商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2010/06/30 |
JAN | 9784103023302 |
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商品レビュー
4.2
32件のお客様レビュー
なんという大作。そして、なんという虚無感。 結末に至る赤裸々な、またドラマティックな展開もさることながら、最後のこの落とし方。 これは、結局こうするしかなかったんだろうか。
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語学、歴史、地政学、体験譚を相当な編集力で再構築してからではないとこんなすごい作品は書けない。現存の日本人作家の誰がこれを書けようか。ものすごく集中し、一命を賭した平野啓一郎あたりか? やけに日本語達者な外人だらけが気になるが、それもギャグとしているような。 井上ひさしの左一辺倒...
語学、歴史、地政学、体験譚を相当な編集力で再構築してからではないとこんなすごい作品は書けない。現存の日本人作家の誰がこれを書けようか。ものすごく集中し、一命を賭した平野啓一郎あたりか? やけに日本語達者な外人だらけが気になるが、それもギャグとしているような。 井上ひさしの左一辺倒では決してない正義、それも最終形態を示してくれている。これが実はもっとも刺さった。 本当にすごいのはこれがおもしろいということだ。ジェームスボンドみたいなのだ。本当に。
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極寒と恐怖に支配されたシベリア抑留のシリアスな状況が継続するにも関わらず、コミカルな空気が通底。 その軽妙さが却ってブラックな妙味を生んでいます。 惨い私刑だとか拷問だとか、会話の中には登場するけど、登場人物が直接そういう目に遭う場面が描かれないことがポイントなのかも。 それに...
極寒と恐怖に支配されたシベリア抑留のシリアスな状況が継続するにも関わらず、コミカルな空気が通底。 その軽妙さが却ってブラックな妙味を生んでいます。 惨い私刑だとか拷問だとか、会話の中には登場するけど、登場人物が直接そういう目に遭う場面が描かれないことがポイントなのかも。 それにしても、軍国主義と共産主義の欺瞞に対する強烈な嫌悪感が小説全体から横溢している感じで、井上ひさしという作家の生き様が滲み出ている点では遺作に相応しいと言えるように思います。 もともと文芸誌へ連載された作品で、単行本化にあたり加筆・修正が予定されていたところ、著者の逝去により叶わなかったという事情があるとのこと。 全体の整形がされていればさらにエクセレントな出来栄えになったろうに…と思う一方、この荒削り感が小説の雰囲気には合っていると言えるのかもしれません。
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