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小布施 まちづくりの奇跡 新潮新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2010/03/20 |
JAN | 9784106103544 |
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小布施 まちづくりの奇跡
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小布施 まちづくりの奇跡
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
川向正人『小布施 まちづくりの奇跡』新潮新書 読了。伝統的な街並み保存ではなく、生活者が調和を保たせながら景観を修正していく「修景」によって行われてきたまちづくりを解説する。些細な工夫や地道な努力の積み重ねこそが魅力の形成に不可欠で、一朝一夕の「まちおこし」的手法では到達できない...
川向正人『小布施 まちづくりの奇跡』新潮新書 読了。伝統的な街並み保存ではなく、生活者が調和を保たせながら景観を修正していく「修景」によって行われてきたまちづくりを解説する。些細な工夫や地道な努力の積み重ねこそが魅力の形成に不可欠で、一朝一夕の「まちおこし」的手法では到達できない。
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小布施を訪れたのは昨年秋。まちづくりの稀有な成功例として取り上げられることが多い小布施町。訪れたときもたくさんの観光客で賑わっていた。 日本人が共有する原風景を喚起するような要素で構成されたまち。そして、とくに感じたのは、まち全体に調和があること。まちと言っても、実際の町の一部...
小布施を訪れたのは昨年秋。まちづくりの稀有な成功例として取り上げられることが多い小布施町。訪れたときもたくさんの観光客で賑わっていた。 日本人が共有する原風景を喚起するような要素で構成されたまち。そして、とくに感じたのは、まち全体に調和があること。まちと言っても、実際の町の一部、整備が進んだ区画だけだけれど、そのまち全体がまるで1つの空間であるかのように、建物だけではなくその間の通り(隙間)も含めて、同じ意思が込められ、作り上げられていることが至るところから滲み出てる。それはわざとらしくなく、押し付けがましくもない。まちの居心地の良さが生み出されてる。 形、形式だけを真似て整備される街並み保存、観光地化を目指したこれまでのまちづくりとは違う意思、方法によって作られたものだからこのまちができた。まちづくりの経緯、取り組み、そして、それを成功に導いた要因。本書ではその中身を詳しく綴っている。 表面的な形式保存ではなく、住民が歴史文化の豊かさを実感できる日常的な生活環境の整備を目指したこと。まちに誇りをもち、大切にする、そんなまちの存在を目指したことがこの成功の土台にある。 住民が望む形をコーディネートし、それを作り上げることができる、土地に密着した建築家(宮本忠長)。同じ意思を共有できる建築家を重用し、周りを説得する気概と見識をもっていたリーダー。行政だけに頼るのではなく、自分たちの力でその道を歩き続けている住民。それぞれが目指すまちづくりを議論し、ゴールを共有し、それを作り上げるための方法を考え、それを実行した。 関わる人間たちの意思、そのバランスが他にない成功へとつながっている。 小布施の事例は、夢を見させてくれる。将来、そしてその可能性。自分に何が出きるのか、もっともっと考えていきたくなった。 宮本は、建築設計にたずさわる者にとって「まちづくり」が大きな課題であることを強調したうえで、その「まちづくり」に取り組む心構えを、次のように語っている。「まちづくりには長い時間がかかり、10年、20年ぐらいのスタンスで考えなくてはならないし、建築家側もそれに取り組む姿勢がなければいけません。もう一つは、地域との関係です。(まちづくりは)どこまでが仕事でどこまでが仕事でないか分からない、そういったルールの世界に融け込むわけですから、自覚がないとできません。犠牲になることろはたくさんあるが、一つの使命感をもち、環境デザインとはこういうものだという自覚をもって、取り組まねばなりません。ただ表面的につくり上げて、まちづくりができた、というものではありません。」
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昨年、小布施若者会議でお世話になった小布施町のまちづくりの歴史を綴った本。あまり予備知識なく訪れてしまったが、泊めていただいた市村良三町長のお宅をはじめ、修景という一大プロジェクトが民間主導で行なわれたことが理解できた。 修景は建物単位で昔ながらの風情を再現する街並み保存と違い...
昨年、小布施若者会議でお世話になった小布施町のまちづくりの歴史を綴った本。あまり予備知識なく訪れてしまったが、泊めていただいた市村良三町長のお宅をはじめ、修景という一大プロジェクトが民間主導で行なわれたことが理解できた。 修景は建物単位で昔ながらの風情を再現する街並み保存と違い、あくまで現代社会の日常の暮らしを守りつつ全体のバランスを調和させる手法。建物単位ではそれぞれの家主や建築家の意図で、結果的には街並みがバラバラになってしまうところ、家の屋根の向きや角度を統一し、建物の位置関係で塀などを無くして生け垣や樹木による滑らかな境界線を描いている。 その結果、修景地区と言われる街の中心部には12000人の人口の100倍の観光客が訪れ、また栗の小径やオープンガーデンといった普通の暮らしの風景が観光資源になるなど、住民参加型でまちづくりを進めている全国でも稀有な地域となっている。 観光需要によって税収が増加して、さらにそれを起業を志す若者たちに再投資することで雇用を創出するといった経済と人材の循環が生まれている。他の地域が真似しようと思っても、小布施町のように合併を拒み自治的に20年もまちづくりを進めてきた地域には決して追いつくことはできないだろう。 まちづくりとは、もちろん経済と人材を抜きにしては語れない。だがそれらの要件を満たすためには、修景のような目に見える事業も必要なのだ。
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