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フレンチ・パラドックス 経済の新世界勢力図
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フレンチ・パラドックス 経済の新世界勢力図

榊原英資【著】

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フレンチ・パラドックス 経済の新世界勢力図

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2010/06/10
JAN 9784163726809

フレンチ・パラドックス

¥1,414

商品レビュー

4

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2012/07/05
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リーマンショックから最も遠い距離にあると思われた日本が、終わってみれば最も大きな被害を受けた。GDPの落ち込みは目を覆わんばかりの悲惨さである。これに対してリーマンショックの影響が最も小さかったのがフランス。どこの国も小さな政府を目指す中にあって、この国は大きな政府を指向している。公共部門の比重が高いこと、社会福祉制度が整っていること、政府の規制が厳しいことが特徴で、これらが金融危機や世界不況への強さを生んでいる。たとえば景気の影響を受けにくい公務員の数が多く、国全体として不況による賃下げの緩衝材になった。しかも、フランス公務員は薄給ながら禁欲的に働いており、日本のような公務員パッシングもない。また、育児、教育、雇用を対象にした社会保障政策、若年世代を念頭に置いたソーシャルネットワークの充実は出生率を上昇させ、移民社会であるアメリカを除けば先進国の中で唯一出生率が2を超えるという結果を齎している。中長期的にみれば国家の最も有効な成長施策は人口の増加。日本の社会福祉は年金・医療が中心で受益者は老年層だが、フランスはこれを若年層にまで広げている。国民負担率は大きくなるが、使途が明確であるため国民も十分に理解している。全体のビジョンも政策の方向も見えない日本とは大違いである。ただ、こんなフランスも実は過去においては人口減に悩まされている。なんと1916年には1.23という低出生率を記録しており、ドイツ、イギリスなどに大きく水をあけられていた。しかし、寧ろこの逆境が、人口減少に対する危機感が全国に先駆けた子育て奨励家族政策を進め、今に至っている。一方、経済に目を転ずると、内需中心型であり、貿易依存度がドイツの輸出40%に対して輸出は21%。輸入は25%と極めて低い。日本やドイツが製造業中心の輸出によって経済成長を引っ張ってきたのに対し、フランスは内需中心に経済成長を続けてきたため、両国のように労働者の賃金を抑制して製造業の国際競争力を維持しようという考え方がなく、そのことも世界不況に強い体質を生むこととなった。今、日本は製造業一辺倒の輸出立国からの脱皮成長が求められており、新たな社会システムをつくるべき時期にきている。アメリカ型新自由主義からヨーロッパ型社会への転換であり、最も優れたモデルがフランス型社会。周囲を見渡せば中国があり、インドがある。中国とインド両国で人口は25億人以上。世界の人口の5分の2を占め、今なお人口増殖中である。強敵である。日本が生き残るためには中国やインドの真似のできない日本ならではの取り組みが必要である。これまで積み上げてきた日本のモノづくり技術をもって輸出により外資を稼ぎ、内需中心に構造転換を図り経済を活性化しなければならない。なお、金融立国という道もあるが、日本には致命的欠陥である英語ができないという大きな課題がある。明治時代に翻訳文化を確立してしまったのが仇となり日本人は徹底的に英語ができなくなってしまっている。日本人の英語能力はアジアの中でも最低レベルなのである。現状を鑑みれば極めて困難と言わざるを得ない。何が日本の成長産業なのか。しっかり見定め産業構造の転換を図っていかなければならない。

Posted by ブクログ

2011/09/22

フランスが少子化問題など数々の社会問題をどう解決して行ったかを紹介している スウェーデンパラドクスと合わせて読んだ 統計をいめんだんだけ追ったところもあるので説得力はスウェーデンパラドクスの方がある が、フレンチパラドックスにも今後日本が強化すべきポイントはとても共感できる グロ...

フランスが少子化問題など数々の社会問題をどう解決して行ったかを紹介している スウェーデンパラドクスと合わせて読んだ 統計をいめんだんだけ追ったところもあるので説得力はスウェーデンパラドクスの方がある が、フレンチパラドックスにも今後日本が強化すべきポイントはとても共感できる グローバリゼーションの中日本が生き残って行くために多くの人に読んで欲しい

Posted by ブクログ

2010/12/26

あまり政策的な本には興味がないが、この本は面白く読めた。ちょうど、今の日本がどの方向に進めばいいのかを、やさしく説明してくれる。 小さな政府と言っているが実際はどうなのか? その小さな政府の見本となりうる「先生」の国は? フランスの良さを伊奈に見習うか? または、貧富の差のはげし...

あまり政策的な本には興味がないが、この本は面白く読めた。ちょうど、今の日本がどの方向に進めばいいのかを、やさしく説明してくれる。 小さな政府と言っているが実際はどうなのか? その小さな政府の見本となりうる「先生」の国は? フランスの良さを伊奈に見習うか? または、貧富の差のはげしい二極化の国を目指すのか?それとも、社会主義的な平等社会を形成していくのか? どこを目指すのかによって 異なってくる。 小泉政権時代は、貧富の差がOKであり、今はまたその差をちじめる政策すすめようとしている。 このばら撒きと言われた悪政も、国力アップの人口アップにはいいかも、、、 しかし、もっと大きな目でもっと大きな力で、大きなビジョンをつくえる人が政治家として存在しないと、ほんと日本国は生きていけるのだろうか? 企業のビジョンづくりと同じであると思った

Posted by ブクログ

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