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外交官が見た「中国人の対日観」 文春新書
858円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/08/20 |
JAN | 9784166607679 |
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外交官が見た「中国人の対日観」
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外交官が見た「中国人の対日観」
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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
先に読んだ元外交官の宮本雄二氏の熱い外交論に痺れたので、次の外交官中国もの積読本を開巻。経歴を見ると元々韓国の専門の方の模様。そのせいか、ちょっとマニアには物足りない内容でもあったが、第5章の未来について(とはいえ、本が出たのは2010年だが)の項目内には、どちらかというと日本人向けの叱咤激励が書かれていて、やはり色々と思うところがあるのだなと感じる。 内容は特に日本に対して今ほど強硬ではなかったころということもあり、比較的自由になってきている、問題を抱えていることは中国人も理解している、強大になりつつある自国に自信を持ち出す一方で自制の精神も忘れないといったトーンで占められている。結局、今はその頃からまた逆の方に触れてしまっている感が強いが、政治のさじ加減一つでどちらにでも触れてしまう状況と、そこに人々がどこまで疑問を持っているのかがやはりわからない。個人的に中国に触れる機会が多かったが、その時はより強大になっていっている中国に自信が強まっている人が多かった印象だ。 P.P.120 二〇〇八年九月のリーマン・ショック以降、アメリカの金融市場と経済は大打撃を受け、ヨーロッパ各国と日本も深刻な後退期に入った。中国も沿岸部の輸出産業に影響はあったが、他国に比べればそのパフォーマンスの良さは際立っており、全体として高度成長が順調に続いている。オリンピックの成功も国民の高揚感に弾みをつけるのに一役買った。(中略)「2008年:中国だけが資本主義を救える」というフレーズにその高揚感が表れている。 ところが、新聞の論調は、自重、自制を繰り返しうながしている。(中略)人民元の切り上げ問題や地球環境問題など、国際場裡で中国の負担が増えることを回避しようとする政治的思惑が中核にあることは間違いない。 P.191 中には中国が日本から輸入したものもある。例えば「民主」、「人民」、「革命」、「代表」、「思想」、「幹部」などの政治用語、「肯定、否定」、「主観、客観」、「具体、抽象」など思考の基本を律する抽象概念、さらに「手続」、「広場」など。これは中国の研究者がきちんと調べた結果です。 P.207 はたして中国人の愛国心は強いのか、弱いのか。私の答えは「弱いように見えても、強い」だ。悲憤慷慨する壮士というより洗練されたビジネスマン風だが、合理的・功利的な愛国者が非常に多い。 中国人は、国家や組織というものに根本的には信を置かず、自力で切り拓いていくしかないと考えている。だが同時に、自分の生活もビジネスも、国の政策や外国との関係によって左右されることをよく理解している。(中略)国の制度に百パーセント身をゆだねるようなリスキーなことはしないが、これに背を向け、自分の可能性をつぶすようなことはもっとしない。
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誰からも文句の出ない態度は外交官僚としては立派なものかもしれないが、新書の執筆者としてはこれほどつまらないものはない。 著者はかつて中国公使を務めていたそうだが、もうとっくに退任しているのだからもう少し鋭いとんがった考えを開陳してほしいと思えた。 2017年5月読了。
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刊行は北京五輪後の2010年。著者は在中国日本大使館公使。顕著な経済成長を遂げる中国につき、知日派中国人との対話等から、長短混在の中国の現状を解読。自慢と自制が同居しつつも、実利優先の中国人像と、単純なナショナリストではない知日派かつ高学歴中国人の考え方を描く。本書で看取すべきは、偏狭なナショナリズムでは、相手のプラグマティズムに到底太刀打ちできないということだろう。怜悧な対日観の一方、無知も露呈する。周恩来の日本留学歴を知らないとは。また、留学生は10倍するくらいの荒療治をすれば対日観も変わってくるか? ちなみに、学生は猛勉強するが、知識の詰め込みだけでなく、表現・プレゼンも獲得可能な技能とみる。
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