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助左衛門四代記 新潮文庫
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助左衛門四代記 新潮文庫

有吉佐和子(著者)

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助左衛門四代記 新潮文庫

737

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1965/09/01
JAN 9784101132037

助左衛門四代記

¥737

商品レビュー

4.6

6件のお客様レビュー

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2025/02/10

普段歴史小説は敬遠しがちなんだけど、敬愛する有吉佐和子作品というのと、「名作「紀ノ川」をさらに一歩進めた、雄大で風格のある歴史小説」という解説に惹かれて読んでみたら、もう大傑作。 250年にわたる家系の大河小説を、こんなにコンパクトにまとめて、それなのに一人一人の当主や嫁の息吹が...

普段歴史小説は敬遠しがちなんだけど、敬愛する有吉佐和子作品というのと、「名作「紀ノ川」をさらに一歩進めた、雄大で風格のある歴史小説」という解説に惹かれて読んでみたら、もう大傑作。 250年にわたる家系の大河小説を、こんなにコンパクトにまとめて、それなのに一人一人の当主や嫁の息吹がしっかりと伝わってくるの、名人芸すぎる。どうしてもあたたかく締めくくりたくなりそうなものだけど、残酷なまでに客観的で寂寥感あるラストに、より強く情緒を感じた。 旧日本式な嫁の忍従は、今では消え去るべきものとして社会が動いていて、わたしも夫、ましてや家に仕えるなんてまっぴらごめんだ。だけど、長男第一の社会で、置かれた場所に辛抱強く根を張り、一本自分の芯を通す女たちの生き方は、すごく気高く、美しく感じた。そういう美徳は、残していけたらよいのだけど。

Posted by ブクログ

2017/02/09

垣内家当主代々助左衛門の歴史を描く。 久しぶりに読む有吉佐和子さんは、やはり素晴らしい。 四代の助左衛門の歴史を描いているのに400ページ程しかない。こんな少ないページで描ききれるのかと不安になるが、そこが有吉佐和子さんにかかると見事に描ききってしまう。 それぞれの助左衛門の人...

垣内家当主代々助左衛門の歴史を描く。 久しぶりに読む有吉佐和子さんは、やはり素晴らしい。 四代の助左衛門の歴史を描いているのに400ページ程しかない。こんな少ないページで描ききれるのかと不安になるが、そこが有吉佐和子さんにかかると見事に描ききってしまう。 それぞれの助左衛門の人生が、劇的すぎず何もなさすぎない絶妙な加減に抑えてある。普通なら、あれもこれもと欲張って書いて読者を食傷気味にさせてしまう。しかし、有吉佐和子さんの盛りすぎない書き方が、リアリティを産み、作品のドラマ性も併せ持たせることに成功している。 有吉佐和子さんは魅力的な人物描写も特徴だ。 特に女性の描き方が素晴らしい。 有吉作品に出てくる女性は、言い訳や責任転嫁をしない。自分の人生に責任を持つ女性が多く、好ましい。 何かあるとすぐに言い訳したり、誰かのせいにするひとがわたしは苦手なので、有吉作品の女性たちは本当に気持ちがいい。 「助左衛門四代記」であるので四人の妻(実際は後妻もいるので五人)が出てくる。 妻たちそれぞれが個性的なことは勿論、耐え忍ぶ女性の強さ、感情を表出させずに生きる強かさなどの隠された感情を、仕草などを描いて表すことがとても上手い。 やはり有吉佐和子さんは名作家だと読むたびに思う。 今回も読みながら唸らされ、最後まで愉しめる作品だった。

Posted by ブクログ

2016/09/29

7代目まで祟りが続くっていう話は本当だったけど、最後の終わり方は悲しかった。それにしても有吉さんの和歌山を舞台にした作品、何世代にも渡る家系の話、やっぱりおもしろいなぁ。男の人の力もあるけど妻の内助の功が素晴らしい。紀州徳川家の話も勉強になった。

Posted by ブクログ