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助左衛門四代記 新潮文庫
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助左衛門四代記 新潮文庫

有吉佐和子(著者)

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助左衛門四代記 新潮文庫

737

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1965/09/01
JAN 9784101132037

助左衛門四代記

¥737

商品レビュー

4.5

7件のお客様レビュー

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2025/09/18

時代は宝永から。紀州の大地主であり後に庄屋にもなった垣内家が250年にわたって家名を維持し隆盛を極めるまでの歴史が描かれている。 初代“助左衛門”の母親が老爺の巡礼が連れていた白い犬を殺めてしまう。 怒った巡礼は「この家に七代まで祟ってやる」と喚いて去っていった。 その日のうち...

時代は宝永から。紀州の大地主であり後に庄屋にもなった垣内家が250年にわたって家名を維持し隆盛を極めるまでの歴史が描かれている。 初代“助左衛門”の母親が老爺の巡礼が連れていた白い犬を殺めてしまう。 怒った巡礼は「この家に七代まで祟ってやる」と喚いて去っていった。 その日のうちに五つになる長男が焚火に焼かれて死んだ。 それ以来 垣内家の長男が“助左衛門”を名乗ることはなかった。 しかし 垣内家はどんどん栄えた。 “助左衛門”を襲名した次男たちが有能だったのも確かだが その妻たちの働きもおおきかった。 男尊女卑があたりまえで 女が自ら何かを選べる時代ではない。置かれた場所で与えられた役割を果たす他に道はない。 それでも初代の妻 妙は大した人物で夫や周囲からの信頼も厚かった。そしてその思いは二代目の妻 円、三代目の妻 梅野と受け継がれていく…。 この本を書くにあたって 有吉さんはきっとたくさんの古文書を参考にされたんだと思う。そして終章で垣内二郎が「古文書も日記らしいものも、庄屋のメモみたいなものも、いろいろ揃うて出てきたけども、女のことは分り難いもんやで、」と言っていたように実際 女性の記録は少なかったんじゃないかと思う。女の記録など残すに値しないと思われていたのだろうか…? と これは個人的な意見に過ぎませんので間違っていたらスミマセン。 しかしこの作品には“助左衛門”と並んでその妻たち女性がそれぞれの個性を備えて生き生きと描かれている。 これこそ有吉作品の醍醐味だと思うのです。

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2025/02/10

普段歴史小説は敬遠しがちなんだけど、敬愛する有吉佐和子作品というのと、「名作「紀ノ川」をさらに一歩進めた、雄大で風格のある歴史小説」という解説に惹かれて読んでみたら、もう大傑作。 250年にわたる家系の大河小説を、こんなにコンパクトにまとめて、それなのに一人一人の当主や嫁の息吹が...

普段歴史小説は敬遠しがちなんだけど、敬愛する有吉佐和子作品というのと、「名作「紀ノ川」をさらに一歩進めた、雄大で風格のある歴史小説」という解説に惹かれて読んでみたら、もう大傑作。 250年にわたる家系の大河小説を、こんなにコンパクトにまとめて、それなのに一人一人の当主や嫁の息吹がしっかりと伝わってくるの、名人芸すぎる。どうしてもあたたかく締めくくりたくなりそうなものだけど、残酷なまでに客観的で寂寥感あるラストに、より強く情緒を感じた。 旧日本式な嫁の忍従は、今では消え去るべきものとして社会が動いていて、わたしも夫、ましてや家に仕えるなんてまっぴらごめんだ。だけど、長男第一の社会で、置かれた場所に辛抱強く根を張り、一本自分の芯を通す女たちの生き方は、すごく気高く、美しく感じた。そういう美徳は、残していけたらよいのだけど。

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2017/02/09

垣内家当主代々助左衛門の歴史を描く。 久しぶりに読む有吉佐和子さんは、やはり素晴らしい。 四代の助左衛門の歴史を描いているのに400ページ程しかない。こんな少ないページで描ききれるのかと不安になるが、そこが有吉佐和子さんにかかると見事に描ききってしまう。 それぞれの助左衛門の人...

垣内家当主代々助左衛門の歴史を描く。 久しぶりに読む有吉佐和子さんは、やはり素晴らしい。 四代の助左衛門の歴史を描いているのに400ページ程しかない。こんな少ないページで描ききれるのかと不安になるが、そこが有吉佐和子さんにかかると見事に描ききってしまう。 それぞれの助左衛門の人生が、劇的すぎず何もなさすぎない絶妙な加減に抑えてある。普通なら、あれもこれもと欲張って書いて読者を食傷気味にさせてしまう。しかし、有吉佐和子さんの盛りすぎない書き方が、リアリティを産み、作品のドラマ性も併せ持たせることに成功している。 有吉佐和子さんは魅力的な人物描写も特徴だ。 特に女性の描き方が素晴らしい。 有吉作品に出てくる女性は、言い訳や責任転嫁をしない。自分の人生に責任を持つ女性が多く、好ましい。 何かあるとすぐに言い訳したり、誰かのせいにするひとがわたしは苦手なので、有吉作品の女性たちは本当に気持ちがいい。 「助左衛門四代記」であるので四人の妻(実際は後妻もいるので五人)が出てくる。 妻たちそれぞれが個性的なことは勿論、耐え忍ぶ女性の強さ、感情を表出させずに生きる強かさなどの隠された感情を、仕草などを描いて表すことがとても上手い。 やはり有吉佐和子さんは名作家だと読むたびに思う。 今回も読みながら唸らされ、最後まで愉しめる作品だった。

Posted by ブクログ