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中国侵略の証言者たち 「認罪」の記録を読む 岩波新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2010/04/20 |
| JAN | 9784004312420 |
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中国侵略の証言者たち
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中国侵略の証言者たち
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商品レビュー
3.5
7件のお客様レビュー
日本と中国は海を挟んで隣国であり、古くから交易や人材交流などで関係性を深めてきた。紀元前後には倭国として中国の後漢書にも日本の存在は記されており、奴国の使者が当時の後漢の洛陽を訪問し、後漢初代皇帝である光武帝から印綬を授かっている。そもそも日本はかつてユーラシア大陸の一部が切り離...
日本と中国は海を挟んで隣国であり、古くから交易や人材交流などで関係性を深めてきた。紀元前後には倭国として中国の後漢書にも日本の存在は記されており、奴国の使者が当時の後漢の洛陽を訪問し、後漢初代皇帝である光武帝から印綬を授かっている。そもそも日本はかつてユーラシア大陸の一部が切り離されたものであるから、今の地図で言えば中国と日本は地続きにあり、アフリカ大陸からはるばるユーラシア大陸を歩いてきた同じ祖先を持つ人々であると言える。少し時代が経つと隋や唐の時代に日本史でも習う遣隋使や遣唐使を送るなど外交も盛んになる。そして平和な外交だけではなく、時には戦火を交える。大陸側から攻め込まれた元寇を嵐が吹いて撃退させた出来事は、その後の太平洋戦争で特別攻撃隊の「神風(カミカゼ)」につながる。元寇以降も隣国から文化や通貨、宗教においても中国大陸からの影響を常に受け続ける日本。そして明治維新を経て先に近代的な産業を発展させ軍事国家となった日本は、とうとう大陸で中国、時の清王朝と朝鮮半島を巡り軍事衝突を起こすのだが、これにより日本は中国を大敗北に導き、遼東半島や台湾を条約により手に入れる。なおこの戦争は日本の海軍力を増強させる事にも繋がり、中国から得た賠償金などで更に日本が軍事化する要因にもなっていく。 本書はその様な経過を辿り、悪化する日中関係が最高潮に達したその結果、日中戦争及び、その後のアジア太平洋戦争に発展していく中で行われた、日本軍による様々な戦争犯罪を記す。そして、それを克明に語ったのは、敗戦により中国政府に確保された戦犯達であり、彼らの懺悔を中心に描かれていく。 中国政府は憎むべき日本の戦犯達に対して、先ずは戦犯自ら自分が犯した罪について記憶を呼び覚まさせて、それを記録していくことから始める。正直に話す事が自分たちの罪を確定させる恐れもある中で、戦犯達は記憶を辿りながら自分たちがしてきた事に後悔の念を抱き始める。中国のこうしたやり方は、今更ながら、現代に続く日本外交で常にマウントを取り続けようとする姿勢に繋がったのではないかと感じる。事あるごとに、「あの頃の日本は酷いことをしたじゃないか」と言い続ける原因はこの時に出来たのではないだろうか。だからこそ、戦犯を極刑で処分せずに、寛大な措置をとりながら全てを告白させる事に重きを置いたのではないかと思う。 確かに歴史上罪を犯したのは日本であり、それについては戦時下とはいえ、民間人の大量殺戮、強盗、強姦など、敵地に於いての日本のそれは徹底的に行われ、大量の戦争被害者を発生させた。中国外交は、したたかであるから、その後発展するまでは日本からODAという形で大量の支援を受け、いざGDPで日本を超えてくると、今度は先の犯罪をちらつかせて、外交を優位に進めようとする。当時の中国政府がそこまで計算していたなら、それは、もう今となっては取り消しの効かない事実として残ってしまっているのである。本書の立場とは異なるかもしれないが、戦犯達の告白を読みながら、現在の両国関係を思い浮かべる度に、その様な中国の「したたかさ」に頭が向いてしまった。 決してそれを伝える様な意図では無いと思うが、戦犯たちの告白から、日本がかつて苦しめた中国の姿を知るには良い内容であるかもしれない。731部隊、従軍慰安婦、生体解剖など数々の人体実験、三光作戦、南京大虐殺などなど、数え上げたらきりがない。かつての日本はその様な国であった事は拭えない事実なのであるから。 裁く側の前での判決前の告白である。帰国後にも書籍に記したものもいる様だが、それが洗脳によるものなのか、罪の意識からなのか、または大袈裟な戦記物を作り上げて経済的な価値を得ようとしたのか。今となってはその大半の人はこの世を去っており、真実はもう誰にもわからない。だが、間違いなくそこに日本の戦争犯罪、暗い歴史が存在している。
