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新訳 大転換 市場社会の形成と崩壊
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新訳 大転換 市場社会の形成と崩壊

カールポラニー【著】, 野口建彦, 栖原学【訳】

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新訳 大転換 市場社会の形成と崩壊

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東洋経済新報社
発売年月日 2009/07/02
JAN 9784492371077

新訳 大転換

¥5,280

商品レビュー

4.6

21件のお客様レビュー

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2026/01/08
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「大転換 市場社会の形成と崩壊」カール・ポラニー この本を読んで強い衝撃を受けるとともに、「あぁ、そういうことだったんだ」と私が生きているこの社会についてもう一歩踏み込んで理解できたように感じています。 この衝撃を例えるならばこうです。 わたしは子供のころ、「ビートルズは普通、代り映えしない」、「ストーンズはクセが強くて、カッコいい」と感じていました。 ところがその後、音楽を聴き続けた結果、その構図はまったく正反対であることに気づきます。 むしろ、ストーンズはR&Bの流れを汲んだ保守派、ビートルズこそがその後の音楽シーンをがらりと変えてしまうほどの革新派だったのだと理解したときの衝撃です。 当たり前だと思っていた「市場経済」こそが実は人工的な発明であり、その後の人間社会をがらりと変えたということがこの本に書かれています。 ポラニーの分析によれば、19世紀に採用された「市場経済」というシステムが社会に大きな衝撃をもたらし、それに対する社会の自己防衛反応が20世紀の破局(ファシズム、世界大戦)をもたらしたということです。 内容について詳しく書くのは私には荷が重いため、強く印象に残ったキーワードをふたつご紹介します。 【悪魔の挽き臼】  市場ルール(経済)に社会を適合させようとして人間関係や規範を引き裂き、個人を分断するメカニズムのこと。  本来、経済は人間社会の仕組みの下に位置付けられていましたがこの順位が逆転、共通の市場経済のルールのもとで人間社会はその下層に位置付けられました。 【擬制商品】  「労働(人間)」、「土地(自然)」、「貨幣」のこと。  これらを商品のように取り扱うことで社会と環境が破壊されることにポラニーは警鐘を鳴らしました。 これらふたつのキーワードは特に強く心に残りました。 この本を読んで理解したのは、市場経済により解体されそうになった社会を守るための反作用のひとつとして、社会主義が位置づけられるということです。 これは私にとっては天地が逆転したような衝撃です。 「社会主義」といえば、「全体主義」、「中央計画経済」、「権威主義」という負のイメージが付きまといますが、ポラニーの言う社会主義とは単に社会を守ろうとする動きのことです。 一部の極端なイメージを持って、この考え方そのものを切って捨てるのは行き過ぎだと思います。 わたしの意見ですが、「社会主義」と対置されるのは「資本主義」や「自由主義」ではなく、あくまで「個人主義」。 こう考えれば、どちらをとるかという二者択一の問題ではあり得ません。 うまいこと国家を運営していくにはちょうどよい塩梅で両者を取り込んでいく必要があります。 そもそも、「主義」という言葉を使って、個人と社会の二元論に持ち込むこと自体がナンセンスなのだろうというのが本書を読んで得られた気づきです。 最後に、このボリューム、この難易度の本を私が読むために生成AIの力が欠かせませんでした。 わかりにくい箇所の解説に始まり、私の解釈の妥当性の評価、これまで私が読んできた本との関連付けなどなど。とても豊かな読書体験になりました。

Posted by ブクログ

2024/01/02

東洋経済新報社 カールポラニー 「 大転換 」 自由主義経済(市場主義経済)を批判した国際経済学の本。訳者の解説や註解も充実しているが、かなり重厚な本 自由主義経済により、人間が市場により処理され、環境が破壊され、貨幣不足から企業が清算し、人間と社会が破壊されるという論...

