ヒットラーのカナリヤ Y.A.Books

サンディートクスヴィグ【作】, 小野原千鶴【訳】

• 販売会社／発売会社: 小峰書店
• 発売年月日: 2008/08/06
• JAN: 9784338144254

商品レビュー

2023/11/23

アパートの壁手前１メートルに
シーツを貼り、絵を描き、まるでそこに壁があるように
し、デンマーク系ユダヤ人６人を
隠まった。
そこへ、ドイツ将校達がやってきたシーンは
体に力が入り呼吸が浅くなるように
読んでいた。

すごく心に残った言葉は
「世の中には自分と違うものに対しては、それが何であろうと恐怖を抱く人がいるんだ。その対象はとにかく理解できないもの全てだ。でも誰にでもありのままでいる権利がある。そのために僕らが立ち上がらないといけないんだ。そうしないと、いつの日か、自分が他と違うことでのけものにされる日が来る。そのときに誰も助けてくれる人はいなくなってしまうんだ。」

正義を胸に大きな権力に
ひるまずに、立ち向かい、自分の命を危険にさらしても
仲間や家族、そしてデンマーク系ユダヤ人を
救おうとした人たちの話。

正しいことは何か。
を時代、風潮や偏見に流されず
感じて行動に移す

自分の中にその感覚を
もつことが、きっとどの時代にも
大切だということを教えてもらえた。

2018/06/09

ああ、これは良い本。
ナチス占領下のデンマークで何が起きたのか、初めて知りました。
作者が強調した、すべてのデンマーク人が善人ではなかったし、すべてのドイツ人が悪人ではなかった、という言葉が胸に迫ります。

2017/12/17

児童向け小説（と言っても事実を下敷きにした半フィクション）という部分に救われた気が。これ、ノンフィクションのルポだったらオブラート抜きの残酷さに読み進められなかったかもしれない。舞台をモチーフに進む、デンマーク系ユダヤ人の救出劇。当時、こんな緊張が各地でおこり、悲劇がたくさんあったんだなぁと思うと胸が痛くなります。自国の歴史も考えつつ、戦争はイヤ。でも巻き込まれたら？そう自問してしまいました。