商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2009/12/17 |
JAN | 9784094511772 |
- 書籍
- 文庫
とある飛空士への恋歌(3)
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とある飛空士への恋歌(3)
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商品レビュー
4.2
32件のお客様レビュー
遂に始まった戦争が皮肉にも本シリーズの真の姿を浮き彫りにする
当初は漠然と「これは『追憶』より何年か後の物語なんだろうなぁ」と思っていたが本巻でそれがはっきりした。ようやく、とうとう“あの2人”が出てきたのである。すぐにそれとは分からないくらいの間接的な登場だが、双方がそれぞれの立場でさり気なくも絶妙な存在感を示しており、そうと分かった時に...
当初は漠然と「これは『追憶』より何年か後の物語なんだろうなぁ」と思っていたが本巻でそれがはっきりした。ようやく、とうとう“あの2人”が出てきたのである。すぐにそれとは分からないくらいの間接的な登場だが、双方がそれぞれの立場でさり気なくも絶妙な存在感を示しており、そうと分かった時には不覚にも少し震えた。 前巻から続く学園編な前半では、聖泉への到達と迫り来る戦いへの不安を秘めつつ生徒達の決意と覚悟が漠然と描かれる。しかし、ここで特筆すべきは今回も登場のアリーメン。そんなに凄いのかアリーメン!という怒濤の賛美が食した人々の桃源郷的反応で綴られており、本編とは無関係ながら圧巻の可笑しさである。 いよいよ『空の一族』と開戦する後半は、戦争の過酷さをシリアスながらも淡々と記していく筆致が圧倒的で、犬村ワールド全開の素晴らしさが読み手に迫ってくる。セリフの減った頁にびっしり書かれた濃密な描写。戦争だから避けて通れない場面が幾度も出て来るが、純粋にイスラを守ろうとする仲間達のあまりにピュアで真摯な勇気が眩しい。身近な存在には生きていて欲しいがために無私となる、無私になれる戦争のミクロな側面が、特にその愚直に勇敢な行動を目撃する立場の視点で客観的かつアツく描かれることで大きな感動を落涙とともにもたらしている。そしてカルエル&アリエルのピンチに際して悠然華麗に登場する『海猫さん』。これがかの脱出劇の作戦名に由来しているであろうと気付いた時の衝撃、さらには本巻最後に出てきた手紙の宛名が誰なのか気付いた時の衝撃が加わって読み手のボルテージは最高潮となろう。お見事と申し上げる他ない。この2人それぞれの後日談が絡んでくるならば、これ以上の望みがあろうかという期待が高まるのである。第2巻辺りで挫折した諸兄に申し訳ないほどの素晴らしさを予見させる展開になりそうである。
DSK
非常に惜しい。 シリアスな所だけ描いていると文句の付けようがないのに。 前巻までのツケなのか、前半はグダグダ。対照的に後半は秀逸な出来映え。 とある人物がもうちょいまともだったら後半だけで星四つなのに。 ラストからは絶対に読まないこと。
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ネタバレ 暗雲立ち込めていた戦乱の兆しが現実化。絶対的物量に劣り、地の利のないイスラ側は、飛空士養成学校の学生までも動員して戦いに臨まなければならない。感傷過剰気味の心象描写に対して、冷徹(冷酷とも)な筆致で戦争で死にゆく少年たちを暴き出す。精一杯努力し、また、仲間を思う気持ちは人一倍であるにも関わらず、また、人間的に優れた少年でも、心の弱さを克服した少年であろうとも、物量・技量・機体性能の何れもが劣る学生機群は、情け容赦なく、そして無為に撃墜されていく。それを目のあたりにしつつ、己の死の恐怖にカルエルは直面する。 友の死、あるいは友人未満の戦友の死を通じ、表面上に見えていること以外の事柄に目が向けられるようになったカルエルは、心の傷を負いながらも、他者の有りように心を配れるようなるのだ。余りにも多大な犠牲と悲哀をみちづれにして…。PS.ファナ・レヴァームとは彼女だよね。そして、海猫とは、彼だよね…。
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