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東京骨灰紀行
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東京骨灰紀行

小沢信男【著】

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東京骨灰紀行

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2009/09/12
JAN 9784480857927

東京骨灰紀行

¥2,420

商品レビュー

4.1

9件のお客様レビュー

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2019/11/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

読み出しの最初は「江戸っ子気取りのジジイが東京の墓や史跡めぐって、お江戸自慢するエッセイか」と思って、なんだか乗れずに読み流していたんだけど…。 全くの認識違い、江戸から東京を襲った、天災人災の数々を墓地と史跡から振り返るフィールドワークの記録なのである。語り口が軽妙洒脱で学術の臭いが薄いから、ついついエッセイのように読んでしまうが、油断していると鋭い切り口に「え?」と読み直すことになる。 「諸君は興業をなしたまえ、私は忠義をするさ」の吉田松陰が戦中、滅私奉公の手本となってしまう様の記述、後藤新平の帝都改造計画を昭和天皇が振り返るあたりの記述など、鋭いだけでない辛辣さが所々にひょいと顔を出す。その都度ページ繰る手が止まり、ちょっとした思案タイムが生じる。それが良い。 江戸明暦の大火、安政の地震、上野の彰義隊(江戸城無血開城は愚かな人間による数少ないマシな行為なのかも)東京になってからの、関東大震災に東京大空襲。 実はこれら、単発の事故事件ではなく、連綿とつながる歴史なのだということ。そして天災で無力に死んでいく数万の命、再発防止に取り組んでもさらなる悲劇が見舞い、さらに多くの散っていく無力な人間の命。 何よりもむなしさを覚えるのが、それまでの天災事変を合わせたよりはるかに多くの命を奪っていったのが戦争(東京大空襲)であったこと。当時の日本人はなぜあんな道を選んでしまったのか?亡くなった一つ一つの命の口惜しさを感じるとともに、政治家指導者と言われる連中の怪しさアホさに、情けなくなる。 そのアホさは過去のものではなく。令和の世も連綿と続いている。 その一例が、来年のオリンピックである。マラソン競歩が札幌で開催されるのは、気候のせいだけではない。スポーツのすがすがしさとはほど遠い、政治と利権がほの暗いジメジメとした一面なのだから。作者はあのオリンピックをどう見てるのだろうか?

Posted by ブクログ

2018/11/05

こういう歴史もありか。地層のように過去の人たちが地表に顔を出しているのですね。読んだ後に新宿に行くことがあったので、成覚寺(子供合埋碑)をお参りしてきました。

Posted by ブクログ

2016/07/28

[そこは、黄泉の大都会]高層ビルが林立し、人々が忙しく行き交う東京。そんな現代的な都市の薄皮を、ぺらっとめくってみれば現れる数多の骨灰を巡りに、霊園や牢屋敷跡をぶらぶらと尋ねる一風変わった東京案内です。著者は、詩作などの多彩な文筆活動で知られる小沢信男。 今まで見たことがない...

[そこは、黄泉の大都会]高層ビルが林立し、人々が忙しく行き交う東京。そんな現代的な都市の薄皮を、ぺらっとめくってみれば現れる数多の骨灰を巡りに、霊園や牢屋敷跡をぶらぶらと尋ねる一風変わった東京案内です。著者は、詩作などの多彩な文筆活動で知られる小沢信男。 今まで見たことがない東京の顔を知ることができる一冊。無機質に、それでいて活気溢れて見える街が、こんなにも死(本作の中ではあくまで柔らかいものとして捉えられているのですが)と隣り合わせになっているとは思いもしませんでした。それでいて本書から漂ってくるからっとした雰囲気はいったいなんだろう......。 〜都会という不自然な形態は、いかに不自然な死者たちを絶えず生じさせることか。その無量の屍たちのうえにこそ、おかげさまで、多様な町暮らしの喜怒哀歓が、営々とくりひろげてこられたのだなぁ。そのこしかたを忘れはてた集団に、崩壊以外の、どんな未来がありえようか。〜 また東京に帰れる日が楽しみだなぁ☆5つ

Posted by ブクログ

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