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「私」時代のデモクラシー 岩波新書
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「私」時代のデモクラシー 岩波新書

宇野重規【著】

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「私」時代のデモクラシー 岩波新書

968

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2010/04/20
JAN 9784004312406

「私」時代のデモクラシー

¥968

商品レビュー

4.2

32件のお客様レビュー

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2022/11/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

ちょうど同著者の『民主主義とは何か』を読み終えたところで、およそ3年ぶりに再読。せっかくなのでここ数年の間に流行したAdoの『うっせぇわ』と簡単に絡めてみる。 「私が俗に言う天才です」と自分は特別であると思おうとすると同時に、「私も大概だけど」と心のどこかでは他人と何ら変わらないことを感じている。そして「ちっちゃな頃から優等生」「社会人じゃ当然のルールです」と押し付けられる理想や自己犠牲に強い不平等感を感じるのである。 「でも遊び足りない/何か足りない」と満たされない思い。それを「困っちまうのは誰かのせい」として、自分の生きづらさを外部のせいにし、「うっせぇわ」と排除しようとするのである。「何か足りない」のは社会における自分の位置や役割、他者から自分へのリスペクトなのかもしれない。 特別でありたいけれども、他者と何ら変わりのない〈私〉。不平等を感じ、不満をもつ〈私〉。そんな〈私〉時代に必要なのは、「うっせぇわ」と他者を遠ざけることではなく、むしろ対話、即ちデモクラシーなのだ。

Posted by ブクログ

2022/11/07

江戸・明治の身分社会や家制度がなくなり、令和の現在、ネットが普及し「個」が尊重されるようになった。その中で社会とその社会をつくる「個」とのかかわりについて考察する本。 福祉の充実を求めながら、税負担は許容できない、という調査結果について、著者は行政・政治不信と分析しているが、私は...

江戸・明治の身分社会や家制度がなくなり、令和の現在、ネットが普及し「個」が尊重されるようになった。その中で社会とその社会をつくる「個」とのかかわりについて考察する本。 福祉の充実を求めながら、税負担は許容できない、という調査結果について、著者は行政・政治不信と分析しているが、私は「個」は認めてほしいが、その「個」が「社会」をつくる負担を負いたくないという無責任さの表れと感じる。 自身の「個」は「社会に」不平等に扱われるべきではない尊重してほしい、が、自分が所属する「社会」が曖昧になったことで、「社会」に対して自分が担っている意識が少なくなり、かわりに「社会=自分より上の誰か、政治家や行政や上級国民」がつくっており、そこから少しでも阻害されたら、「自分より上の誰か」の責任にしたい、という感覚があるのでは。

Posted by ブクログ

2022/05/26

democracyは私ではなく、私たちの力によるもの 市場化、民営化、選択制→行き過ぎれば社会を無意味化する、私たちの力で社会を変えることが不可能に P.4 ブレジンスキーの発言 平等社会の個人にとっての「多数の暴政」問題 苅谷剛彦  「閉じた共同体的空間」内部における差異、...

democracyは私ではなく、私たちの力によるもの 市場化、民営化、選択制→行き過ぎれば社会を無意味化する、私たちの力で社会を変えることが不可能に P.4 ブレジンスキーの発言 平等社会の個人にとっての「多数の暴政」問題 苅谷剛彦  「閉じた共同体的空間」内部における差異、外は奇妙な無関心さ 努力の平等主義⇔結果の平等 日本 「小さな福祉国家」にして「大きな土建国家」、その下の「仕切られた生活保障」 平等意識と時間感覚「いま・この瞬間」 佐藤俊樹 戦後の不平等感の消失 →不平等に敏感 2 ウルリッヒ・ベック「社会的不平等の個人化」 ロベール・カステル「負の個人主義」 社会問題の心理化→公共的課題が個人で処理しなければならなくなり負担を強いられ、その状況が受容される テイラー 「自分自身に忠実」は自由なわけではない 問いの地平→自己定義、探究 社会 ラテン語「ソキエタス・キウィリス」 古代ギリシア語「ポリティケ・コイノニア」 →ポリス的共同体 アダム・スミスらのスコットランド 「civil society 市民社会」 ↑ヘーゲル「欲望の体系」 ピーター・ドラッカー 機能する社会の必要性 ピエール・ブルデュー 文化資本の世代的継承による階級構造の再生産 希望の分配のメカニズム エルンスト・ブロッホ 希望は「まだない」=宗教的希望の変種 【私時代のdemocracyの課題】 答えのない時代を受け入れ、自律・自己反省の契機とすること 自己完結的な安定性でなく、自己批判と自己変革を目指すこと 必要な他者を見出し、ともに議論し続けるための場をつくり続けること

Posted by ブクログ

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