商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2009/12/25 |
JAN | 9784122052413 |
- 書籍
- 文庫
大作曲家たちの履歴書(下)
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大作曲家たちの履歴書(下)
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商品レビュー
3.5
7件のお客様レビュー
1997年刊。 西洋近代音楽の様々な「大」作曲家たちの伝記的事実を知りたくて買ってみたのだが、当てが外れた。伝記的な部分はほんの少し記載されているだけだし、話が前後していたりする。むしろ「大」作曲家たちについての雑学集のようなもので、情報は断片的、知っていれば話の種にはなると...
1997年刊。 西洋近代音楽の様々な「大」作曲家たちの伝記的事実を知りたくて買ってみたのだが、当てが外れた。伝記的な部分はほんの少し記載されているだけだし、話が前後していたりする。むしろ「大」作曲家たちについての雑学集のようなもので、情報は断片的、知っていれば話の種にはなるという程度の書物だった。羅列された情報を読んでいくだけで、文章としてつながりがないので、通読する気になれず、時間をおいてときどき拾い読みするくらいにしてしまった。 それでも、ヴェルディやプッチーニなど、これまでさして関心がなくよく知らなかった作曲家については多少の知識を得ることができた。 しかし、本書に記載されたことがどこまで事実なのかは留保したい。というのは、明らかにミスリードではないかという部分もあったし、憶測による「ほんの一つの仮説」程度にしか言えないだろうことを断定的な調子で書いていたりもして、「おやおや」という感じがした。 シェーンベルクとストラヴィンスキーの項目については、偏見が多くよく理解できていないなあと思ったし、その辺りでしきりに「20世紀の無調系音楽は過ちだった」といった著者の思惑がくどいほど繰り返されているが、私には同意しがたく、読んでいてじれったくなった。 作曲家の家系図とか女性遍歴とかについてはよく調べたなあとは思うけれども。
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取り上げられている作曲家はヴェルディ、ブラームス、チャイコフスキー、フォーレ、プッチーニ、マーラー、ドビュッシー、リヒャルト・シュトラウス、シェーンベルク、ストラヴィンスキー。 本書で特に興味深かったのはヴェルディとストラヴィンスキー。ヴェルディは音楽的な才能ではワーグナーやプ...
取り上げられている作曲家はヴェルディ、ブラームス、チャイコフスキー、フォーレ、プッチーニ、マーラー、ドビュッシー、リヒャルト・シュトラウス、シェーンベルク、ストラヴィンスキー。 本書で特に興味深かったのはヴェルディとストラヴィンスキー。ヴェルディは音楽的な才能ではワーグナーやプッチーニよりも劣り、外国語のみならず母国語の文法でさえも間違うような、無教養な人物だったという。そういう人物が「アイーダ」や「椿姫」のような傑作オペラ、さらには名曲「レクイエム」を残しているのだから面白い。 ストラヴィンスキーはココ・シャネルやピカソなど、交友関係が興味深かった。 上巻も通じて、ラヴェル、ドヴォルザーク、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチなど、取り上げてもいい作曲家はまだ多い。続編が待たれる。
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下巻では、ヴェルディ、ブラームス、チャイコフスキー、フォーレ、プッチーニ、マーラー、ドビュッシー、R.シュトラウス、シェーンベルク、ストラヴィンスキーが取り上げられる。 「人種」とセクシュアリティに関する、筆者の意識の古さについてはもう言わないこととする。 (チャイコフスキーにつ...
下巻では、ヴェルディ、ブラームス、チャイコフスキー、フォーレ、プッチーニ、マーラー、ドビュッシー、R.シュトラウス、シェーンベルク、ストラヴィンスキーが取り上げられる。 「人種」とセクシュアリティに関する、筆者の意識の古さについてはもう言わないこととする。 (チャイコフスキーについての記述など、率直に言うとかなり不快。) でも、上巻よりはるかに読みやすかったのは、なぜだろう? ここまで現代に近づいてくると、三枝さん自身の立ち位置も照射される。 なぜ日本人が、西洋近代の音楽の影響下に作曲するのかという捉え返しの中で叙述されているからかもしれない。 ヴェルディなど、名前や作品の一部は知っていても、その生涯については全く知らなかった作曲家については、興味深く読んだ。 貧しい家庭に生まれ、名誉に一切関心を持たず、頑ななまでに土地を所有することに執着し、農作業を好んだヴェルディ。 作品とその人とは別とはいうものの、やはり聞き方が変わってしまうかも。 万事控えめなフォーレ、伊達男プッチーニ、シュトラウスとシェーンベルクが二人とも「守銭奴」だったとは。 殊にシュトラウスの息子が、「サロメ」のリハーサルから帰った父に、「今回はいくら儲かりましたか?」と尋ねたら、シュトラウスは息子を抱きしめ「お前も私の本当の息子になった」と喜んだというエピソード。 本当かなあ、とも思うけれど、思わず笑ってしまう。 そう言えば、子どもの頃、ジュニア向けの作曲家の伝記を読んだ。 音楽之友社からでたもの。 その時、ドビュッシーも確かに読んだはずなんだけれど、なんの記憶も残っていない。 本書では、作品は別として、その人柄を自分のことしか考えることのない悪人、と完膚なきまでの評価。 なるほど、それでは子ども向きの伝記にするにも、かなり苦労するはず。 もう一度その伝記を読んでみたくなった。
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