豊かなことば 現代日本の詩(4) 黒田三郎詩集 支度

黒田三郎【著】, 伊藤英治【編】

• 販売会社／発売会社: 岩崎書店
• 発売年月日: 2009/11/28
• JAN: 9784265040643

商品レビュー

2024/06/10

セクシーボイスアンドロボというドラマの中で三日坊主という殺し屋が暗唱していた詩が黒田三郎の「ただ過ぎ去るために」の一部だった。ある日常の語りかけなのだけれど生きていく苦しさを重く、でも生きるってそういうことだよねという軽い諦めも含んで、人間の感情の機微を的確にうたった心に残る詩だったので詩集を購入。ただ残念ながらこの詩集にこの詩が載っていなかった。でも小さい子向けの絵本のようなとてもかわいらしい装丁の本なので買って良かった。

「支度」という詩は教科書に載っていて読んだこともあった。これが黒田三郎の詩だったのかと新たな発見。優しく清々しく新しい門出を迎える人の背をそっと押すような、素敵な詩。その他、娘のユリちゃんとの微笑ましいやり取りの詩や、戦争の無常さをうたった詩、日常の疲れの中にかすかな希望や喜びの見える詩など色々な詩が載っている。

詩は声に出して読むととても良い。他にも詩の本を持っているけれど、たまに思い出した時に声に出して読む。短めの文章に色々な何かがつまっていて物語を読むよりも色々見えない部分を考えさせてくれる。心の体操にも頭の体操にもなる。しばらくはこの本を音読して過ごそうとわくわくした気持ちになった。

2010/06/25

［　内容　］

［　目次　］
１　紙風船（紙風船；海　ほか）
２　あなたも単に（きみちゃん；捨て猫　ほか）
３　自由（自由；月給取り奴　ほか）
４　ああ（砂上；ああ　ほか）
５　たかが詩人（傍観者の出発；友よ　ほか）

［　ＰＯＰ　］

［　おすすめ度　］

☆☆☆☆☆☆☆　おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆　文章
☆☆☆☆☆☆☆　ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆　メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆　冒険性
☆☆☆☆☆☆☆　読後の個人的な満足度
共感度（空振り三振・一部・参った！）
読書の速度（時間がかかった・普通・一気に読んだ）

［　関連図書　］

［　参考となる書評　］