商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 国書刊行会 |
発売年月日 | 2009/01/20 |
JAN | 9784336049681 |
- 書籍
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新編 真ク・リトル・リトル神話大系(6)
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新編 真ク・リトル・リトル神話大系(6)
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新編真ク・リトル・リトル神話大系。最後となる6・7集は、1980年にラムジー・キャンベルが編集したアンソロジー『New Tales of the Cthulhu Mythos』を邦訳し、前後編に分けて再編したものになります。旧編で出たのが1983年、つまり、当時最も新しく刊行さ...
新編真ク・リトル・リトル神話大系。最後となる6・7集は、1980年にラムジー・キャンベルが編集したアンソロジー『New Tales of the Cthulhu Mythos』を邦訳し、前後編に分けて再編したものになります。旧編で出たのが1983年、つまり、当時最も新しく刊行されたク・リトル・リトル神話アンソロジーの邦訳だったわけです。(当時の)最先端を行く作家たちは、どのようなクトゥルフ神話の物語を新たに紡いだのか――。 6集は後に映像化もされたスティーヴン・キングの『クラウチ・エンドの怪』など、全9編のうち5編を収録。 以下、ちょっとだけネタバレありの各話感想。 --------------------------------------------------------- 『クラウチ・エンドの怪』(キング) クラウチ・エンド。イギリスはロンドンの片隅にあるその田舎は、実は異界との境界面が薄い地域であり、しばしばあちらの領域がこちらの領域を侵蝕してくることがあるという、専らの噂である。地元民は気をつけて生活しているが、時折、運の悪い旅行者がその侵蝕に引っかかって異世界に迷い込んでしまうこともまれによくあるのだ。そう、今回のその"運の悪い旅行者"は、アメリカから友人を訪ねてきた夫婦で――。 (運悪く異界に迷い込んでしまった夫婦の脱出劇を描いた、田舎に行ったら襲われた系ホラー。丹念な描写で、恐怖という名の非日常は常に日常と隣合わせに存在することを読者の意識に刻みつけてくる。後に別の作品集に再録される際に改稿されており、終盤に登場する怪異の描写が書き換えられているので、機会があれば読み比べてみてほしい。) 『不知火』(アタナジオ) 取引品であるヘロインを小川の近くに隠したヘンリーは、戻る途中で踏みつけた小石による怪我が原因で倒れてしまう。相棒であるマイクの手配で病院に入ったが、目覚めたのは9日後だった。取引を反古にされたギャングの報復を恐れたヘンリーは一人で逃走を図り、まずは隠していたヘロインを掘り出したが――。 (ノワール×クトゥルフ神話という一風変わった神話作品。登場人物がみな悪党で武器を所持しているので、クライマックスはB級アクションホラーの感もあり楽しんで読めた。ヘンリーはギャングに殺された方がまだましだったかもしれない。TRPGでは本作を元に、「浮き上がる恐怖」や「星のよどみに潜むもの」というクリーチャーが創作された。) 『木乃伊の手』(ラムレイ) 年の差カップルのハリーとジュリアは、邪神崇拝の伝承が残る黒い石を見物した帰り、ハンガリーの宿に泊まることになる。ハリーは宿の主人に、丘陵に建つ廃教会について尋ねると、主人はそこに行ってはいけないと警告する。警告を一笑に付して翌日にその廃教会を訪れた2人を出迎えた老人は、彼らを地下の納骨堂に案内する。そこには数百年前に亡くなった異教の巫女の木乃伊があった――。 (露骨ではないが直接的な性描写が盛り込まれている、これまた一風変わった神話作品。自業自得の感もある、C.A.スミスの作風を思わせる幻想的かつ悪夢的な内容。) 『暗黒の復活』(ロング) 夏の浜辺で、わたしは2人の子を持つ女性に出会う。女性が貝殻で切った手をわたしが応急手当をしたことを契機に彼女と話が弾むが、途中で彼女の息子が漂流物の方へ駆けていったので、わたしはそれを追いかけることに。不安定な場所に立ち尽くす彼に降りるよう声をかけたが、彼の様子は明らかにおかしくて――。 (避暑地を舞台に、明るい日常に忍び寄る終わりの始まり、旧支配者の復活という異常を描いたロング晩年の作品。短いながらもクトゥルフ神話特有の恐怖を描写し、ベテランとしての腕を見せられる。) 『シャフト・ナンバー247』(コッパー) 長年"監視"の仕事を続けている主任のドリスコルは、ある日、親方のホートに呼び出され、最近の部下の不審な挙動について注意するよう警告される。そのことについては自身も承知していたが、親方から指摘されたことで改めて興味を抱き、過去の出来事を確認するために日誌を閲覧しようとしたが、なぜか閲覧は禁止されていた。直接話を聞こうと部下の部屋に押しかけると、部は親友の失踪と、それに関わる247番シャフトでの体験を語り始め――。 (はたして我々に自由意志は本当に存在するのか。実は誘導されていることに無自覚なままではないのか。安定した生活を送っていた主人公が好奇心を刺激されて深みに嵌っていく様を、淡々と事象を連ねることで描写した怪作にして良作。)
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