東洋経済新報社 カールポラニー 「 大転換 」 自由主義経済(市場主義経済)を批判した国際経済学の本。訳者の解説や註解も充実しているが、かなり重厚な本 自由主義経済により、人間が市場により処理され、環境が破壊され、貨幣不足から企業が清算し、人間と社会が破壊されるという論調 自由主義経済により、経済のなかに社会が取り込まれている現実を見ており、人間や社会は自由を喪失していることを 批判している 著者の結論は、政治主導や計画経済を道具として使うことを 複合社会における自由としたもの。人間の自由が確保された社会のなかに経済を機能させるということだと思う 「十九世紀文明は崩壊した」から始まり、十九世紀文明下の四制度(バランスオブパワーシステム、金本位制、自己調節的市場、自由主義的国家)が 機能不全であることをテーマとした衝撃的な内容 市場の自己調節を自由にすることにより、市場が労働・土地・貨幣を商品とみなして支配し、人間が市場により処理され、環境が破壊され、貨幣不足から企業が清算し、人間と社会が破壊されるという帰結 著者の結論は、複合社会における自由の確立〜豊かな自由を創造する意志により、権力と計画化を道具として使うこと ファシズム、社会主義、ニューディールなど社会的な大変動の源泉は、自己調節的な市場システムを打ち立てようとした経済的自由主義のユートピア的試みによるものと批判 ファシズムの根源は市場経済システムの機能不全にあるとし、ファシズムは、民主的制度の破壊を伴う市場経済の改革であった〜人間の自由と平等、人間相互の連帯は破壊されるとしている 十九世紀より前の時代に、生産と分配が秩序が維持された行動原理 *互報〜対称性に助けられて機能 *再分配〜中心性をもつ場合に機能 *家政〜閉ざされた集団で機能 十九世紀文明 *1815年から1914年まで100年間の平和という現象を生み出した〜バランスオブパワーの成果 *十九世紀の歴史は、市場の拡大とそれに対する社会の抵抗という二重の運動 *十九世紀文明の崩壊は自己調節的市場とそれに対する社会の基本的な要求との葛藤〜社会が経済システムに優位に立つ   ロバートオーウェン *人間は市場社会に存在する悪を取り除かなければならない *悪を取り除くためには、何らかの強制が必要〜それは人間の自由には限界があることを意味

Posted by ブクログ

2023/12/29

経済人類学の始祖カール・ポランニーの名前を知ったのは25年以上前、栗本慎一郎を通じてだが、その代表作である本書を読んだのはつい数年前のことである。労働、土地、貨幣という本来商品化に馴染まない生産要素の商品化が社会の存立基盤を掘り崩し、社会の自己防衛としての対抗運動を生み出す。それ...

経済人類学の始祖カール・ポランニーの名前を知ったのは25年以上前、栗本慎一郎を通じてだが、その代表作である本書を読んだのはつい数年前のことである。労働、土地、貨幣という本来商品化に馴染まない生産要素の商品化が社会の存立基盤を掘り崩し、社会の自己防衛としての対抗運動を生み出す。それがファシズム、社会主義、ニューディールという三つの形態をとって表れた今世紀初頭までの歴史を描いている。 市場経済へのこの三つの対抗運動はいずれも国家主導によるものである。資本主義の暴走に歯止めをかけ、社会を防衛できるのは最終的には国家しかないのだ。これはいかにも逆説的だ。なぜならポランニー自身が指摘するように、資本主義は国家(正しくは近代国民国家)と手を携えて発展してきたからである。つまり資本主義とは国家の嫡出子であると同時にその鬼子でもあったわけだ。してみるとその矛盾がもっとも先鋭化するのは、それが自らを生んだ国家のコントロールを超えて肥大化していくグローバル資本主義と化す時であるのも当然である。この点で本書は今まさに最もアクチュアルな課題に関わってくる。ピケティの本が随分売れてるようだが、本書を読んでからでも遅くはない。 ポランニーにとって「大転換」とは市場社会の崩壊であり、以後経済システムが社会に命令することを止め、経済システムに対する社会の優位が回復されるはずであった。「産業文明を新たな非市場的基礎の上に据え直すこと」にいささか楽観的に過ぎる展望を語って本書は閉じられる。ソ連崩壊の半世紀前に書かれたという時代的制約は止むを得ないとしても、いったん市場が社会を覆い始めると、逆に社会が市場の自己調整機能に依存するようになり、単なる市場への対抗運動だけでは社会の優位は回復されないことを銘記すべきである。「スピーナムランド法」(18世紀末の一種の救貧法)によるベーシックインカムの保障が逆に賃金の下落を招き、その反動で堰を切ったように自由放任に流れて行った歴史を知るポランニーはそのことを理解し得たはずだ。 この関連で回顧的余談になるが、岩井克人が『ベニスの商人の資本論』の中で、パンダの親指のように進化の過程で退化したものを研究しても、現在の課題解決に直接役に立たないという趣旨の経済人類学批判をしたのに対し、栗本慎一郎が『意味と生命』の中で、岩井の「不均衡動学」こそ経済学と物理学の直結によるケインズ理論の復活であり、まさしく「ザ・リバイバル」だと猛反撃していたのが懐かしい。この点は経済人類学のアキレス腱であるに違いない。

Posted by ブクログ