商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2008/10/11 |
JAN | 9784334901554 |
- コミック
- 光文社
オバケ 最終版(下)
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オバケ 最終版(下)
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上巻後半から下巻中盤まで続く川男(かわおとこ)という「オバケ」にまつわる物語が秀逸だ。 ある二月。北九州を流れる紫川(むらさきかわ)が舞台。かなり少なくはなったが、川で漁をして生活する者たちが今もいる。その1人鯉太郎(こいたろう)は「年々少なくなるのお」と愚痴を言いながらも川に...
上巻後半から下巻中盤まで続く川男(かわおとこ)という「オバケ」にまつわる物語が秀逸だ。 ある二月。北九州を流れる紫川(むらさきかわ)が舞台。かなり少なくはなったが、川で漁をして生活する者たちが今もいる。その1人鯉太郎(こいたろう)は「年々少なくなるのお」と愚痴を言いながらも川に仕掛けて魚を捕る。 そこに地元の小学校の女先生が姿を見せる。川の漁をじっくりと見たいと言いながらも、実は担任する5年生の忠明(ただあき)が、学校に来ずに川の漁を手伝っているというのを知り、様子を見に来たのだった。 忠明の父が河原を一升瓶ぶら下げて千鳥足でふらつく姿が見える。しかし忠明が学校に行こうとしない原因はほかに何かありそう… 次の話 川の漁師だった忠明の父は、今じゃ昼間から酒びたり。一方で忠明は女先生の目が届かないところで、同級生の3人組から、現代風のストレス過多な子どもの神経質なイライラをさらに弱い者にぶつけるかのようないじめを受けていた。その雰囲気を察した鯉太郎はつぶやく「子どもが天使っちゅうのは大ウソやの」。 女先生は忠明が放課後いじめを受けようとする気配を感じ取り、忠明にお父さんに話があるからいっしょに帰ろうと機転をきかす。道すがら、忠明は大人になったら漁師じゃなくて公務員になりたいと先生に話す。でも公務員というのは実は警察官のことで、拳銃を持ちたいという願望からだった。「ボクをいじめたやつも、川を汚したやつも、…酔っ払いの父ちゃんも、みんな…」バキューン 次の話 オヤジが酒びたりになり、忠明が寂しい思いをしてるのは、“母ちゃん”が姿を消したからでもあった。 忠明は母ちゃんが見ている横で、父ちゃんから「鯉の抱きとり漁」を教わるのが夢でもあった。しかし現実はその夢がかないそうにもなく、また父ちゃんが酒飲んでケンカして、涙ながらに河原に出た忠明は、川に棲むやせさらばえた「川男」と偶然出会う。 次の話 川男は川がやせるにしたがってやせ衰えていた。「いっこうに水がきれいにならんもんで、頭も体もやられたみたいや」。しかし川で漁に生きる男たちは、川男がまだ生きていたというのを聞いて勇気をもらう。 次の話 忠明のクラスは課外授業で「石倉漁」を体験する。石倉漁とは川に島状に石を積んで魚が石のすき間に入っているのを棒でつつき中央の魚だまりに追い込んで一気に網でつかまえるというもの。 忠明の父は陰で様子をうかがっている。忠明以外の小学生はみんな川の漁ははじめてで思い思いに川の生き物に接して楽しんでるが、忠明をいじめる主犯格の大倉は斜に構えた態度で誤って冬の川に落ちてしまう。 次の話 おぼれる大倉に向かって反射的に忠明は川に飛び込む。そのときもう1人素早い動きで川に飛び込む者がいた。忠明の父だ。 忠明は大倉にしがみつかれ、勝手がちがってうまく泳げない。父も追いつくが、おぼれた子ども2人を助けるには力が足りない。絶体絶命。 お互いガンバレと声を掛け合ってた忠明と父だが、急に忠明は思い付き、こうつぶやく。「紫川様 魚を分けてください 力を分けてください 命をください」父から教わってた“漁師の祈り”の言葉だ。忠明と父とでこの祈りの言葉を繰り返し、大倉も意識朦朧のなかでいっしょに言葉を合わそうとしたとき、川の底から何かが伸びてきて3人を助けた。瀕死だった川男が精一杯手を伸ばし、川で祈る者たちを救った。 次の話 冬のある日の河原。たき火の前にいる忠明はふんどし姿。今から父に「鯉の抱きとり漁」を教わるところだ。たき火で体を温める忠明の前に大倉が不意に現れる。悪態をつく大倉。だけど忠明にそっとキャラメルを手渡す。「パワーがでるど」 鯉の抱きとり漁とは、冷たい水の中で動きが鈍くなっている鯉に泳いで近づき、体温で鯉を呼びこんで、そのまま腕に抱いて捕まえて上がってくるというもの。 父のやり方を見て忠明も挑戦してみるものの、見るのとやるのとでは違ってうまくいかない。そのとき離れて様子を見ていた川男が父子のまわりを鯉の群れごと体で囲い込んだ。その囲いの中でとうとう忠明は鯉を抱きとることに成功する。 その父子の様子を離れて見ていた女性の姿が。川でおぼれた小学生が命を取り留めたという新聞記事を読んで忠明のことが気になった“母ちゃん”だった… 実はこの後も「川男編」は続き、ラストはある意味いろんな解釈ができる余韻を多く含むものになっている。ここで最後まで書き切ってしまうと、せっかくの畑中純さんの妙味を私が消してしまう恐れがあるので、ここまでにしておく。
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