商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | スイッチパブリッシング |
| 発売年月日 | 2008/10/02 |
| JAN | 9784884182830 |
- 書籍
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火を熾す
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火を熾す
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商品レビュー
4.3
51件のお客様レビュー
凄く好きかもしれない。 読むきっかけは単純だ。 nhkの土曜ドラマ、「地震の後で」 村上春樹作品のドラマ化だったので見てみると、「アイロンのある風景」は凄く印象的な作品だったので原作である、 ↓ 春樹の「神の子どもたちはみな踊る」を再読。 「アイロンのある風景」で、ジャックロン...
凄く好きかもしれない。 読むきっかけは単純だ。 nhkの土曜ドラマ、「地震の後で」 村上春樹作品のドラマ化だったので見てみると、「アイロンのある風景」は凄く印象的な作品だったので原作である、 ↓ 春樹の「神の子どもたちはみな踊る」を再読。 「アイロンのある風景」で、ジャックロンドンの焚き火の本の話が出てきて、もうどうしようもなく原作を読みたくなった。 ジャックロンドンという名前、なんか聞いたことあると思ったら過去に「どん底の人びと」を読んでいた。この本はイギリスの貧困層が住む地域の潜入ルポだったので彼はジャーナリストかなんかと思っていたが、この本は完全なる小説である。 内容は凄い。どの小説も生きることの極限の描写が鬼気迫るから終始ハラハラする。面白いのは絶望からの終焉の場合もあれば、その逆の大復活劇もあるところ。とにかく終始ハラハラする。生きるということに。生き抜くということがこんなにもエネルギーを使い尽くすことなのかと。 柴田さんの訳もいいのかな。
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(2021/3/8読了) ジャック・ロンドンシリーズ。 短編集。アラスカの厳しい「野生」や拳闘を舞台に自然・ライバル・年齢にあらがい、敗れ去っていく人間を描く。 皮肉とかシニカルですらない、諦観に満ちている。こういうことを考えているんだもの、自殺したくもなるわね・・・。
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“何しろひどく忙しいものだから、一人よるべなく雪の中に残っている祖父を思いやる暇はなかった。野営を畳まねばならないのだ。長い旅路が待ち、短い日は留まってくれぬ。死ではなく生が、生の責務が彼女を呼んでいる。そして彼は、死のすぐそばまで来ていた。”ー『生の掟』ー ずいぶん久しぶりに...
“何しろひどく忙しいものだから、一人よるべなく雪の中に残っている祖父を思いやる暇はなかった。野営を畳まねばならないのだ。長い旅路が待ち、短い日は留まってくれぬ。死ではなく生が、生の責務が彼女を呼んでいる。そして彼は、死のすぐそばまで来ていた。”ー『生の掟』ー ずいぶん久しぶりにジャック・ロンドンを手に取った。といっても「野生の呼び声」を読んだときのイメージしか思い出せない。 それでも、表題作の「火を熾す」を読むと、これぞロンドンという思いが湧いてくる。 昼中も日が昇らぬアラスカの雪原にて、凍死寸前の切迫した状況で焚火を熾そうとする男の苦闘が、直に見たまま、触れたままの体験として伝わってくるかのよう。 無駄な情感や過剰な情景描写を削ぎ取って描く文章には迫力と緻密さが同居しており、引き込まれる。 闘う相手は、無情なアラスカの自然であったり、ときには老いたボクサーの持てる技術と経験でも押し留められぬ若さからの挑戦であったりする。 力一杯闘い、敗れる。 その単純さに魅了されながら、人とはそれだけではないとの思いも浮かぶ。 冒頭に引いた『生の掟』の主題は、自然の摂理や厳しさというよりも、敗北が運命付けられた人という存在が示す心の移ろいや死生観なのではないか。 『生の掟』では、飢饉の年に養い口を減らすために置き去りにされる老人が描かれる。 一族の前では超然とした態度を示すものの、老人の心には生きることへの未練がまだある。しかし彼に残された時間は、せめてもの配慮で置かれた薪の量と一致している。 “命は何束かの木切れで量られる。一束、一束と火にくべられ、そうやって一歩一歩死が近づいてくる。最後の一本がその熱を明け渡すとともに、無情な寒さが力を帯び始めるだろう。” 老人の心に去来するもの。 彼が闘い殺した人。 かつて置き去りにした父親。 子供の頃に見た、狼の群れ相手に驚異的に闘って最期を迎えた老ヘラジカ。 覚悟を決めた老人は抗わずに死を受け入れる。 取り巻く狼たちに、己れの命を差し出すようにして。 それは動物としての本能に背く行いだ。 戦わないことは、老いることは、弱さであり敗北なのか。 いや、ここでは運命を受容する老人の尊厳を描いていると考えたい。 彼は長い人生で十分に戦ってきたのだから。 ロンドンらしく、そしてロンドンらしくないような、『生の掟』が最も心に残った。
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