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図書館の神様 ちくま文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | 吉川英治文学新人賞を受賞した「幸福な食卓」の瀬尾まいこの描く鮮やかな青春小説。清(きよ)は、赴任した高校で思いがけず文芸部顧問になってしまう。そこでの出会いが、清のその後の人生を変えてゆく。 |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2009/07/10 |
| JAN | 9784480426260 |
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図書館の神様
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商品レビュー
3.8
486件のお客様レビュー
オススメ作品
とある事件をきっかけに人生の方向転換をし、不本意ながら国語の講師をする主人公。やる気なく文芸部の顧問になり、唯一の部員とぽつぽつ会話しながら、彼女が見つけたものとは?暖かな痛みが気持ちいい。
あべ
有名な小説というイメージはあったけど、なんとなく読まずにおいてた作品。いざ手に取ってみると、すいすいと引き込まれるように読むことができた。特別にすごい事件が起こるわけでもないけど、なぜか面白く感じた。
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主人公は20歳代の独身女性で名前は清(きよ)。21世紀の世の中に、こんな古めかしくて堅苦しい名前は私だけだろうという嘆きから小説は始まります。しかしこの名前は、母親が8年間飼っていたキヨという名の雑種犬が、主人公が生まれる3日前に、家から少し離れた大通りで車に轢かれ、最後の力を振...
主人公は20歳代の独身女性で名前は清(きよ)。21世紀の世の中に、こんな古めかしくて堅苦しい名前は私だけだろうという嘆きから小説は始まります。しかしこの名前は、母親が8年間飼っていたキヨという名の雑種犬が、主人公が生まれる3日前に、家から少し離れた大通りで車に轢かれ、最後の力を振り絞り血を流しながら飼い主の元へ戻って来て玄関先で息絶えたという出来事があって、母親は「この子の命と引き換えにキヨは死んだんだわ。キヨのおかげでこの子が無事に産まれたのよ。」と信じ、それで名前を引き継いだとのこと。しかし、さらに遡って母方の祖母の名前も喜代で、その祖母が亡くなった葬式の日に我が家に迷い込んで来た雑種犬(先程の交通事故で亡くなった雑種犬)が、祖母の名前を引き継いでキヨと名付けられたので、主人公の清は3代目となる由緒ある名前だそうで、1ページ目から笑わせてくれます。 主人公の清は名前の通り、清く正しく真っ直ぐな性格で、バレーボールに青春を捧げて来たのでしたが、あることをきっかけに精神的に傷ついてしまい、バレーボールをやめてしまいます。しかしバレーボールへの思いは捨てきれず、今度は指導者として再びバレーボールに関わろうと思いバレーボール部の顧問になることを目的に、教員免許を取り高校の講師になりますが、赴任した高校ではバレーボール部ではなく、これまでの人生と全く接点のない文芸部の顧問を任されてしまいます。 これまで文学なんて全く関わってこなかったこともあり、無気力な状態で文芸部の活動場所である図書室を訪れたところ、部員は3年生の男子生徒1人で(1人しかいないので部長)、しかし文学好きの彼との出会いをきっかけに、バレーボールをやめて以来の主人公の傷ついていた心は、次第に癒やされ回復していく様子を描いた物語でした。 ただ、自殺や不倫なども物語の中に出てきてハードな場面もありますが、それらの問題をあえて深掘りすることなく無難に描かれているので、「図書館の神様」というタイトルのイメージがブレることなく、高校の部活を舞台とした青春小説のテイストも適度に織り込まれた、爽やかな読後感を感じられる作品として仕上げられている気がします。 物語の終盤、唯一の文芸部員の男子高校生が、卒業式前の主張大会で、用意していた川端康成や山本周五郎についての研究発表を突然取りやめ、その代わりに次のような発表をします。 「文学なんてみんなが好き勝手にやればいい。だけど、すごい面白いんだ。それは言っておきたい。だから、僕は3年間、ずっと夢中だった。毎日、図書室で僕はずっとどきどきしてた」 「文学を通せば、何年も前に生きていた人と同じものを見れるんだ。見ず知らずの女の人に恋することだってできる。自分の中のものを切り出してくることだってできる。とにかくそこにいながらにして、たいていのことができてしまう。のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、どこでもドアで世界を回る。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをする」 読書(小説)好きには、「全く同感!」と叫びたくなります。そういえば、あのマイケル・ジャクソンも 「僕は読書が大好きだ。もっと多くの人に本を読むようにアドレスしたい。本の中には全く新しい世界が広がっているんだよ。旅行に行く余裕がなくても、本を読めば心の中で旅することが出来るんだ」 と言っていたと何かの本で読んだことがあります。 そしてもうひとり、主人公の弟も人生の名言を残します。 「結局は水清ければ魚棲まずだよ」 「きっぱりさっぱりするのは楽じゃん。そうしてれば正しいって思えるし、実際間違いを起こさない。だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね」 これを聞いて、この時点で姉は意味が分からずにいましたが、小説の最後の場面で或る手紙を受け取って、この言葉の意味を理解します。 主人公は、不本意ながらも文芸部の顧問となったことで、文学好きな生徒と出会い、文学に触れて、自分自身と向き合う機会を得て、新しい世界を感じ、新しい世界を知って、新しい生活に踏み出すところで終わりますが、これまでよりも穏やかな精神状態で、きっと充実した生活を送るに違いないと思いました。まさに図書館(図書室)の神様のおかげ。
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