ブラックランズ 小学館文庫

ベリンダバウアー【著】, 杉本葉子【訳】

• 販売会社／発売会社: 小学館
• 発売年月日: 2010/10/11
• JAN: 9784094085501

商品レビュー

2024/06/30

ロボットインザガーデンの翻訳が直訳感がなく素晴らしいので松原葉子さん（ご結婚されたのか本作は杉本葉子さんとなっています。）の他の作品も読んでみたいと思い本作に当たりました。
翻訳はさすが。とても物語に入り込めました。
松原さんの訳はなんと表現すれば良いのか。。自然な表現で柔らかく、登場人物の表情が想像でき人間味があります。
どの作品も物語はしっかりと大人向けのはずなのに時折児童文学のような可愛らしさを感じるのは私だけでしょうか。

ベリンダ・バウアー氏二作目のダークサイドに
訳者のあとがきもありましたが、イギリスの文化に精通していることが自然な翻訳に繋がっているのだなぁと感じます。
ロボットインザシリーズもイギリスが舞台ですもんね。

翻訳ももちろんですが本作自体もとてもたのしめました。
ゴールドダガー賞受賞なだけあります。

少年の家族愛と寂しさ、葛藤、モヤモヤしながらも確かな友情。犯罪者の好奇心。
自分自身も幼い時に感じた感情を思い出しながら
ハラハラと物語に入り込めました。

2021/11/17

2010年発表作。12歳の少年が、幼少期のおじが殺されるという過去の事件を〝解決〟することで、現在のぎくしゃくした家族関係を立て直そうとする。要は、絆がテーマといえるだろう。ただ、ムード優先で筋に捻りがないため、サスペンスとしては物足りない。女性作家らしいきめ細やかな心理描写はいいのだが、主人公の動機や、殺人者の掘り下げが甘く、異常性は伝わるが、納得させるだけのリアリティが無い。いじめを受けている少年の脆弱さも気になる点で、終始傷つき泣き続けている。母親の愛人に対し失われた父性を求めるナイーブな表現は巧いが、全体的には浅い印象。獄中にいた殺人者が中盤であっさりと脱獄に成功するエピソードなども、やや作為的過ぎる。少年の祖母や母親らの一貫性無き感情の動きも気になった。

本作から始まるシリーズは概ね好評のようだが、私は序盤から駄目な作品だった。小児性愛やサディズムなど、過激な要素を盛り込んではいるが、ミステリとしては凡庸で、新鮮味がない

2018/12/16

児童連続殺人犯との手紙のやりとりからの展開にびっくり。少年と犯人の視点、ちょっと親友の視点もありでのストーリー展開でした。