商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 金曜日 |
発売年月日 | 2009/08/15 |
JAN | 9784906605576 |
- 書籍
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死刑のある国ニッポン
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死刑のある国ニッポン
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ディベートとしては全く成立していない。 死刑廃止派である森氏は、対談中、「死刑は、誰のためにある、どのような意義がある制度なのか」と二度質問しているが、存置派である藤井氏は二度ともこの質問に回答できていない。 森氏の死刑廃止論の根幹は、「死刑に続けるべき理由がないのであれば、やめ...
ディベートとしては全く成立していない。 死刑廃止派である森氏は、対談中、「死刑は、誰のためにある、どのような意義がある制度なのか」と二度質問しているが、存置派である藤井氏は二度ともこの質問に回答できていない。 森氏の死刑廃止論の根幹は、「死刑に続けるべき理由がないのであれば、やめた方がいい」というところなので、ここに反駁できない時点で、最早お互いの論の根幹についての議論はできないということになる。 藤井氏は「被害者遺族の心情のため」というニュアンスのことを述べているけど、被害者遺族の心情が1枚岩でないのは、被害者遺族の取材を長年続けてきた藤井氏も断言するところ。 これに対して森氏は、「死刑制度は被害者遺族の感情に配慮していると考えられるが、その感情が一枚岩ではなく、死刑への立場は曖昧であることがわかったのであれば、藤井さんが取るべき立場は死刑存置ではなく、死刑の(一時)停止ではないか」と問われている。 死刑の意義がわからない・怪しいのであれば、(暫定的にでも)取るべき立場は「停止」「廃止」または「保留」であるべきで、「とりあえず存続」というのは飛躍しすぎでしょう、ということ。 これは完全に藤井氏の主張を論破している。この反論として、「死刑は被害者遺族のためだけにあるわけではない」みたいなことをゴニョゴニョ言っているが、じゃあそれについて対談中ちゃんと話し合ってよ、と思う。 私は森氏と同様に、「死刑をする合理的な理由があるなら、世界中に反対されてもやり続けるべきだと思うが、その理由が全く思いつかない」という意見なのだが、この立場で読むと、何とも得るところのない本だった。400ページもあるのに、これだけ?という感じ。 結局、冤罪だの被害者遺族支援のあり方だの、死刑の有無に直接関係のないところばかり盛り上がっているのだが、藤井氏の方が死刑の意義をちゃんと説明できていないので、間接的なところしか話せないのだと思う。 そして、間接的なところでは、お二人の意見は別に対立していない・・・。
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死刑に犯罪抑止効果がないことを前提に、情緒のレベルで死刑存置派の藤井と死刑廃止派の森が語り合う。「殺人犯の命を国家が保障するのは倫理的に耐え難い」とする藤井に対して、森は「『処刑しない』ことと『保障する』ことは違う」と反論する。国家が「生かす」ことを問題視する存置派と国家が「殺す...
死刑に犯罪抑止効果がないことを前提に、情緒のレベルで死刑存置派の藤井と死刑廃止派の森が語り合う。「殺人犯の命を国家が保障するのは倫理的に耐え難い」とする藤井に対して、森は「『処刑しない』ことと『保障する』ことは違う」と反論する。国家が「生かす」ことを問題視する存置派と国家が「殺す」ことを問題視する廃止派という対立点を見定められただけでも読んだ価値があったと思う。
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真面目な二人が死刑制度の是非について真面目に議論した本。ノルウェーの例は衝撃的。教育現場にいると、確かに「この子は悪いことをしたけど、この行為をするまでのバックグラウンドは愛情不足だからなあ」ってことがよくある、というかほとんど。しかし、それを制度化し国民が納得しているのはすごい...
真面目な二人が死刑制度の是非について真面目に議論した本。ノルウェーの例は衝撃的。教育現場にいると、確かに「この子は悪いことをしたけど、この行為をするまでのバックグラウンドは愛情不足だからなあ」ってことがよくある、というかほとんど。しかし、それを制度化し国民が納得しているのはすごい。もっと調べてみたくなった。
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