商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日科技連出版社 |
発売年月日 | 2008/10/30 |
JAN | 9784817192851 |
- 書籍
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設計科学におけるタグチメソッド
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設計科学におけるタグチメソッド
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筆者の椿先生は、1956年生まれで、東京大学大学院計数工学専門課程を修了され、東京大学助手、慶応大学講師、筑波大学教授を経て現在は、統計数理研究所の教授をされています。河村先生は1975年生まれで統計数理研究所の助教をされています。 椿先生は大学1年生の時に田口玄一の講義を聞...
筆者の椿先生は、1956年生まれで、東京大学大学院計数工学専門課程を修了され、東京大学助手、慶応大学講師、筑波大学教授を経て現在は、統計数理研究所の教授をされています。河村先生は1975年生まれで統計数理研究所の助教をされています。 椿先生は大学1年生の時に田口玄一の講義を聞く機会を得て、統計学の道に進むことを決心されたそうで、東大助手の時には、あの伝説の討論会(1986年に、日本品質管理学会の田口の実験計画法特集の記事を作るために、久米均先生が座長で、田口玄一先生、竹内啓先生、矢野宏先生、廣津千尋先生がした討論会)のテープ起こしをされたそうです。 ところが、ご存知の方も多いと思いますが、タグチメソッドは統計学から外れたところにあり、田口先生自身、「統計的に理論づけすること自体がナンセンス」と統計学とタグチメソッドの関係を否定していらっしゃいます。 統計学者は統計学者で、タグチメソッドが「使った、効いた、だからよいことだ」という帰納的な理解でよいのかという忸怩たる思いがあるようです 裏を返せば、統計と言う数理を用いて科学的に式を立てて同様な効果を導きたいという思いがあるようです。そうすれば、タグチメソッドの「確認実験において利得の差が±3db以内なら再現性あり」といった経験則による判断ではなく、統計学の有意差検定などを適用できるようになるという利点が生まれます。 ★★★ つまり、本書は、タグチメソッドに信奉している統計学者が「統計学からみてタグチメソッドを体系化してやろう」と試みたものです。 具体的には、損失関数を、タグチメソッドが使用している「2乗損失関数」ではなく「平均2乗対数損失にもとづいたSN比」を使用することで、SN比解析を分散と平均の解析といった統計の基本的な問題に帰着することができることを示し、簡単な例を用いて、タグチメソッドの結果とほぼ同等の結果が得られたことを報告しています。 言い換えると、タグチメソッドの数理的原理を明らかにする試みのひとつが示されました。 ★★★ さて、本書に対して、タグチメソッドの面からはどう考えればよいのでしょうか?? 「タグチメソッドが統計学的にも証明される道筋がつき、統計学の成果が使えるようになりそうだ」 という見方と、 「田口玄一が、統計学を技術開発に当てはめてはいけないといった意味がまだ、統計学者には理解できていない」 の2つの見方があると思います。 このギャップを埋める必要があると思います。何とか両者が集まって議論を重ねて行くことはできないものかと強く感じました。
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