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東京駅物語 文春文庫
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東京駅物語 文春文庫

北原亞以子【著】

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東京駅物語 文春文庫

764

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2010/08/03
JAN 9784167576073

東京駅物語

¥764

商品レビュー

3.5

12件のお客様レビュー

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2025/07/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

東京中央停車場(現在の東京駅)を舞台に、日露戦争が勃発した明治37年前後から昭和の終戦直後まで、主人公が移り変わりながら展開する九つの物語。 とても面白く、物語同士がゆるやかに絡み合っているため、一気に読み進めてしまう。そして今回4回目くらいのリピート。たまにその世界観に入りたくなって読み返したくなる本。ただし、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、第二次世界大戦と、時代背景に常に戦争の存在があるため、作品全体に重苦しく、物悲しい空気が漂っている。読後に爽やかさやすっきりとした感覚は残らないけれど、それでも東京駅という誰もが思い浮かべることのできる赤レンガの駅舎が舞台であるため、とても興味深く読める。 印象に残ったのは第四話の終着駅。この話が一番物悲しい。悲しくてやりきれない気持ちになる。歴史背景は大正12年の関東大震災の時期。 第五話の山手線は前橋から出てきたおばあちゃんが主人公。ずっと一人語りで話が進んで、喋る喋る。ずっとおばあちゃんのおしゃべりで話が終わる。この話し方がまんま杉村春子さんのイメージでずっと脳内で杉村春子さんが喋っていた。前の話に出てきた人のその後が垣間見れるのだけど、あー悲しいな。人間って特に男って弱いなって思う。このおばあちゃんは現実的でちゃんと今を生きていて生命力が強い。 第七話から第九話までは一人称の人物は変わるけれど、須磨子という地味な女教師が出てくる。昼間は真面目な女教師をしていて、週末は濃い化粧をして自堕落な女を演じている。戦争に行くのは名誉だと担ぎ上げられ戦死させられた旦那さんのことをずっと忘れられず「戦え、胸を張ってお国のために死ねという」風潮に静かに怒りながら反発している。 第八話は戦友 時期は第二次世界大戦まっただなかで、B29による東京への空襲がはじまりそうな頃。主人公は小学生の英輔。英輔は結核の父親と元気で明るい母親と暮らしていたけれど、母親が父親の実家である郡山へ疎開しようと切符を買いに有楽町駅に並んでいたときに悲劇が起こる。英輔の学校の先生として須磨子が出てくる。須磨子は仕事をしているときは地味な女教師。地味でおとなしいけれど、戦争を正義ととらえる男の教師たちに静かに抵抗している。大声を張り上げるわけではないけれど、嫌味をのらりくらりと受け流して子供達を守っている。戦争の真っただ中、お国のためにと国民が一丸とならないといけない時期に須磨子のこの反発は須磨子の心に渦巻くものすごい怒りや憤りを感じた。中身はとても強い女性だなと思った。 第九話は、終戦後で戦争で身内や親しい人が死んでも、みんなそうなんだから誰かが死んでしまったことは、特別じゃないって言われていた頃。そんなことはないと言いたいけれど、戦争に向けての同調圧力と同じように、仕方ない仕方ないみんなそうなんだからあきらめろ、っていう同調圧力が戦後にもあったように思う。やりきれない思いはどこへやれば良いんだろう。戦争を経験した人たちはそんなやりきれない思いを抱えながら生きていかなくてはならなかったんだろうな。 多くの人が行き交う東京駅は、きっと様々な人間模様を見てきたのだろうと想像が広がる。そして、戦争のやりきれなさや理不尽さについても深く考えさせられる。物悲しさはあるものの、生きるということは楽しく幸せなことばかりではないのだと、改めて思わされる。この連作短編集は東京駅で交差する市井の人の人生の一瞬を垣間見させてくれるものであり、「人生とは」とさまざまな想いを巡らせることが出来る物語だと思う。

Posted by ブクログ

2025/04/15

明治から終戦直後までの東京駅にまつわるお話 9作の短編集ですが、少しずつ繋がっています 出会いや別れだけでない、時代の象徴としての東京駅が垣間見れました ⑧戦友 が良かった

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2023/07/05

読み始めてすぐに時代小説風な内容に近かったと感じ読了できるか不安になったけれどなんとか読了。東京駅にまつわる話でその建設当時のことなど実際に駅舎を思い浮かべながら楽しめた。戦時中の話やいろんな人の人生が垣間見えたけれど、時代が前後したり登場する人物を整理しないと少し混乱する。再読...

読み始めてすぐに時代小説風な内容に近かったと感じ読了できるか不安になったけれどなんとか読了。東京駅にまつわる話でその建設当時のことなど実際に駅舎を思い浮かべながら楽しめた。戦時中の話やいろんな人の人生が垣間見えたけれど、時代が前後したり登場する人物を整理しないと少し混乱する。再読したらすんなり頭に入ってくるかもしれない。こんな時代を経て今があると思うと感慨深い。

Posted by ブクログ