商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ミネルヴァ書房 |
発売年月日 | 2010/02/10 |
JAN | 9784623055722 |
- 書籍
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政党内閣の崩壊と満州事変
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政党内閣の崩壊と満州事変
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小林道彦『政党内閣の崩壊と満州事変』ミネルヴァ書房、読了。政党政治と国際協調体制と国際金本位制といった政治経済、国際システムはなぜ崩壊したのか。本書は第一次大戦後から満州事変に至るまでの政軍関係を分析した一冊。著者は実証的政治過程分析によって鮮やかにその系譜を浮かび上がらせる 陸軍は内部での権力争いがすさまじく、暴走しやすい体質。著者は史料からその襞に分け入る。政党内閣が機能するためには「強力な首相」と「強力な陸相」の組み合わせがベスト。田中義一は、首相になると軍をコントロールできなかった等々。 全体として、「政党内閣がなぜ崩壊したか」という答えにはもう少し踏み込みが欲しかったのは事実。しかし、政治/軍「関係」が別々に議論される所論が多いなか、複雑な相関関係を丁寧に整理していく力量に驚く。 長い序論は、原敬論といってよい。吉野作造との関係でここに注目してしまう。筆者によれば原敬は軍の「漸進主義的制度改革」を粘り強く目指した人物。参謀本部の解体論も横行するが、皇室を担ぎ上げる軍の「軽挙」を退けようと努力する。 盛岡藩出身の原らしくその忍耐力はすさまじい。伏魔殿に入ってまで、人事的協力を取り付け、ことを運んでいく。軍人が統帥権を振りかざすのは危険であり、皇室は「慈善恩賞等の府」であるべきとの論、現在の象徴天皇制を先取りする構想。 http://www.minervashobo.co.jp/book/b56126.html 「田中義一、浜口雄幸、若槻礼次郎、犬養毅……陸軍改革の試み、その意図せざる挫折を描く」。おすすめの一冊です。 以下は、フリートーク? 「何かと云うと人を売国奴呼ばわりする自称愛国者」は昭和初期にもいたようだ(画像は『読売新聞』1929年8月8日付、朝刊、4面)。尚、この文章を書いたのは吉野作造である。 http://photozou.jp/photo/show/2590045/170746439 https://twitter.com/jemappellety/status/308417214770458626 一概にはいえないけれども、民本主義者吉野作造には、原敬批判も少なからぬ存在するし、政論に関しては是々非々であってしかるべきだからだ。しかし、吉野がもっとも嫌ったのは、政治家よりも、民間における極論の流行であったのではあるまいか。原敬がテロルによって暗殺されたのは極めて残念 「原首相の政見に対しては兎角の批評もあつて、僕自身も服し得ざる多くの点を有つて居る。が稀に見る偉才として不時の兇変を愛惜するの情に於ては、僕と雖も人後に落ちるものではない。…只斯くの如き不祥事は絶対に繰り返させたくないものだ」。吉野作造「原首相の兇変に就て当局の一官人に与ふる書」 大正期にもテロルは少なからず存在する。しかし昭和前期と比べれば、少ないし、吉野作造自身、(まさに現在の“行動する保守”以上に「実力行使」をしてはばからない)浪人会と立ち会い演説会をするなど、時代感覚としてテロルに対する温度差はあったと思う。そしてそれが言論の自由と伴走していた。 そういうものが、いわば、民間の露払いが先に先行する。そして後になって政府が、抑圧的になっていくことが「いたしかなし」として許容されていく。……そこに恐ろしさは覚えてしまう。 v 戦後のマルクス主義系歴史学は大正デモクラシーを「あだ花」と嘲笑う。しかしながら、そこには、戦前昭和にはない「言論の自由」が保証され、担保しようと努力した人間は存在した。吉野作造は、常にどのような暴論であったとしても「言論には言論」で向かい合った。手を挙げる前に心に留めたい。 民主主義の水脈としての戦前日本の系譜。このあたりは、武田清子先生にも直接話をきいてみたいところだけど、知己を得ないままなのであった 「天皇制は、私の一貫した研究課題です。15年戦争のころの天皇は神として絶対化され、キリスト教の信仰にとって一番の障害でした」。武田清子「天皇観の相剋」 外国が映す日本の二重性:朝日新聞 http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201204260392.html 昨年のインタビュー。まだお元気です。 「船底の四人」(鶴見俊輔、鶴見和子、都留重人、武田清子)も、もはや二人ですよ。
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[ 内容 ] なぜ陸軍が権力を掌握したのか―田中義一、浜口雄幸、若槻礼次郎、犬養毅…陸軍改革の試み、その意図せざる挫折を描く。 初めて解明される政軍関係の角逐。 [ 目次 ] 政党による陸軍統治 第1部 二大政党制と陸軍統治の動揺(田中政友会と山東出兵;相対的安定と破局への予兆...
[ 内容 ] なぜ陸軍が権力を掌握したのか―田中義一、浜口雄幸、若槻礼次郎、犬養毅…陸軍改革の試み、その意図せざる挫折を描く。 初めて解明される政軍関係の角逐。 [ 目次 ] 政党による陸軍統治 第1部 二大政党制と陸軍統治の動揺(田中政友会と山東出兵;相対的安定と破局への予兆―浜口幸雄と宇垣一成) 第2部 政党政治と陸軍統治―その同時崩壊(政党内閣と満州事変;政党内閣の崩壊) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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