お嬢さん 角川文庫

三島由紀夫【著】

• 販売会社／発売会社: 角川書店/角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 2010/04/23
• JAN: 9784041212141

商品レビュー

2025/12/02

初の三島由紀夫作品。純文学なのに読みやすく、内容が今読んでも古くない。言葉の美しさに改めて日本語の良さを感じた。
今は使われない言葉等が出てくるのを調べながら読むのもたのしい。

昭和30年代半ばの大企業の重役のお嬢さんが結婚するまでの話。核家族が少しずつ増え集合住宅に暮らす時代。夕飯も洋食が用意されたり、家族でホテルの一室を借りクリスマスパーティーを開いたりと暮らしが少しずつ西洋化に移行してくる日本の暮らしを垣間見れる。焦点はそちらではなく、結婚相手の選び方やその相手との駆け引きなのだか、昭和の暮らしぶりに目がいってしまった。

2025/11/19

大企業重役の娘かすみは、父親の描く「幸福」に反発すべく、プレイボーイの景一に近づこうと試みる
なんとかして父親の部下である景一と結婚するが、わかってはいたけど浮かぶ女の影に疑心暗鬼
この時代の女子大生らしい知性を持ちながらも、なかなかに自意識の高いお嬢さまっぷりを発揮するかすみ
疑心暗鬼をもとにした幼さが前面に出てて、登場人物のキャラが魅力的でした

2024/12/27

三島らしい綺麗な文の羅列がもう、読んでいてため息が出るほどで、こんな本もあるのか！と、三島の作風の引き出しの多さにびっくりすると共に、仲のいい女子の空気感を分かりすぎている気もしてなんて人だ！となった。特にこの本で好きな文があるけどそれは言わないでおく。アハハ