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テロルとクーデターの予感(2) ラスプーチンかく語りき
1,650円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2009/02/06 |
JAN | 9784022503992 |
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テロルとクーデターの予感(2)
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テロルとクーデターの予感(2)
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独立したところで考えて、同じ発想が出てくることが重要。自分の頭で考える。 底流にあるのはユダヤキリスト教の終末論。歴史には終わりがある。終わりと同時に目的であり、完成であると。そこに至るまでには、いくつもの段階があり、それぞれの段階に完成があり、完成が順次積み重なっていくことで...
独立したところで考えて、同じ発想が出てくることが重要。自分の頭で考える。 底流にあるのはユダヤキリスト教の終末論。歴史には終わりがある。終わりと同時に目的であり、完成であると。そこに至るまでには、いくつもの段階があり、それぞれの段階に完成があり、完成が順次積み重なっていくことで、最後に自由の王国に入る、最後の審判を受ける。
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――――――――――――――――――――――――――――――○ 官僚は税を徴収するための階級ですから、資本主義の何たるかが、わかっていません。それゆえに彼らは、資本主義には、いい資本主義と悪い資本主義があるというふうに区別が可能だと考えるんですよ。ホリエモンや村上ファンドのような...
――――――――――――――――――――――――――――――○ 官僚は税を徴収するための階級ですから、資本主義の何たるかが、わかっていません。それゆえに彼らは、資本主義には、いい資本主義と悪い資本主義があるというふうに区別が可能だと考えるんですよ。ホリエモンや村上ファンドのような新興金融資本は悪い資本で、経団連に入っているような企業はいい資本だと。悪い資本を排除しなければ市場経済は成り立たないと。このような発想はスターリニズムや清潔さを強調するファシズムに共通したものだと思いますよ。36 ――――――――――――――――――――――――――――――○ ひと昔前の国立大学や主要な私立大学にはマルクス経済学の講座がありました。その当時、司法試験に合格するような連中は、資本主義のシステムについての基本的理解があったと思います。共同体と共同体の間から商品が生まれ、貨幣が生まれて、やがて貨幣が物神性を持って、その物神性を持ったものが資本になって、資本が主体になって人間のほうが振り回されていく(…)そういうことを勉強しなくなった世代が、検察の現場の一線に出てきた。このことと、最近のめちゃくちゃな経済事犯に対する手のつっこみ方は関係していると思うんです。36 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 中沢さんと太田さんの、憲法九条に関する議論を思い出してください。九条は世界に類を見ない<珍品>で、それでもって戦後六十年を過ごしてきた日本は特殊なのだと。九条がなくなったら日本は日本でなくなるから守っていこうと。九条を天皇に置き換えてみると――。84 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 人間は飯食って糞をする存在に過ぎないんだ、金持ちも貧乏人も変わらないじゃないか(…)ロシア革命では、プロレタリアートの側が唯物論を奪うことで革命を成就させた。いま現在は、唯物論を資本の側に持っていかれて、格差是認のイデオロギーとして使われているのではないでしょうか。人間は、唯物論をめぐって循環している感じがするんです。奪った側の思想によって唯物論に色づけがなされる。139 ――――――――――――――――――――――――――――――○
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『一冊の本』の人気連載「ラスプーチンかく語りき」の第2弾です。僕は3,1,2と変則的な読み方をしました。語られている事件は2006~08年のものですがそれが今に至る一つの契機だったのかもしれません。 この『ラスプーチンかく語りき』というシリーズを3→1→2といういささか変則的...
『一冊の本』の人気連載「ラスプーチンかく語りき」の第2弾です。僕は3,1,2と変則的な読み方をしました。語られている事件は2006~08年のものですがそれが今に至る一つの契機だったのかもしれません。 この『ラスプーチンかく語りき』というシリーズを3→1→2といういささか変則的な形で読み終えました。古今東西の思想を一冊に凝縮した語り口で2006年~2008年までの世相が語られており、『あぁ、あんなこともあった。こんなこともあった』と思いながらページを読み勧めていくうちにグルジア戦争などの出来事からあぁ、こうして世界はまだグローバル資本主義から『帝国主義的』な様相を解してきたのだな、と思ってしまいました。 元厚生事務次官襲撃事件、田母神論文、秋葉原事件、これらの事象をルソー、中江兆民、幸徳秋水、大杉栄、宇野弘蔵などの多彩な文献をもとに紐解いていく佐藤優と魚住昭の両氏の対話についていくのは本当に骨が折れました。村上ファンドの事件が突きつけた問題は『国家は資本を制御できない』というもので、確か、徳川吉宗が堂島の米相場と生涯にわたって格闘したことを思い出しながら読むとともにもと通産官僚出身の村上氏が検察とどのように渡り合ったかということや、爆笑問題の太田光が中沢新一氏と語り合った『憲法九条を世界遺産に』というのがいかに危ういのかということを論理的に読み解いていったり、『新自由主義の地獄絵』では「働いて得たお金は誰のものか?」を副題としてこの頃から顕在化したワーキングプアや貧困社会の問題をマルクスやルソー。さらに日本の社会主義を用いて説明されている箇所も面白かったと思います。 僕が最も面白いと感じた箇所は秋葉原で起こった無差別殺傷事件を『ニヒリズム』が起こした革命と看破した箇所は、事件の一週間後に現場に降り立った人間としては皮膚感覚で理解の出来る言葉であったとともに、あの事件のもつ恐ろしさが改めて思い出されました。そして、単行本化されるに当たって収録された『テロルとクーデターの予感』ではもと厚生事務次官襲撃事件と物議をかもした『田母神論文』について取り上げられており、佐藤優氏の航空幕僚長という『三軍』の内のひとつのトップがあからさまに反米を標榜した論文を書いて、その意見が自衛隊でかなりの支持を受けている、ということに危機感を覚えるといったくだりは、かつてあの論文を読んでいたものの一人として、『そういう読み方もあったのか!』と目からうろこが落ちる思いでありました。 この本は相当思想色が濃いので、さまざまな思想関係のテキストを読み込んでいなければ正直、ここに書かれてあることを全て理解するのは自分も含めて難しいと思われますが、現在に至る契機となった2008年のことを少し振り返ってみたいという方や、世の中の事象をもっと深く考えてみたいとおっしゃる方には、一読をされてみるというのも、ひとつの選択肢であるかと思われます。
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