商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1983/06/15 |
JAN | 9784061830424 |
- 書籍
- 文庫
日本共産党の研究(2)
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日本共産党の研究(2)
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
第二巻では、1930年代以降の活動に焦点を当てる。この時期、共産党にとって大打撃を受けたことがいくつかある。そのうちの一つが、党の主軸にスパイがいたことである。スパイMと呼ばれた男は、当時の共産党にとって、活動を続けるのに必要不可欠な存在であった。ところが、実際は警察側の人物で...
第二巻では、1930年代以降の活動に焦点を当てる。この時期、共産党にとって大打撃を受けたことがいくつかある。そのうちの一つが、党の主軸にスパイがいたことである。スパイMと呼ばれた男は、当時の共産党にとって、活動を続けるのに必要不可欠な存在であった。ところが、実際は警察側の人物であった。スパイは信頼と裏切りの連続で、通常の人間にとって精神的に耐えきれないが、スパイMは強靭なメンタルを備えたためか、両方の活動を難なくこなした。それ故に、この人物は日本共産党の歴史を語るうえで避けて通れない。 また、佐野学と鍋山貞親の転向も党にとって衝撃を与えた。佐野は親鸞を、鍋山中世の武士の思想に関心を持つようになるが、いずれにしても両者は天皇を絶対とする考え、言い換えると日本回帰へと転向した。体制側が治安警察法や治安維持法など、反共の法案が成立するたびに、共産党は離合集散したが、佐野と鍋山の2名が転向して以降、これまでの勢いは徐々に縮小した。それくらい大きな影響であった。ちなみに、敗戦後、日本共産党は正式な政党として、活動が認められるようになるが、そのときの指導者たちの大半が、転向組してその後復党した者で、宮本顕治のように、最後まで非転向を貫いた人はまれであった。
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第二巻は、「スパイM」が暗躍した「非常時共産党時代」と、熱海事件以降の野呂栄太郎および山本正美を中心とする共産党再建の試みがえがかれます。 スパイMこと飯塚盈延について著者は、関係者への取材を通してスパイとしての活動を終えたあとの彼のすがたについても明らかにし、このたぐいまれな...
第二巻は、「スパイM」が暗躍した「非常時共産党時代」と、熱海事件以降の野呂栄太郎および山本正美を中心とする共産党再建の試みがえがかれます。 スパイMこと飯塚盈延について著者は、関係者への取材を通してスパイとしての活動を終えたあとの彼のすがたについても明らかにし、このたぐいまれな活動をおこなった人物の陥った人間的な苦悩をのぞき込むような叙述も見られます。本作の主要なテーマは日本共産党の歴史ですが、その歴史を動かしてきた人間たちの素顔にせまってみたいというのも、著者の関心のひとつにあったのかもしれません。 また本書の最後では、佐野・鍋山の獄中転向声明がとりあげられます。彼らの転向も、人間に対する関心をかき立てるものではありますが、このテーマにかんしてはこれまでも数多くの評論がなされているためか、著者の叙述はやや控えめなものにとどめられている印象を受けます。
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本巻の中心は共産党と当局との攻防だが、スパイMをはじめとするスパイの活動に紙幅が割かれている。 日本共産党の歴史を語る上でスパイの果たす役割は大きいと立花は考えているのだろう。
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