架空の球を追う

森絵都【著】

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2009/01/30
• JAN: 9784163278308

商品レビュー

2022/09/13

日常の中にありそうな光景を、飾り気のない文章で書き記す。

この人の文章は好きだ。

カブトムシとハチの話が特に。

2022/03/13

まるで映像作品のように想像できる「ドバイ@建設中」（レストランのシーンを切り替えながら表現）、「二人姉妹」（弾けるようなラストシーン）。
思わず笑えるような愉快な文章の「ハチの巣退治」（手紙を書きかけて書き直す描写）、「パパイヤと五家宝」（パパイヤ夫人）。　

ほとんど地の文である作品も、逆に会話メインの話も、どちらも面白い。
現実にそんなことが起きるだろうか？というぎりぎりのラインが結構好きなのだけど、「あの角を過ぎたところに」と「彼らが失ったものと失わなかったもの」なんかはまさにそのライン上の話。そう簡単に起きないだろうけど、起きたとしたらそうなるかもしれないし、面白いなという視点だった。

2020/07/19

さまざまな国の、さまざまな人の一コマを、
少しだけ切りとった短編集。

「生まれて初めて紳士を見たような目をしていた。」(１９１ページ)