商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 春秋社 |
発売年月日 | 2009/02/10 |
JAN | 9784393416105 |
- 書籍
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正統とは何か
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正統とは何か
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商品レビュー
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この本に魅了されたのは、冒頭にある、次の言葉でした。 「詩人はただ天空の中に頭を入れようとする。ところが論理家は自分の頭の中に天空を入れようとする。張り裂けるのが頭のほうであることは言うまでもない」 「狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆるものを失った人で...
この本に魅了されたのは、冒頭にある、次の言葉でした。 「詩人はただ天空の中に頭を入れようとする。ところが論理家は自分の頭の中に天空を入れようとする。張り裂けるのが頭のほうであることは言うまでもない」 「狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆるものを失った人である」 唯物史観が元気だった時代。つまり、何やかや言っても、社会は、決められた「合理的な」コースを運行していくものだという考え方の優勢だった時代に、猛烈に反対したのが、チェスタートンだった。 この唯物史観的考え方は、進化論にも通じる考え方。単純生物から複雑生物、そして、人間に進化する。 チェスタートンの反対の第一声は、「いやいや、世界や生物は予定調和的にレールの上を動いているっているだけじゃない。だって、世界は、まさに驚きに満ちているではないか!」と。そして、その驚きを作り出すのが、人間であり、神だ、と。 「世界、宇宙は、人間の理性が捉えられるほど、そんなちっぽけなものじゃない」とも言える。いやぁ、そうだなぁ!って、読んでいてうれしくなりました。 「言葉」のとらえ方にも通じるものがあるかもしれません。「言葉」で伝えれば、すべて伝わると考える考え方と、「言葉」で表現できないものを伝えたいので、こんなにも頑張って「言葉」を使っているんだという考え方と(ここは、生煮えなので、もう少し掘っていかないと・・・)。
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イギリス保守主義の代表的文献ということで読んでみた。後半のカソリック教義の正統性を主張しているところは東洋の一庶民であるぼくには納得はできないが、キリスト教保守主義とはこういうものかと思った。前半の論理的一貫性よりも「健全性」を重視する思想や、バランスを重んじる思想はよく分かる。序をのぞいて全8章、「脳病院からの出発」は如何に論理が狂気をもたらすかを述べている。「思想の自殺」はデカルト主義、進歩主義、進化論、ニーチェなど意志の哲学の批判であり、「おとぎの国の倫理学」ではいかに民衆の智慧が健全なものかが説かれ、日常が「クルーソーによって引き上げられた物」として輝いているかを述べている。「世界の旗」はペシミストの批判、「キリスト教の逆説」は三位一体や奇跡などのキリスト教の神秘がいかに真理であるかと説いている。「永遠の革命」は教会が現在も生きてキリスト教の伝統を守っており、これが現実を変えていることを書く。「正統のロマンス」は正統教義の意味を解説、最終章「権威と冒険」では正統カソリックは表面的には悲哀があるか、根本に歓喜があるとする。神秘主義はこの反対であるそうだ。チェスタトンによれば、神秘主義や東洋の思想(仏教)は円環を描き出られないのに対し、キリスト教の十字架は中心に矛盾を抱えながらも、四方に無限に伸びていくそうである。チェスタトンの基本的な態度として活力ある冒険的な人生をよしとする前提がある。東洋の思想とはまずこの人生に対する前提がちがうと思われる。
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