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意識の本質について
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意識の本質について

ルートヴィッヒクラーゲス【著】, 平澤伸一, 吉増克實【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 うぶすな書院
発売年月日 2010/03/07
JAN 9784900470255

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2011/04/06

クラーゲスとは何者かを紹介するのに手っ取り早く、私がなぜ彼を知ったのかから始めよう。マイケル・ポランニー著『Knowing and Being』に次の一節がある ---- Another Follower of Husserl, Dr F.S.Rothschild, arri...

クラーゲスとは何者かを紹介するのに手っ取り早く、私がなぜ彼を知ったのかから始めよう。マイケル・ポランニー著『Knowing and Being』に次の一節がある ---- Another Follower of Husserl, Dr F.S.Rothschild, arrived even eariler at the conclusion that the mind is the meaning of the body. He developed this idea widely in neurophysiology and psychiatry, where I am not competent to follow him.  (P.222) ------ 'Another'とあるのは直前でメルロ=ポンティの心身論について語っているからで、フッサールの現象学の後継者としてメルロ=ポンティと比肩するもう一人がRothschild博士だと(あのマイケルが)言っている訳だ。 そしてこのRothschild博士が「心は身体の意味だ」という結論にいち早く到達していたという。興味深いことに実は彼こそはBiosemiotics=生物記号論の創始者でもあるのだ。米amazonで唯一入手可能なRothschild博士の著作『Creation and Evolution』を読むと、第3章が"The Influence of the Phenomenology of Ludwig Klages on Biosemiotics"というタイトルで、マイケルが引用した「心は身体の意味だ」という一文はそもそもクラーゲスの著作からの引用であると明確に述べている!日本でクラーゲスの紹介に力を尽くしたのは坂口安吾の精神病入院時の主治医である千谷七郎だ。三木成夫もクラーゲスに心酔していた(三木の著作にはクラーゲスの影響が顕著だ)。ではどこから手をつけるべきか。最終的には主著である『心情の敵対者としての精神』三巻全四分冊に挑むべきだがいかんせん価格が高い。本書は主著の予告編として最適だと言えるだろう。 内容はどうか。恐らくは2度3度と読み返さねば啓示的で瞑想的なクラーゲスの叙述を読み込むことは叶わないかもしれないが、期待を裏切らないと断言して良い。クラーゲスは肉体(body)ー心情(soul)ー精神(spirit)の3階層を(そう明確には語らないが)描いている。心情は肉体現象の意味であり、肉体は心情の現象である。では精神は?それは心情と双極的な連関をもつ、心情に「敵対」する制御者として現れてくる。個人的に圧巻だったのは9章の「感覚論の基礎」だ。マッハを意識しつつマッハを乗り越える試みのスリリングな萌芽が確かにある。 また、クラーゲスがいう「心情」は下條信輔が言うところの「情動」とほぼ同義だ。読めば読むほど、現代最新の認知神経科学と重なる先進的で重厚な思想を見出すことができるだろう。Rothschild博士は心情が現象している具体的な身体システムとしてCNS(Central Nervous System:中枢神経系)を捉えて分析を加えている(上述著書)。 是非ご一読をお薦めしたい。 (そして最終的には主著へ)

Posted by ブクログ

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