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2010年刊行。 問題もないではないが、やはり貴重な書というべきであろう。 本書は、戦犯として中華人民共和国で裁かれた45名の自筆供述書を元に、戦中の日本軍の行動を解説しようとするものである。 経過の如何を問わず、自筆供述書が公開され、それを分析していく作業は歴史検討においては不可欠であり、その点は揺るぎない価値を持つ。そういう意味で一読の価値は高い。 もっとも、①供述書のみで、他の証拠(例えば被害者の調書や人定関係やその他の客観証拠)が開陳されない点は事実確定の基礎を揺るがすこと、②起訴者のみという点。これも問題は残る。 とはいえ、満州国の指導者層とも言える人物の、満州国経済の在り方が提示されていること。あるいは、中国共産党解放区に対する治安粛清作戦(三光作戦)に関する日本軍による指示等、日本側の終戦時の資料焼却で事実確定を困難ならしめたことに比して、当該事実を明らかにしうる史料が出てきた点は評価すべきであろう。 著者ら来歴。 豊田雅幸は立教大学助教(撫順・太原の戦犯者収容所)。 張宏波は明治学院大学准教授(「認罪」過程)。 岡部牧夫(満州国の経済・阿片政策)。 荻野富士夫は小樽商科大学教授(満州国の治安維持・スパイ等弾圧活動)。 笠原十九司は都留文科大学名誉教授(三光作戦概説)。 伊香俊哉は都留文科大学教授(三光作戦関連供述書分析)。 吉田裕は一橋大学大学院教授(日本人のアジア太平洋戦争観)。 高橋哲郎は中国帰還者連絡会元事務局長(戦犯者の戦後の道程)。 仁木ふみ子は「撫順の奇跡を受け継ぐ会(中帰連の後継)」代表兼中帰連平和祈念館館長(あとがき)。
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1956年、45名の日本人が戦犯として裁かれた。これはいわゆる極東軍事裁判ではない。満州からソ連に抑留され、中国側に引き渡された軍人軍属、官僚などと、大日本帝国再興のために上官の命により強制的に残留させられた軍人など。これら1109名の囚人は強制的に思想改造されたり自白を強要され...
1956年、45名の日本人が戦犯として裁かれた。これはいわゆる極東軍事裁判ではない。満州からソ連に抑留され、中国側に引き渡された軍人軍属、官僚などと、大日本帝国再興のために上官の命により強制的に残留させられた軍人など。これら1109名の囚人は強制的に思想改造されたり自白を強要されることなく、「人道政策」に基づいて忍耐強い教育が続けられ、やがて自己の行為の犯罪性に目覚め、自筆調書にまとめた。中国側はその後このうち45人を起訴し、そのほかは釈放。数百人の民間人を殺害、陵辱した戦犯に対しても最高で有期刑20年の刑を宣告されたがすべて刑期を半分以上残して釈放、帰国を許された。帰国した彼らは中帰連という団体を組織し、自らの戦時中の行為について語り続けた。 民間人であろうと子どもであろうと殺害することは、常に寝首を刈られるかと戦々恐々としている関東軍の方針でもあり、末端の軍人にとっては「上官の命令」であったわけだが、強姦はそうした理由付けができず、しかも人道上恥ずべき行為であるが故にそれを自ら語り続けることの心理的な障壁たるや想像を絶するものであるが、自発的に罪の意識に目覚めた彼らは生涯村仕事を続けた。しかし帰国した彼らへの目は決して優しくなかった。「共産主義に洗脳された」との非難に曝されつづけた。 改めて世の中には知らないことがまだまだたくさんあるのだなと気づかされた。 ページをめくる軒が重くなるほど酸鼻を極める記録。河北の抗日根拠地の原有人口9300万余のうち、民間人でもの日本軍に直接殺害された者が287万、拉致連行された者252万、強姦され性病に感染した者62万など、死傷等の被害を受けた者が7人に1人というすさまじさ。ごく一部の地域での犠牲者がドイツ軍によるホロコーストの被害者600万人にも比肩しうるという、いったいわたしたちはどれほどの殺戮を行ってきたのか、背筋が寒くなる。 しかし、この「幸運な」戦犯たちは、自らの行った行為の恐ろしさに気づき、それを振り返るチャンスを与えられた。しかしその何千倍にも及ぶ将兵、軍属、官僚は永遠にそのチャンスを失ったまま死んでいった。日本の「戦後」は明らかにこの人たちによって始められ、それは今も脈々と続く。私たちはいつまでこれに頬被りしていこうとしているんだろうか。 これらに向き合わないばかりか、なかったことにしようと躍起になっている今の世の中。事実は動かしがたいのだと、改めて思うのである。
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