私のこだわり人物伝4・5月

日本放送出版協会

• 販売会社／発売会社: 日本放送出版協会
• 発売年月日: 2007/03/26
• JAN: 9784141891680

商品レビュー

2020/07/10

ＮＨＫは、黒人アーティスト、マイルス・デイビスへの人種差別をいつ止めるのだろうか？Black Lives Matter. The Black Artist’s Life Matters, too!

２０２０年５月２５日にアメリカ、ミネアポリス近郊で、警察官の不適切な拘束方法によって死亡させられた事件「ジョージ・フロイド氏の死」に関するＮＨＫの放送に対し、米国のジョセフ・ヤング駐日臨時代理大使は、ＮＨＫ制作のアニメ動画について「侮辱的で無神経」との見解を表明し、ＮＨＫは謝罪した。ＮＨＫ局内に根付く黒人への人種差別が物凄いのは、このテキストと関連する番組を視ればすぐにわかる。

ＮＨＫ教養番組「私のこだわり人物伝」で取り扱っているジャズ界の大御所、黒人のマイルス・デイビスの誕生日が番組内でみっともないほどに間違っている。人物伝を作成するのだから、取り上げるマイルス・デイビスの誕生日くらい、制作段階で調べないのだろうか？Wikipediaでも初めから「５月２６日（履歴表示の最古のページ）」として記されているし、「５月２５日」は有名な間違い。当時、ＮＨＫに苦情しても一切、回答はなかった（これを根拠に受信料の支払い拒否は可能、回答が来るまで支払い保留）。ＮＨＫから国民を守る党のみならず、ＮＨＫから黒人を守る党も必要か？

この番組を担当した、ＮＨＫディレクター田中涼太と制作統括の大森龍一郎は、反省も訂正もする気がないようだ。テキストも間違いだらけ。例えば、１２８ページの後に挿入された写真で「７５年に来日したときのステージ」と書かれているが、これはまぎれもなく１９７３年の写真（デビッド・リーブマンが左にサックスを持って写っている。１９７５年の来日公演は、黒人のソニー・フォーチュンがサックス担当）。もっと驚いたのは、この番組が、放送批評懇談会で第４５回（２００７年）ギャラクシー賞奨励賞を受賞していること。指摘されて賞を取り消されるのが、そんなにＮＨＫは悔しいのだろうか？それとも、人物伝で取り上げる人物の正確な誕生日すら調べられないＮＨＫ教養番組に価値があるとでも思っているのだろうか？それならば、訂正放送の必要性を明記した「放送法（受信料を取り立てるための法律）」すら、ＮＨＫこそが理解していないことになる。

１９８３年出版の「マイルス・デイビス―誰も知らなかった帝王の素顔」では、ジャズ・ジャーナリストの児山紀芳氏に「世間じゃ私の誕生日を今だに５月２５日と書いているようだが、５月２６日が正しいのさ。もう４０回も訂正してるのに」と述べている。４０回訂正しても理解しないのがＮＨＫの教育番組とテキスト制作部である。

マイルス・デイビスは、「５月２６日なのに自分の誕生日を５月２５日」と間違えることは、黒人である自分に対する黒人への人種差別だと何度も主張してきた。しかし、ＮＨＫのマイルス・デイビス番組では堂々と学歴詐称講師が「５月２５日」と間違えているのが笑える。

日本人の人物伝、例えば、石原裕次郎や美空ひばりで誕生日を間違えていれば、ＮＨＫは即座に訂正すると思うが、黒人のマイルス・デイビスの場合、訂正要求無視、それがＮＨＫの黒人への人種差別なのは間違いない。

ＮＨＫは、今からでも、ギャラクシー賞奨励賞の自主的な取り下げを申し出て、会見を開き、ＮＨＫディレクター田中涼太（「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!」も担当していたようだ）とズブズブの関係の学歴詐称講師の経歴を調べ「ＴＢＳでは上智大学中退と放送しましたが、ＮＨＫが調べたところ、立●大学中退でした。東京芸●大学からも欠陥講義の指摘で教壇追放されていました。人物伝で誕生日を間違えるという大きな誤りを訂正し、賞の取り下げを申し出て、謹んでお詫びします。」とＮＨＫの全国ネットの放送で清く謝罪すべき。

同時に、ＮＨＫには、局に根付く黒人に対する構造的な人種差別の撤廃を訴えるべき（例：黒人と日本人のハーフのアナウンサーはいるか？黒人を扱う人物伝なら誕生を調べなくても良いという異常な局内の体質）。

このデタラメなマイルス・デイビスのドキュメント番組制作者とテキスト制作部には、ＮＨＫ人気番組にあやかって「ボーっと生きてんじゃねーよ!」という言葉を是非とも贈りたい。マイルス・デイビスが生まれたのは５月２６日。ジョージ・フロイド氏の死は５月２５日。マイルス・デイビスの誕生日を５月２５日とＮＨＫのように間違えることは「侮辱的で無神経」な人種差別だということをよく覚えておいて欲しい。そもそも、何をもって「知るを楽しむ」なのかが知りたい劣悪極まりないテキスト一冊。百害あって一利なし。