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日本人へ 国家と歴史篇 文春新書756
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/06/20 |
JAN | 9784166607563 |
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日本人へ 国家と歴史篇
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商品レビュー
3.6
61件のお客様レビュー
月刊「文藝春秋」の連載の新書化。 塩野七生のごくごくフツーのエッセイ。タイトル買いするとがっかりするかも。(2010.6.23)
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他の「日本人へ」シリーズよりも、穏やかな内容と思えるのは、大作「ローマ人の物語」を書き終えた喜びだろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ブックオフで買ったままの積本に着手したが、少々古すぎた。本のタイトルから普遍的な内容を想像して読みだしたが、発刊当時(2010年当時)の情勢(特に日本の政権など)について、著者の考えを述べた部分が多く、ほとんどを駆け足で読み流してしまった。 塩野さんの合理的でダイレクトな語り口は、当時読んでいたら、歯切れよさに快感を感じながら読めたかもしれないが、今更なので走りました。 本書の最初の扉に次の言葉が引用されてました。 「自分で自分を守ろうとしない者を誰が助ける気になるか」(ニコロ・マキアヴェッリ) これが「日本人へ」のメッセージなのだろう。 塩野さんの歴史に対するスタンスは、次のような言葉である程度理解できたのかなと感じています。 「歴史は私にとって、研究する対象でなくて、ともに生きる相手なのである。」 「人物を私に引き寄せるのではなく、私からその人物のところへ行く。」 「良くも悪くも愉快な男たちと過ごしてきた。」 「作家は絶対に、書く対象に乗り移るくらいの想いで対さないかぎり、それを書ききることはできない。」 つまり、その時代の人物に自ら会いにゆき、語り合いながら歴史を綴っていくというイメージで、特にその対話の相手は女よりも男であるほうが楽しいようだ。 また、途中、酒とチーズの話も出てきた。その時代の歴史を綴るのに、その時代性を感じられる酒とチーズを食しながら書くのだと。 「木を見て森を見ず」を避けたいという言葉も。歴史の細部にこだわるより流れ重視のようだ。「高校で学ぶ歴史こそが歴史全体の流れを感じとるのに適していた。」とも述べていた。 アンドレ・ジイドの「麓からでもトルストイという山は見える。だが、トルストイという山を登りきると、その向こうにドストエフスキーという山が見えてくる」という言葉を引用し、これが自分の仕事のスタイルだと述べていた。そして山登りと同じく、無理をしない持続と、初めの挑戦は「楽しいこと」から着手するそうだ。 何事かをなす一つのヒントであるかもしれない。 著者が「夢の内閣」を構想するページがあった。ここは、著者の知識が最大限に活かされた普遍性のあるページだった。 ■総務省の大臣:皇帝アウグストゥス 中央集権と地方分権の絶妙な配合システムを確立した。 ■外務省の大臣:皇帝ネロ 「悪帝」は歴史教科書的評価であり、大国、小国などの差別なく、友好関係を樹立できる。 ■防衛省の大臣:ハドリアヌス 戦争に訴えないで防衛責任も果たすという、困難ではあっても国民にとって最もありがたい安全保障制度を再構築した人物。効率の鬼。 ■行政改革担当の大臣:ユリウス・カエサル 先を見通す知力と、反対派でさえもたらしこむ説得力と世論などには左右されない持続する意志と、手段の目的かに陥らない自己統制力と、目的にむかって進む肉体上の耐久力がある。 ■総理大臣:空席(不要) 他の各省の大臣がすべて優れているので。 ■財務省の大臣:ヴェスパニアヌス帝 新税を考え出すことにかけて天才。 ■法務省と国家公安員会のトップ:ティベリウス アウグストゥスの後を継ぎ、政治の確立と司法の公正に尽力した。 ■国土交通省の大臣:トライアヌス 公共工事の実績が最多。 ■文部科学省と厚生労働省の大臣:誰でもOK 以上は、ローマを熟知した著者が考える「夢の内閣」の組閣メンバーだが、その正しさを確かめるには、もっと著者の本を読むしかなさそうだ。
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