために傷つくことが多くなるだろう。よってこの本の社会的資源などについてはアメリカではこうなのだと言い聞かせながら読まないと、まるでちゃんとした対応をしてもらえるのが前提であるかのような気がしてしまいさえする。母親たちの感情や感情面でのケア、こういう背景の母親たちがいる、という点のみにおいて、つまりおもに前半部分が参考になる。巻末に日本の事情を独自に追加して書いてあるが、なんとなく歯切れが悪いようにさえ感じてしまう。原稿を書いた人はおそらく日本ではまったく事情が違うことを、母親たちに絶望感を与えないようにして書いたのではないだろうか。だが専門家であるならばどれほど日本の社会がこうした問題に全く対応できていないかはわかりきっているはずである。最後の日本の事情について書いたものは簡単な知識として割り切って読むべきであり、アメリカの社会事情を書いた部分はあくまでもちゃんと対応している社会である別の国のことであるとこれまた悲しいことながら割り切って読まないとつらい思いをするだろう。 母親たちの言葉、例などが豊富な点はよかったと思う。自らも性被害の経験がある母親(かなり多い)に起こるであろう問題、他の家族メンバー、特に他の虐待されていない子どもたちについての対応なども提示されている。夫が加害者である場合についても母親、妻としての正直な気持ちが書かれてある。こうしたことは今まで「ひどい母親」としてしか描かれていなかったように感じる。例えば、被害者である子どもに嫉妬や怒りを感じたり等である。頭では子どもは被害者だとわかってはいて子どもを助けたいともがく母親の苦しみとして描かれているのは、母親たちに焦点をあてた成果であろう。 また、過酷な状況を乗り切るためには母親自身が自分のための時間をとりセルフケアをしなければいけないと断言してあること等も、母親たちが実体験として語った中でも出てくるため説得力がある。この本を読んだ、今まさに問題の渦中にある母親たちが、罪悪感を持たずにすむよう、こうした本がもっと読まれるべきだと思う。 日本の母親たちが語り合えるような場をつくれる環境には甚だ日本は遠い現状である。社会資源もなく法整備も不十分すぎる日本でどう闘い子どもを守ってきたか、母親たちの声が必要とされている。そういった本が日本でも出版されるようになる日が早く来ることを願ってやまない。

Posted by ブクログ

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