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農協との「30年戦争」 文春新書
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農協との「30年戦争」 文春新書

岡本重明【著】

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農協との「30年戦争」 文春新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2010/01/20
JAN 9784166607372

農協との「30年戦争」

¥770

商品レビュー

3.9

23件のお客様レビュー

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2021/07/31

私が愛知県豊橋市にいて、植物の組織培養の仕事をしていた時に、よく話にきた岡本重明がいた。好奇心が旺盛で、そのうえ変人だと思った。変人とはバイタリティにあふれ、納得するまで追求するという正直者なのだ。そして、久しぶりに連絡をとって、実に30余年ぶりにあった。 30余年前の青年時代の...

私が愛知県豊橋市にいて、植物の組織培養の仕事をしていた時に、よく話にきた岡本重明がいた。好奇心が旺盛で、そのうえ変人だと思った。変人とはバイタリティにあふれ、納得するまで追求するという正直者なのだ。そして、久しぶりに連絡をとって、実に30余年ぶりにあった。 30余年前の青年時代の凄みを相変わらず持っていたが、やはりおジイになっていた。オジイになったねと言ったら、お互い様だという。確かに。相変わらず、声はでかく、毒舌は変わっていない。 「枠をはみ出た農家」というのがあり、岡本重明はまさにそのイメージにぴったりだ。 とにかく正直であることを貫抜く。簡単にいえば、不器用なのだ。 自分の思っていることを貫くことは、他人のためになると信じてやまない。 だから、「農協との30年戦争」という本まで出してしまうのだ。 岡本重明は、愛知県田原市で営農している。現在は、自分の田んぼと代行している田んぼで、合わせて160ヘクタールの稲を作っている。JA愛知みなみは、日本で一番大きい農協である。相手に不足はないのだ。 では、なぜ農協と戦うのか? 著者は、農協とは、数えきれないくらい衝突し、嫌がらせを受け、悔しい思いをしてきた。農業は、危機に瀕している。後継者不足、資材の高騰、農産物の価格の不安定性と下落。そういう中で、農業を復興し、再生しようとするが、農協は「ムラの掟」でがんじがらめにして、補助金に誘導することによって、農協の利益を取ろうとする。自立的な志向を踏みつけて、補助金付けにする。 農協が自立的な農家を助け、それが農業の発展に寄与する組織を目指しておれば、存在意義はある。 経営が悪化した農家に対し、農協は支援するどころか、貸し剥がしにかかる。「農業をやめて、土地をうって借金を返しなさい」と説得する。販路を拡大して経営を立て直す手法を指導する訳でなく、ただ返せと迫られる。農協の組合員になると、資材の購入が買掛ができる。しかし、実は一般の民間の資材屋さんより高い。補助金の窓口は、農協だ。農業機械に補助金が出るが、結局民間より高い。 どうも、自分たちの職員を養うことが最優先なのだ。田舎だから、摩擦を起こしたくないので、いやいや農協に属さざるを得ないのだ。農家の作った農産物の販売も農協を通して行う。がんじがらめにされているのだ。農協を脱会することは、和を乱す人であり、変人と言われ、勇気がいるのだ。村の掟があり、村八分の状況になる。子供達にもそれが及ぶ。 農業を始めた時には、キクを作り、その後イチゴを作った。2000坪ほどイチゴを作っていた。田原農協で変人と言われていた。それは、農業生産法人新鮮組を設立後、稲作規模拡大のために、トラクター、田植え機、乾燥機、籾摺り機など、2年間で2000万円ほど設備投資をした。購入してからドイツ製のトラクターの動きがおかしくなった。オイル交換する際にトラブルがあった。田原農協にそのことを言ったら、なんら対応しない状態が続き、同じようにドイツ製トラクターを扱っている渥美農協で修繕した。そこから、関係が悪くなっていた。田原農協の担当者は話し合いにも応じない状況だった。一方で、渥美農協からは、稲作の代行を頼まれて、稲作の規模を拡大して行った。農協が合併して、田原農協の出身者が組合長になることで、結果として稲作の代行が減った。当時の農協役員は「稲刈りは誰でもできるから、岡本に食べさす必要はない」と言い放った。しかし、農協ではうまくできず、クレームが多くなり、結局 稲作代行をすることになった。 農協なんていらない。補助金なんていらない。農家を潰す農協とは徹底して闘う。 消費者と市場を意識して、消費者の求めるものを作り、販売力をつけることによって、経営力をつけて、農家として自立した道を「新鮮組」として、取り組んでいくのだ。 私は、この本を読みながら、「常在戦場」という言葉を思い出した。農業をするというのは、自然条件、土地の環境条件、そしてその周りの人たち、の中で、自分として信じていることを実現するのは闘う必要がある。そのことが、強い想いからきているのだ。現在稲作は160ヘクタールを営農し、多くの人から委託を受けている。そして、田原市の市会議員にもなっている。変人と言われながらも、人望があることを感じさせる。新鮮組。農民であっても、義のためにたたかうサムライなのだ。

Posted by ブクログ

2021/01/05

※賛否ありな意見。多くの人は野菜作りや酪農で手一杯で販路まで拡大できないはず。。 ●農協部会は談合組織。生産量が少ない農家は独自販路は難しい。全て買い取り一定の品質で出荷が農協。資材の共同購入も。 ●経済連と農協の中抜き。高い輸送コスト、つぶれないのにコミッション、ブランド段ボ...

※賛否ありな意見。多くの人は野菜作りや酪農で手一杯で販路まで拡大できないはず。。 ●農協部会は談合組織。生産量が少ない農家は独自販路は難しい。全て買い取り一定の品質で出荷が農協。資材の共同購入も。 ●経済連と農協の中抜き。高い輸送コスト、つぶれないのにコミッション、ブランド段ボール ●ふるさと弁当構想、米一俵(60kg)1万円だが、おにぎり1400個分だと、14万円。この付加価値を取り戻す。

Posted by ブクログ

2017/08/13

地元、愛知県の農家が書かれたものだったので手に取ってみたが、予想以上に具体的な話が書かれていて勉強になった。組合長が経済連等の連合会の役員を兼ねるのは利益相反になることなど、これだけコンプライアンスが喧しくなった社会で未だに問題とされないのはどうしてなのだろうか?

Posted by ブクログ

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