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中国の五大小説(下) 水滸伝・金瓶梅・紅楼夢 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2009/03/19 |
JAN | 9784004311287 |
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中国の五大小説(下)
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商品レビュー
4.2
7件のお客様レビュー
上巻に続き、著者とストーリーを追いながら、少しずつ深掘りしていく。中国白話小説の時代的な流れから、当時の社会で、庶民に寄り添った形で読み続けられたからこそ、今日まで残ってるんだと思う。
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図書館の本棚で目につき、下巻から読了。 中国の物語が時代を追って深化を遂げている、という解説を主軸に「水滸伝」「金瓶梅」「紅楼夢」の三作を粗筋を追って平易に解説してくれる良書。 上巻の「三国志演義」「西遊記」も含めて、物語の中心に据えられているのが、いずれの作品も虚な人物であり...
図書館の本棚で目につき、下巻から読了。 中国の物語が時代を追って深化を遂げている、という解説を主軸に「水滸伝」「金瓶梅」「紅楼夢」の三作を粗筋を追って平易に解説してくれる良書。 上巻の「三国志演義」「西遊記」も含めて、物語の中心に据えられているのが、いずれの作品も虚な人物であり、それを取り巻く周囲が生き生きとしている、というのが面白い。 大長編だからなおさらそうなのかもしれない。 たしかに主人公の魅力だけで話を引っ張り続ける物語というのはそうあるものではないな、と改めて気づいた。 その関連で「水滸伝」に対して抱いていた違和感の正体が分かったのは大きかった。 少年時代に横山光輝の漫画を読んで、 ・梁山泊の首領となる宋江にまったく魅力を感じなかったこと ・物語が後半になるにつれてどんどん尻すぼみになっていくこと ・端的に言って「スッキリ」しなかったこと。 これらの違和感に対して「ああ、横山先生は三国志で力を使い果たしてしまって、水滸伝ではクオリティが落ちてしまったのかな、、」などとガキながらに不遜な分析を内心で抱いていたが、、元から水滸伝はそういう講談であったのだと。横山先生、すみませんでした。 「金瓶梅」と「紅楼夢」は歴史の授業で名前を学んだだけだったが、こちらも芳醇な物語であることがよく分かる。 特に「紅楼夢」の「家=政治」という観念の捉えられ方は、結局これ今の渡鬼だよね、とか身も蓋も無いことを思ったり。 「金瓶梅」で描かれる肉体的なエロス文化の解説のうち、纏足に関するくだりは、これほどグロテスクなものだったとは、、と怖気がした。戦慄しながらページを繰るも解説が詳細なので、精神的ダメージをかなり負った。 最後に。 「三体」を「中国からこのようなレベルの小説が出てきて驚き」などと評して、ヘイトと変わらないコメントを無意識に垂れ流しているような人は、月並みな言い方だが「中国四千年(五千年?)の歴史」に思いを馳せてほしい。 歴史を知らずして今を知ることはできないから。
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新訳紅楼夢を読了したばかりなので、興味深く読んだ。金瓶梅は水滸伝1エピソードから想を膨らませて成立しているが、作品世界の世界観は水滸伝の「侠」に対して金瓶梅は「欲」。また紅楼夢は、キャラクターや人間関係の配置、物語の展開において金瓶梅の影響が明白。ただ、金瓶梅の「欲」の世界を描く...
新訳紅楼夢を読了したばかりなので、興味深く読んだ。金瓶梅は水滸伝1エピソードから想を膨らませて成立しているが、作品世界の世界観は水滸伝の「侠」に対して金瓶梅は「欲」。また紅楼夢は、キャラクターや人間関係の配置、物語の展開において金瓶梅の影響が明白。ただ、金瓶梅の「欲」の世界を描くと共に、そこに儚く成立する少年少女の純な「情」の世界を置いて、より重層的な物語構成を生み出している。等々、なるほどと思った。いつか金瓶梅を読んでみたいと思う。
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