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へヴン(文庫版) 白泉社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 白泉社 |
発売年月日 | 2010/01/15 |
JAN | 9784592887980 |
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へヴン(文庫版)
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へヴン(文庫版)
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商品レビュー
4.3
12件のお客様レビュー
絵が上手だったらいいなと思う
結構有名な漫画家さんらしいです。しかも長いそうで。お話もかなりおもしろいです。ただ、絵のバランスがすさまじいです。時々すごく上手な絵があったかと思ったら、パースが・・・それがいい人にはいいでしょうが・・・
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「君の相手は後ろから追いかけてくるテロリストじゃない。戦うのは運命とだよ。転んでもあきらめるな。あきらめるな。」 「人間は人間を殺さない何千年もかかって俺達が学んだ事だろう。」 もう無茶な事しないで って言ったベッキーの顔を思い浮かべて死ぬデイビーがもう言葉にできない。ベッキーとデイビーの自然に相手を思いやる関係がすごく良かった。というよりベッキーもデイビーも人生を受け入れながらしっかり生きてるという感じがとても良かった。デイビーの誰にも聞こえないような他人の叫びを聞いて自然に目の前に行って相手が話すの聞いて言葉かけるってとこがもうすごいなとひれ伏したいかんじ。一面だけで判断できないのがこの漫画のときめくところだなあ、と思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夏の課題図書に漫画が入らないのは、『文章を読み取る能力』の向上にすべてを一目であらわしてしまう漫画が適しないからという理由なら、遠藤作品は確かに適しない。 少々デッサンがアレだったりするのに、一目でその世界の空気や風、空の色を見せてくれる力のある話と絵をかくからだ。 欧州にある架空の小国の柔らかい緑色の山すそや、広大なアメリカのとうもろこし畑、日本の田舎のペンションなど、下手だ下手と言われているが読者に理解させているということはそれだけ説得力のある画力を持っていることに他ならない。 登場人物のやわらかいほほえみや、凍りついた目は読者にしっかりと何が起こっているかを伝えてくれる。 特にこのヘヴンは素晴らしい。 同じ顔をした登場人物なのに、ひとりは「天使」、もう一人は「人形」。表情で別人にかき分けている。 荒廃した世界の空気、それでも美しい空を白黒の画面で作者はきちんと表現している。 まるで壮大な映画を見ているようだ。 そういうわけで、読み取る力の訓練というならば、このヘヴンは失格だ。 けれど、この読み取った内容について考えるために感想文を書くという勉強ならこのヘヴンは少年少女に読まれるべき物語である。 暴力のあふれる近未来、難病の姉を抱え、理不尽なセクハラのせいで軍をクビになったマットがアンドロイドと出会うことから物語が始まる。 遠藤主人公女子キャラは騒動を起こし、それを苦労人の相方男性キャラがフォローするというのが様式美なのだが、マットはむしろ男性キャラポジションで、基本冷静。 そのせいもあって、シリアス度は高い。 シリアルキラー、マインドコントロール、ホムンクルス、裏切り、戦闘、どうしようもないこの世界、未来と設定しながら今の現代の世相と同じ問題を扱っている。 登場人物の一人が、この空を見られて充分だって気持ちをどうして忘れてしまうんだろう、という言葉はそのまま現代人につきつけられている。 その世界の業をすべて負わされたようなサクリファイスのアイコンである、マットの姉ホリーの「それでも世界はすばらしいわ」に救われる。 この第一部を踏まえて、単行本では二巻に収録されていた『彼』が何故生まれたのか?という物語。 旧世界(アメリカだったと思う)のとある大学に在籍している孤独な青年が、天使のような少年と友情を育み、そして起こる事件。 1巻も映画のようだったが、2巻は圧巻だった。 貧困層に生まれ、その頭脳だけでそこから抜け出そうとあがきながら、逃げ切れないと苦悩していた青年ジョナサンが、友情を手に入れて夢と希望に向かって進む明るい青春譚が、『そして悲劇が始まった』というモノローグから一気に惨劇に突き進んでいくストーリー展開。 少年デイビーが1巻のロボットのモデルであることは、登場したときにわかるのだが、他にも1巻で出てきた名前がちらほら出てきてリンクされていく。 読み終わると、1巻でルークがマットに自分を作った博士の遺言を果たすシーンは、これだけの想いが込められていたのかと涙が止まらなくなる。 ラストシーンでデイビーが愛した彼女の血縁者であるマットと、デイビーと同じ顔をしたルークが巡り合い、ジョナサンの遺志を継いだルークが彼女を主として登録する。 悲劇の最後に希望のシーン。 物語の輪がきれいに閉じる。 STARWARSのEP3を思い出す。 主人公アナキンが暗黒面に落ち、未来に彼を救う希望の双子の一人が始まりの場所に降り立つあのシーン。 絵が好みではないと敬遠している方、ぜひ、読んでみてください。 逆に言えば一般受けのしない絵で、いまだに生き残り、一部の編集者が会社を超えて「エンコミフェア」というキャンペーンをやっちゃうくらい支持を受けている人の傑作です。
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