メナムの残照 角川文庫

トムヤンティ(著者), 西野順治郎(訳者)

• 販売会社／発売会社: 角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 1978/08/01
• JAN: 9784042419013

商品レビュー

2025/08/11

上巻まで読了

第二次大戦中にタイに駐在する日本軍人とタイ人女性の恋模様を描いたタイでは何度も映像化&リメイクされている「クーカム」の原作。
1990年代にはハンサムな日本人はこの主人公の名前で「小堀」と呼ばれたそう。
小堀は確かに平等な人権意識を持ち、言動も勇敢でかっこいいんだけど、アンの名前を勝手に日本語で呼び始めたあたりからちょっとヤベー奴になってきた感じである。

下巻読了

恋愛小説として読むと短慮で強情なヒロインにイライラが募るので、途中から「ヒロインは対戦中のタイの微妙な立場（表向き日本に協力しながらも戦後の自国の立場を考え外国にいる優秀な留学生を連合国のスパイにする）の象徴として描かれているからこんな意味不明な言動をするんだ」と思い込んで読みました。
翻訳がまずいのか読んでても辻褄が合わない場面が多く、本当に苦労しました。
絶版になるのも納得です。

メモ）
日光を見ないで結構というな、という諺をこの本で初めて知った…

2016/02/15

感動するいい話だった。
小堀さんを代表する真面目な日本人像が描かれており、ぜひタイの方々にはどう見えるか聞いてみたいところ。
アンスマリン冷たすぎるけど小堀さんもめげなすぎ。お母さんのオーンが良識あって素晴らしい。

2013年公開の映画はかなりショートカット。原作の深さ・心の動きがそこまで出せていないのは上映時間が限られるから仕方ないかな。

2014/09/22

第二次世界大戦時のタイを舞台にした恋愛小説。
恋愛小説としては古典的だが、とても良くできている思う。
興味深いのは、当時のタイの人々の生活の様子が描かれてのと、戦争への思いや、日本軍への思いだ。
また、著者が女性ということもあってか、女性特有の心理が詳しく描写されており、とても参考になった。
どちらかと言うと女性向けかも知れないけど、男性にもオススメです。